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感想・レビュー・書評
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初期のブラジル移民を描いた作品です。第一部。後書きには三部作の予定と書かれていますが、発刊されているのは二部まで。
移民と言うとどうしても北海道移民を描いた開高健の『ロビンソンの末裔』を思い出します。
どちらも主催者の甘言に騙され、大きな希望を胸に雄飛したものの、移民先で言語に絶する苦労をする人を描いた作品です。
開高作品が物語的なのに対し、北作品は記録文学的です。
どちらが好きかと問われれば、主人公を絞り込み、まるで落語の長屋の花見のように水を飲んで酔っ払ったり、東京陳情に湯たんぽ代わりの大石を携行すると言った(こう書くと笑い話みたいですが、実際に読むと笑うしか無いほど悲惨な話なのです)強く印象に残るシーンがある開高作品になります。これに対し北作品は、多くの移民を対象にし、淡々とした筆致で一人一人の悲惨な状況をこれでもかと重ね合わせて行きます。これはこれで、いつしか胸の奥深くに沈んでいき、折に触れ思い起こす事になりそうです。
GW明けから我が家が持っていたと聞かされていた弁財船(日本型帆船)について調べています。その過程で自分の先祖の事も調べる必要があり、改めて広島県は移民が盛んだったことを認識しました。我が家では曽祖父の時代に一人、祖父の時代に三人が移民しています。いずれも長男以外の成人男子はすべて移民したことになります(ハワイ:1、カリフォルニア:1、ブラジル:2)。そんなことも有り、より一層興味深く読んでいました。
本棚にずっと置いてあった本です。小説にほとんど手を出さなかった父親が購入し読んでいた記憶があります。多分、父もブラジルに移民した叔父たちの事を思いながら読んでいたのでしょうね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
貯金は人が困ったときに使うため、困っているときこそ、助け合う
人や世の役に立つために夢を追い、諦めずに努力する
そんな暖かさと強さ、自分も持ちたい -
彦根などを舞台とした作品です。