「勉縮」のすすめ―国際社会へ巣立つ世代に (1978年)

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  • 「不機嫌な指揮官をもつ不幸」という章がある。その結論は、上官も、若者も、夫も妻も、男も女も「あまり威張るな」というものである。
     『年をとったせいか、どうせ人間、「有能」「無能」なんて紙一重、この世で決定的な差は「上機嫌な人」か「不機嫌な人」かだけではないか、という気がすることがよくある。-略- 人生、周囲 の人を快適にする以上に、”有能”なことがあろうか。とくに権力をもったら、機嫌をよくするのが最小限の義務であろう。-略- 失敗したことは恥じる必要はない。不機嫌だったことを恥じよ、である。目下の者を叱るのはよい、しかし、とげのある責め方をするな。厳しく反省を求めるのはよい、ただし貧乏症的なあら探しはするな・・こういうことは、子供のときからの見よう見まねでいつのまにか身に備わるものだから、私は日本の先生にも親にも「知識の豊かさも結構だけど、どうか上機嫌な子に育ててほしい」とお願いしたい。でないと、国際社会での重宝な下士官、兵にはなれても、指揮官として外国人から本当の尊敬、信頼をうけるのは困難になる。実際、日本からやってくる若手の”秀才”の中には、何がおもしろくないのか知らないが、絶えず仏頂面をしていて、こっちでははらはら気をつかいどおし、というようなのがよくいる。-略- 彼らが上役になったら、さぞしんどいことだろう。』
    なるほど、上司でも後輩でも、優秀な人物は確かに上機嫌な人々だなあと顔を浮かべながら、納得できた。そういう人達も大変な時は、つらそうだけど、決して仏頂面秀才とは器が違うのは確かだわ。幸福には、社会的地位は関係がない。結果的に地位が上がっていく人もいるけど。。
     抗がん剤が4回目になったころ、恐怖のやり場に迷っていた私も、それから抜け出して、死ぬ死なないではないのだと覚悟した。そういう経験から、ともかく、心から上機嫌でいる方が、人生、本当に得であると思う。営業心得などは、こぞって「話し上手」より「笑顔上手」というくらいだ。

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