マルサの女2 [DVD]

監督 : 伊丹十三 
出演 : 宮本信子  三國連太郎  津川雅彦  大地康雄 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.50
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本棚登録 : 192
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102033538

感想・レビュー・書評

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  • マルサこと国税局査察部査察官・板倉亮子(宮本信子)に、東京大学を卒業したばかりという部下(益岡徹)がついた。亮子はある地上げ屋の脱税を追求していたが、その裏にはもっと大きな力がうごめいていた。それはヤクザであり、宗教法人であり、さらに大物政治家までもが絡んでいた。
    宗教法人というのはいくらお金をもうけても税金はかからない。そこに目をつけた悪人たちは、宗教法人を隠れミノに金儲けを企む。亮子たちは地上げ屋を繰る鬼沢鉄平(三国連太郎)という天の道教団の代表に目をつけ調査を始めるが、なかなかシッポをつかまえることができない。
    亮子らはあるとき税務署員を装い教団へと潜入するが、教徒らによって追い出されてしまった。地上げ屋のマンションの住人や大衆食堂に対する横暴が続く中で、何億円という巨額な金が動いていた。
    しかし、亮子たちが証拠をつかもうとすると、次々にトカゲのシッポを切るように人が殺されていく。いよいよ脱税の確信をつかんだ査察部は、天の道教団へ乗り込み、証拠書類を押収。鬼沢鉄平を取り調べまで追い込んだ。
    しかし、最後まで鬼沢は口を割らず挙句の果てに自ら顔を壁にぶつけて血だらけになりながら、「国税局は納税者を拷問にかけるのか」とすごむ始末。しかし、そんなとき取り調べ室まで狙撃された。鬼沢までトカゲのシッポでしかなかったのか。
    やがて鬼沢の腹心・猫田が死体となって発見され、鬼沢は身重の愛人と巨額の財産を隠していた自分の墓に逃げ込み高笑いし続ける。
    鬼沢の地上げした土地ではビルの着工を前に地鎮祭が行われ、鬼沢を背後で操って自らは手を汚すことなく利益を得た大臣・代議士・企業幹部が談笑する。その姿を少数の同僚とともにフェンス越しに隠れて見つめていた亮子は、やりきれなさに唇を噛む。
    今回の国税局査察部の標的は、都市再開発のための地上げに関わる新興宗教団体とヤクザと政治家。ストーリーの大半が、ヤクザと宗教団体が手を組んでどのように地上げをしていくか「地上げは愛情と脅し」、宗教団体の利益隠しをしていくかをジャーナリスティックに描いていくルポルタージュ的な側面が強く、板倉亮子たち国税局査察部の脱税の手口を暴く展開がクライマックス近くにしかないし、「悪い奴は良く眠る」というオチは前作ほど痛快さはない。だからこそ、宗教団体とヤクザと政治家が絡んだ結託して悪のどす黒さが、伝わってくる。津川雅彦演じる花村が政治家を落とす手練手管、板倉亮子が宗教団体に潜入するシーン、三国連太郎演じる鬼沢のどす黒い金や生きることへの執念、チビ政たちの悲惨な死に様が印象的。

  • 宗教法人の脱税を追求するマルサの宮本信子。
    そばかすだらけで、おかっぱ。戦闘的。
    なんと言っても、ノーブラで ポッチが見える。
    伊丹十三的女性的外観。
    教祖の旦那の三国連太郎が、少女に惚れて、
    少女が 母親のように 慈しむ姿がなんともいえない。
    三国連太郎があまえて、それに応える少女のシルエット
    が とてもうまい構成だと思った。
    宗教法人が 地上げ屋になっている。
    また、多額の賄賂を政治家に渡す。
    地上げで得たお金を脱税として、追求するマルサ。
    几帳面に ウラ帳簿をつくっているのが、
    日本人的 マジメさなのか。つくる必要がないのに。
    教祖が 毛皮フェチで、500万円近いコートを平気で買う。
    それが、個人申告すべきだと言う。

    宗教法人が 無税であると言う事が、
    日本の税法上 不思議な事であると思うが、
    それを操るフィクサーが存在する。
    あばかれる前に、物語は 終了する。

  • 続編を作る理由。第1作よりつまらないこともままあるが、続編を面白くするツボを押さえて作ってあったような気がする。1作目の人気に便乗してるだけではない、+主人公の成長、1作目にないタイプのキャラの登場、セオリーに従って作るのか。

著者プロフィール

1933年生まれ。映画監督、俳優、エッセイスト、テレビマン、CM作家、商業デザイナーなど、興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り、多彩な才能を発揮。翻訳も多数手がけた。1997年没。

「2020年 『ちょこっと、つまみ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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