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- / ISBN・EAN: 0011661325227
感想・レビュー・書評
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I'm All Right//Madeleine Peyroux
さて、マデリン・ペルー、有名アーティストではありますが、「え? 知らない・・・」という人は多いのではないでしょうか?
というのも、どちらかというとジャズ・シンガーなんですよねぇ(笑)
ビリー・ホリデイの再来、と言われ、独特の雰囲気を持つボーカリスト、マデリンの魅力はというと、一言では難しのですが・・・。
圧倒的な歌唱力がある、という感じではなく、すごく個性的、というわけでもなく。
なんだか寂しげで、でも暖かくて・・・。
「なんか、いい!」これしか言えないような、不思議な魅力を持ったアーティスト、それがマデリン・ペルーなんです。
この曲、「悲しみにさよなら」(原題:I'm All Right)も、古いジャズのスタンダード・ナンバーのような、シンプルで懐かしい感じがして、ブルージーだけどポップで、「ああ、こんな曲、聴きたかったんだよな~」と思わせてくれるような曲ですよ(笑)
「彼は私を置き去りにして
彼は私を泣かせた
でもいいの
私は大丈夫
これまでだって ずっと一人ぼっちだったから」
と、歌詞はあまりにも切ないけれど、マデリンの歌は淡々として、悲壮感がありません。
その淡々とした感じは、ノラ・ジョーンズやジョニ・ミッチェルにも通じるものがありますが、それもそのはず、セカンド・アルバムからプロデューサーを務めているのは、ジョニ・ミッチェルのプロデューサーでもある、ラリー・クライン。
そしてソング・ライティングには、ノラ・ジョーンズの作家陣にも加わっている、ジェシー・ハリスが参加しています。
そうそう、彼女はちょっと変わった経歴の持ち主。
13才の時、両親の離婚をきっかけにパリに移住してから、ストリートで音楽活動を始め、メジャー・デビュー以前の10代の頃、すでにヨーロッパ・ツアーを行っていたという早熟の天才。
しかし、22才のデビュー後、なんと8年間も第一線から姿を消してしまいます。
次作のレコーディングが、納得のいくものができなかった、という話がありますが、真相は謎。
そして空白の8年後、ラリー・クラインと出会って制作した2004年のアルバム「ケアレス・ラブ」は大ヒット。
2005年にはプロモーションやツアーで忙しい日々を送りますが、そんな中、またもや失踪事件!?
・・・と、行動が謎めいているところが、ジャズ界の天才っぽいかも(笑)
この曲「悲しみにさよなら」は、日本でも地道にヒットし始めていますが、今後の活動はどうなるんでしょうか?
また失踪、なんてことにならず、日本にも公演に来てほしいものだけどねぇ(爆)
アコースティックな落ち着いたジャズ・コンボによる今回のアルバム「ハーフ・ザ・パーフェクト ~幸せになる12の方法」(原題: Half the Perfect World)。
題名も粋で、サウンドは余計な装飾がなく、必要最小限の音で作られた、大人の世界です。
忙しい毎日の中でささくれ立った心を、いやでも鎮めて癒してくれそう。
ジョニ・ミッチェルのカバーのほか、チャールズ・チャップリンの名曲「スマイル」もおすすめですね(笑
冬の夜長のお供に、いかがですか?(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示