死者の遺産―悪党パーカー (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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  • パーカーもののシリーズ作だが、強盗事件を企てるいつものストーリーではなく、主人公パーカーが目的不明のトラブルに徐々に巻き込まれていくという異色作。シリーズものとして、このテーマ設定自体が評価できるし、事件の全体像が見えないまま進んでいく展開は十分にスリリングだ。一方、トラブルの全体像を探り出して解決していくやり方は、現代的な見方ではかなり荒っぽく、はっきり言えば雑なのだが、時代考証を考慮すればまあ許せる範囲か。

  • 中学時代、40年以上前に読んだ。最初の出会いは殺人遊園地だった。その後シリーズを読み漁った。パーカーに憧れて、犯罪者になろうとは思わなかったが、彼のように合理的で実現力のある人物になりたいと思った。今振り返ると、人生に、自分の美学に多大な影響を受けたように思う。逃亡の顔だけ手に入らず未了だったが、やっと40年越しに手に入れた。もったいなくて読めない笑
    作者別名のウェストレイクのドートマンダーシリーズも大いに楽しんだ。

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