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- / ISBN・EAN: 4988021124973
感想・レビュー・書評
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幕間芸人という職業の方が本当にいたのか、あるいはこの作品での創作なのか。
映画と映画館の繁栄と衰退の中で生きた一人の映画好きがある出来事をきっかけに上映される映画と映画の間に芸を披露するようになって幕間芸人として活躍し、そして消えていった。
当時の(昭和30年から40年半ばくらいまでの話であろうか)
映画館のありさまと世相、人々の暮らしを織り込んで幕間芸人安川修平とその家族の半生が描かれる。
上映映画をバックに話が進むので私などの年齢の者にはとても懐かしい。「網走番外地」「座頭市」「下町の太陽」「いつでも夢を」か〜
映画館の様子も今のシネコンとはかけ離れた当時がちゃんと描かれている。
観客も満員の時は最後列のそのまた後ろで立ち見もあった。
アンパンと牛乳を売っている売店も、そうそうあんな感じだったなあ。
何よりもあの頃は2本立て上映が当たり前で時として3本立てもあった。
入れ替えなしだったから同じ作品を2回見ても大丈夫な時代でした。
幕間芸人の安川修平役を吉本芸人の藤井隆さんが演じているのが少々残念な気がしたのだけれど、終盤に晩年の安川氏を井上堯之さんが演じていっぺんに作品の質が上がる気がします。このギャップを狙っての藤井さんをキャスティングしたのだとしたら凄いなあ、狙いはピッタリ。
好きな映画から離れなければなくなり、妻を亡くし、娘を棄てた在日朝鮮人の寂しげな人生が伝わってくるのです。
そして30年振りに立った映画館の舞台で歌うその歌は本当に涙が出るほど哀愁のあるそして味のある「いつでも夢を」なのです。
主演の伊藤歩さん、私の中では大竹しのぶさんとの映画「ふくろう」の時のまだ少女のシュッとした感じのままだったので違う女優さんかと思ってしまいました。
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最初の導入部が、ちっとなぁ。、物語に少しも絡んでこない。なくてもいいんじゃないか?
それ以外は、昔の郷愁もそうだが、家族のつながりとか、日本と韓国とか、それらを温かく表現していたのは良かったです。
役者人も皆良かった。 -
地味な作品だけどじんわりきます。