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- / ISBN・EAN: 4988104034182
感想・レビュー・書評
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原作は未読です。
初めは気障な言い回しや華族のゆったりとした立ち居振る舞いが、やや退屈にも感じるのだけど、しばらくすると慣れてきて引き込まれました。
妻夫木くんのイメージと三島のイメージは合うのか?とおもっていましたが、屈折した精神を宿す青年を見事に演じておられ、「きみは〜さ」といった文学的なセリフもマッチしていました。竹内結子さんはほんとうにきれい、どこからどう見てもきれい。最初、清様の夢の中で棺に入った竹内さんをみて悲しくなりました…(ご冥福をお祈りします)
さて物語の内容ですが、悲恋。結ばれてしかるべき二人が結ばれない。清様の未熟さゆえのすれ違い。メインキャストの二人の美しい逢瀬もさることながら、周りの脇役も名キャラ。二人の逢瀬を咎めつつも手引きするタデシナさんの策略もなかなか。そして清様の友人・ホンダが良い奴すぎます。もう観てるこっちもラスト近くになると二人の恋に「いい加減あきらめたら…」とさじを投げたくなるような破滅っぷりなのだが(聡子さんも終盤では一切姿を見せなくなるし)このホンダの優しさには泣けました。
かけおちして最後は心中というベタな展開になるのかと思いきや、そうはならずに余韻を残して終わるのが良かったです。終わり方が行定監督っぽくて映像美ふくめて心に残りました。エンドロールの宇多田さんの曲がすごく良い。
原作も読んでみようかな。
本編とはまったく関係ない話ですが、ブクログに映画を登録できると知らず(書籍のみと思っていた)今までは映画専用のアプリに映画感想も書いていたのだが、スマホの容量が満杯で途方にくれていたところ、ブクログでも映画鑑賞管理が出来ると知り、映画専用のアプリは削除しました。ブクログ便利ですね。それにしても数年経つとスマホ容量がオーバーになってスマホ買い替えないといけないシステムをどうにかしてほしい。無理やり使ってますけど…(関係ない愚痴ですみません)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったです。映像美。
原作は既読で、宝塚版を先に観たのですが、映画も良かったです。
お話は、初読のときから悲恋でも何でもないと思っているのですが。。
清様ほんと…こうしなきゃ自分の気持ちに気付けないなんて!としか。聡子さん強い人ですが、本多くん共々振り回されて…てか本多くんは豊饒の海シリーズにこれからも出てくるので続きも読まねばです。
キャストは美しくて良いです。宝塚版とは、当たり前ですがまた違った美しさ。(宝塚版の清様の、明日海みりおさんも壮絶な美しさです)
若尾文子さん、岸田今日子さん、大楠道代さんがすごい。。
あとめっちゃちょっとしか出てこなかったけど高畑淳子さんも好きです。
治典王殿下が及川光博さんとかぴったりすぎて流石でした。
高岡さんも演技はすごく好き。真っ直ぐな演技をされる人だ。
主演の妻夫木聡さんも竹内結子さんも儚さがあって素敵でした。限りがあるからここまで燃え上がる、が伝わりました。
瀬を早み~は「はいからさんが通る」でも中心になる和歌だけど、これ詠んだの崇徳院だったんだ…。
豊饒の海シリーズはまた一から読んで、今度こそシリーズ読破したいです。 -
三島由紀夫の原作を映画化した意欲作。
幼なじみの運命的な恋。
価値観の違う時代の空気感が出ています。
金持ちでやり手の父親に反抗しきれない鬱屈を抱えた主人公。
幼なじみで年上の彼女に好意を寄せられているのに気づきながら、素直になれないでいました。
ところが、天皇家の宮様と婚約が決まってしまい…
竹内結子が、華族の娘の抑圧された色香を品よく出しています。
妻夫木くん、三島が見たら気に入りそうですね。
いつも困ったような顔をしている高岡君も、適役。 -
セカチューの監督が描く悲しき大正浪漫。
上流華族の美しい日本語・言回し(聞いててどこか安心したし真似してみたくなった笑)、春夏秋冬の描写(雪=冬・早春がメインだが、個人的には夏の場面が好き)・素敵なお召し物達(洋装でも日本の伝統色が入っており細かいこだわりを感じた)。
最高の、映像のご馳走達。
妻夫木さんの学習院学生服姿(似合いすぎ…!)や
竹内さんの竹久夢二画みたいな物憂げな横顔も、物悲しい作風によく映えていた。
ラストもやっぱり物悲しいが満足のいくものだった。
エンディングテーマ”Be my last”は流さなくて良いと思う。 -
大正ロマンの耽美に加え、特に緑の自然描写の麗しい再現のことを、ふと思い出し再鑑賞。
この作品、この世のものとは思われへんほどの美しく小さな滝が出て来る。
あれはどこに行けば見れるのか?と、調べると、なんとセットだった(笑)。
やはり、この世のものとは違った(笑)。
でも、本物の自然の中に、あんな滝を拵えたというだけあって、作品の世界観への情熱は感じる。人物描写が蔑ろなのは、触れないでおこうと。
ロケ地は香川だそうで、行ってみたい。
また読みたくなる。
春の雪に、降られたくなる。
春の雪って、酷く冷たいねんなぁ。 -
原作は高校のときに2回、大学で1回読んでいます。
DVDも出たばかりのころ1回見ました。
原作に比べると難しくなくてわかりやすいです。
賛否両論ある作品ですが
清顕(妻夫木聡)の醜さと美しさ、死や儚いものへの憧れ、美の執着という三島作品の永遠のテーマ
『春の雪』に続く3作のことなどを理解できていれば
けっこう高評価になるはず!
本多が清顕に
「僕のことも信じてくれ、僕は君の友だ」
って言うとこー!
はぁー泣ける。友とか言っちゃうとこが大正の坊ちゃまっぽくて好きー
全体的に始終「死」のにおいが漂ってるとこも
三島のテーマを再現しようと伝わってとても素敵です。
あと、音楽もね。
清顕と聡子の許されない恋愛の儚さ
とかよりは、やっぱり
「死」や「儚さ」を美しく表しているところや
本当は手助けしてはいけないのに協力する本多と清顕の友情
そういう世界に魅了されました。 -
奈良などを舞台とした作品です。