世界幻想文学大系〈第41巻〉現代イタリア幻想短篇集 (1984年)

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感想・レビュー・書評

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  • 全体として、確かに幻想文学ではあるが主役は幻想の方では
    なく、雰囲気や文体なのではないか、といった印象だった。
    素直に幻想を楽しむのではなく、一歩引いたり捻ってみたり
    単に素材として扱っているような感じとでも言えば近いの
    かも知れない。決して楽しめないわけではないのだが。

    生態学書とも言える「ケンタウロスの探究」、捻ったままで
    終わる「ある鰯の自伝」、ギリシア語という伏線に膝を打つ
    「リゲーア」あたりが好みかな。

  • 13人の作家による短篇17篇収録。

    ブッツァーティ、モラヴィア、カルヴィーノ、プリーモ・レーヴィ、ランペドゥーサ以外は、初めて目にする作家ばかりだが、どの作品も読み応えあり。

    悪魔たちの饗宴と化してしまったような婚礼の宴にあって、徹頭徹尾俗物ぶりを貫く花嫁の母の姿を描いた「壮麗館」、謎の生物をめぐって人間の欲深さを揶揄しているかのような「パパーロ」(いずれもモラヴィア)に見られる意地悪さが、とても好き。

    「ゴキブリの海」(トンマーゾ・ランドルフィ)のハチャメチャ加減、「猿の女房」
    (ジョバンニ・アルピーノ)にみる男の身勝手さ、「ある鰯の自伝」(ルイージ・マレルバ)も印象的。

    ブッツァーティは、「コロンブレ」と「魔法の上着」の二篇。


    <収録作品>

    ジョヴァンニ・パピーニ「返されなかった青春」「自分を失った男」
    アルド・パラッツェスキ「禁じられた音楽」
    アルベルト・サヴィニオ「「人生」という名の家」
    マッシモ・ボンテンペッリ「巡礼」
    トンマーゾ・ランドルフィ「ゴキブリの海」
    ブッツァーティ「コロンブレ」「魔法の上着」
    アルベルト・モラヴィア「壮麗館」「パパーロ」
    イタロ・カルヴィーノ「アルゼンチン蟻」
    ジョヴァンニ・アルピーノ「猿の女房」「娘は魔女」
    プリーモ・レーヴィ「ケンタウロスの探求」
    ジョルジョ・マンガネッリ「虚偽の王国」
    ルイージ・マレルバ「ある鰯の自伝」
    ジョゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ「リゲーア」

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