オアシス [DVD]

監督 : イ・チャンドン 
出演 : ソル・ギョング  ムン・ソリ 
  • バンダイビジュアル
4.21
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569619594

感想・レビュー・書評

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  • 心抉られる究極の純愛映画だと思う。
    DVD ジャケットのふたりの笑顔で「韓流純愛映画ー(笑)」と思った人こそ観て欲しい。

    男の名はジョン・ドゥ。
    ひき逃げ致死の容疑で服役していたが刑期を終え出所。
    兄夫婦の元に居候させてもらうが義姉に「あんたのこと嫌いよ。あんたがいないときはほっとする」と言われる。
    このジョン・ドゥ、何らかの障害を抱えている。空気が読めなくて、感情の表し方も不器用。みているともどかしい。
    彼が果物を持って訪問したのはなんとひき逃げ致死相手の家。当然追い返されるがそこでひとりの女と出逢った。
    女の名はコンジュ。
    重度の脳性麻痺で家からあまり出ずに暮らしている。

    次の日、彼は花束を持って彼女に会いにいく。
    (あ、結構いい人じゃん)と思ってたら彼女に近づき「可愛い顔だと思った」といいつつ体の関係を求めようとする。
    (げ、体目当てだった(`Δ´))
    彼女は全身を使って拒否、失神してしまう。

    その後、彼が置いてった連絡先をみた彼女は電話する。
    「聞きたいことがある」

    最初、(なんでレイプされそうになったのに、なんで会おうとするの)と思ったが、ちょっと考えた末納得・・・はできないがなんとか飲み込む(笑)。彼は彼女をちゃんと見てくれたからだ。たぶん人生ではじめて、女として。
    「何で花束を持ってきたの?」
    が彼女の聞きたいことだった。

    ふたりは徐々に距離を縮めていき、周囲から理解を得られないまま‘友達’のような‘恋人‘のような関係で付き合い始める。
    気持ちが通じた時、ある悲劇が...。

    とにかく主演ふたりの演技がすごすぎる。
    とくにコンジュを演じたムン・ソリ。
    一緒に観ていた母が演技だと知って驚いていた。
    本当に障害のある方だと思ったそうだ。
    『ギルバート・グレイプ』のディカプリオと同じくらいすごい。
    ジョン・ドゥを演じたソル・ギョングもすごい。不器用さが痛いほど伝わってくる。
    言いたいときに言いたいことが‘話せない’
    笑ってはいけないときに‘笑ってしまう’

    でも観ているうちに気持ちが手に取るように分かるような気がしてくる。

    ふたりの‘恋愛’の真っ直ぐさと周囲のふたりへの‘無理解’がやるせなくなってしまう。

    観てみないとこの‘重さ’は分からないと思う。

    おすすめです♪

  • ひき逃げをした刑で刑務所から出所したばかりのジョンドゥは被害者遺族の家を訪れる。
    そこには脳性麻痺の障害者の女性コンジュが一人取り残されていた。
    ジョンドゥは彼女の事が気になりはじめ・・・。

    前科者と障害者の純愛って内容だけど、
    ジョンドゥも周囲から言われているような大人になりきれない人物ではなく、
    典型的な“ワル”ではないので何らかの精神疾患かかえている人なんじゃないかなと思った。
    ※精神疾患だから犯罪をという意味ではないです。
    このケースではということ。
    統計的に精神疾患のある人より、ない人の方が犯罪率が高い
    コンジュ役のムン・ソリさんの演技もすごかったなぁ。

  • 度肝を抜かれた映画。最初が異常な程たるいが、それを耐えることが出来たら、面白くて目が離せない。夢のシーンも存在し、そのシーンではまるでミシェル・ゴンドリーのような楽しさがある。これは、不思議に純粋だが残酷さもある愛の映画だ。

  • とにかく観てほしい。

  • 『シークレットサンシャイン』からの、イ・チャンドン作品としては二作目の鑑賞。

    社会という枠からはじき出された人達の生きづらさや、どうしようもないほど断絶して世間との相互理解が成り立たないことへの描写は、シークレット〜と共通しており、えぐるような迫力がある。

    人間の本質を問い直すようなテーマ設定。ある種のタブーに踏み込んでいるギリギリ感。作品全体を支配する閉塞感。とても力強い映画だと感じた。

    ジャケットのデザインが泣ける。

  • 圧巻!ムン・ソリをチェックせずにいられない。

  • 韓国映画って面白いなぁってさらに思わせてくる。
    主人公がなんに危なかしく、嫌悪さえ抱くのに最後には彼を愛おしくもなっている。
    なんか理解できないとか、伝えられないとかってほんと残念なんだけど。理解してくれる人がいるということ。
    だったり、ほんとすごい映画を見た。

  • 傍に居たい人がいて、傍に居れることは本当に幸運なこと

    最後見切れず、またいつか

    2021/05/26 再視聴済み
    ある2人のラブストーリー

  • これは凄い映画でした。

    「シークレット・サンシャイン」を観たときも
    心底感服しましたが、この作品もイ・チャンドン監督
    の唯一無二といっていい渾身の一作でした。

    抑圧、偏見、誤解、世間体と対抗するようなふたりの姿。
    起因するものは何であれ何ものにも囚われない
    湧き出す「愛情」という感情がもたらすもの。

    見ている間、見終わってからも色々な思いが
    心に去来する作品です。

    主演の2人には手がちぎれるほど拍手を送りたい。

    この映画のポスターも素晴らしい。
    見る前と見た後では全く違って見えます。
    ただ男女が座っている風景が見えるだけの鑑賞前。
    鑑賞後はその姿も表情も神々しく見えるはず。

    文章力の拙さに書いても書いても感じた思いとは離れてしまって
    語りたい気持ちはあるものの多くを書くことはやめました。(残)

    兎にも角にも必見の映画です。

  • 制作年:2002年
    監 督:イ・チャンドン
    主 演:ソル・ギョング、ムン・ソリ、アン・ネサン、チュ・グィジョン、リュ・スンワン
    時 間:132分
    音 声:韓:ドルビーステレオ


    暴行、強姦未遂に続いて、今度はひき逃げ事件による2年6ヵ月の刑を終えたばかりの青年ジョンドゥ。
    出所して家族のもとに戻った彼を、誰も快く迎えてはくれず、疎ましい感情を隠そうともしない。
    ある日、ジョンドゥはひき逃げで死なせてしまった被害者の遺族を訪れる。
    しかし、一家は引越しの最中で、部屋にはコンジュという女性一人が取り残される。
    彼女は重度の脳性麻痺のため手足が不自由で、発語にも重い障害を抱えていた。
    兄夫婦は彼女の名義で障害者用の大きなアパートを手に入れ、そこへ移って行ってしまったのだ。
    ジョンドゥはひとりぼっちのコンジュのことが気になり始め…。

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著者プロフィール

【著者】イ・チャンドン(Lee Chang-dong)
1954年生まれ。1981年慶北大学校教育学部国語教育科卒。1987年まで高校の国語教師として教壇に立つ。1983年小説「戦利」が東亜日報新春文芸中編小説部門に入選。1987年『焼紙』、1992年『鹿川は糞に塗れて』の2冊の作品集を刊行、作家として高く評価される。本書『鹿川は糞に塗れて』で第25回韓国日報文学賞受賞。1993年より映画の世界へ。2003〜04年、韓国文化観光部長官を務める。長編映画監督作品として「グリーンフィッシュ」「ペパーミント・キャンディー」「オアシス」「シークレット・サンシャイン」「ポエトリー アグネスの詩」、村上春樹の原作による「バーニング 劇場版」がある。2023年、フランスのアラン・マザール監督によるドキュメンタリー映画「イ・チャンドン アイロニーの芸術」が日本で公開される。

「2023年 『鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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