復讐 運命の訪問者 [DVD]

監督 : 黒沢清 
出演 : 哀川翔 
  • ジーダス
3.33
  • (3)
  • (1)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988707556487

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 清は「CURE」以前・以後に哀川翔と組んでVシネマを10本も取っている。
    「勝手にしやがれ!!」6作はコメディ路線だが、本作からシリアスに舵を切って、「復讐」2作、「蛇の道」「蜘蛛の瞳」と続く。
    本作は傑作と言うのも躊躇われる、ただ「凄みのある映像」というしかない。
    どうしてこんなに清に惹かれるのか、20年近くわからなかったが、本作を見る中で気づいた。
    人間の感じ方として(つい広く書いてしまったが、少なくとも自分は)映画を鑑賞するとき、ヒューマニティーへの共感は脆いが、暴力性への共感は強固だ、ということ。
    本作のあらすじはいたって単純で、タイトル通り「復讐」へ至る、ある人物の動きを映像に収めただけ。
    少し解釈すると、「無敵の人」に対する復讐の過程で、妻も同僚も奪われて、視点人物自身が「無敵の人」になっていく過程。
    これがプロットや脚本の段階。
    それを映像化するときに清は、何でもない家屋、廃工場、草っぱらを舞台にする。
    何でもない場所なのに、なぜか「あの世」にしか見えないロケーションだ。
    登場人物はみな空っぽな穴ぼこのような存在で、淡々と歩き廻り、淡々と冷え切った台詞を交わし、淡々と撃ち合う。
    復讐の相手である六平直政は、暴力の煮凝りのような存在だが、突き抜けすぎてもはやマシーンのよう。
    対する視点人物の哀川翔も銃撃マシーンになってしまう。
    結果、弾丸の当たらない銃撃戦が行われるわけだが、ここは外連を裏返した恬淡さのせいで逆に外連味があるという、負(悪)が極点に於いて正(聖)に転化した印象がある。
    清自身が評論で「死の機械」について書いていたが、この映画では心が壊れてしまった人たちの「止まらなさ」という意味で「人の死の機械化」を描いているように思える。
    だから怖い。
    ちなみに。
    あの兄、弟、その妻(と見せかけて兄弟それぞれとのインセスト)はトビー・フーパー「悪魔のいけにえ」の影響だというネット上の書き込みを見た。
    確かに。
    清は「あの人たちは偉大だ」と言うが、実作でその偉大さをなぞるあんたも偉大だよ。

  • 冒頭の住宅街の場面から一瞬にしてひきこまれて、心拍数上がりっぱなし。一番イヤなパターンのお話でほんと辛かったけど、奥さん殺される場面が直接描かれなかったのがありがたかった。その反面、雑魚キャラのうちの一人だけ血塗れになって何度も撃たれる場面が出てきたのは興味深い。六平直政、これ以上正しい使われ方はないだろう。「死ぬって痛いんだなあ。ただそれだけだ」だったかな、死に際の台詞もよかった。六平さんら異形の3人組は脚本の高橋洋さんの趣味なのね…

  • 普通であった。
    特にミスもなく淡々と進む感じ。

  • 日本映画専門CH。
    「CURE」と同年作。
    六平さんはもとより、鈴木ヒロミツさんの意外な配役に唸るものがあった。

全5件中 1 - 5件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×