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- / ISBN・EAN: 4523215007849
感想・レビュー・書評
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荒削りで、目まぐるしく、型破り。ところどころ稚拙にさえ感じられるし、このストーリーにこの語り口が最適だったのかもよくわからない。それでも思わず息を飲む冒頭部分を皮切りに、忘れがたいシーンが続く。時代を考えれば題材も非常にチャレンジングで、作りたい作品を作っているという気概にこちらもいつのまにか前のめりになっていた。ラストは「ザ・プリズナー」(1955)の影響かな?
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これは傑作。特に娼婦が売春宿のボスを殴り倒す序盤がすごすぎる。こちらまで殴られているような感覚、本当に怖い。サミュエルフラー、伝説の演出である。
【ストーリー】
娼婦ケリー(コンスタンス・タワーズ)は逃げられないよう彼女を丸坊主にした売春宿の主人を殴り倒し、自らの稼いだ金を取り戻してそこを立ち去る。
それから2年後、彼女はグラントビルという小さな町のシャンペンのセールス嬢の姿で現われた。しかしそんな彼女の正体を見抜いた警部のグリフ(アンソニー・B・アイスリー)は、彼女と一夜を過ごした後、町を去るよう告げる。だが更生を決意したケリーは町に住いを見つけ、身障児施設の看護婦として働き始める。
子供たちとも馴染み始めた彼女の前に、町の若き富豪グラント(マイケル・ダンテ)から思わぬ誘い、過去さえも気にしない彼の結婚の申し込みにケリーはついにOKする。しかし、彼女はグラントが実は幼児性愛者であり、そんな異常な趣味に従う女を求めていただけだと知った時、怒りの余り彼を殴り殺してしまう。
逮捕されたケリーは、グラントのキスが裸のキッスと呼ばれる変質者のそれであったと主張するが、グリフは信じようとはしない。ケリーの過去を知るや急に人々は態度を変え、彼女はいよいよ窮地に陥るが、ついにグラントにいたずらされた少女が発見され、ケリーの無実が証明された。しかし偽善に満ちた町の裏側を知ってしまった彼女は怒りを胸に立ち去ってゆく。
元娼婦の女が新しい生活を始めようと身分を隠してやってきた町で巻き込まれる恐ろしい事件を描くサスペンス・ドラマ。「ストリート・オブ・ノー・リターン」のサミュエル・フラーが製作・監督・脚本を兼ね、撮影はスタンリー・コルテス、音楽はポール・ダンラップが担当。出演はコンスタンス・タワーズ、アンソニー・ビスリーほか。