奇妙な果実―ビリー・ホリデイ自伝 (1971年)

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  • アンドラ・デイ主演の映画を観て読んだので
    より抉られた!

    17章の書き出し
    それは「合衆国対ビリー・ホリデイ」とでもいったらぴったりするような感じのできごとであった。
    がそのまま映画のタイトルになったんだなぁ。

    9章の描写はまさに会場の臨場感が伝わってくる。

    最後のフレーズにきたとき、私はここ数ヶ月間だしたことのない激怒と、迫力のある声になっていた。ピアニストも、この調子に合わせてきた。「sun to rot」と歌うとピアノが句点をつけた。「wind to suck」と私は歌詞を、はじめて出たような音で歌った。
    私は全部の聴衆を恨みのこもった一言一言でうちのめしてゆく気持ちで歌ったのに、拍手は聞いたこともない音になった。

  • 訳が素晴らしい。
    「ミルドレッドはデブチンだ」

  • この本を読んだ経緯は、
    土曜日、NHKFMでゴンチチさんの大好きなラジオ番組があり、
    その前に大嫌いな声の人の番組がある。

    いつも気を付けてその番組が終わった頃を見計らって
    ラジオをつけるんだけど、

    ある時、ま、いいかと早めにつけたら、
    その日はビリー・ホリディの特集だったようで、

    「とにかく歌を聴いてください、自伝も出ています、
    読んでください」と
    切々と訴えかけてきて、

    ふーん…、そこまで言うなら
    たまには言う事聞いてやるかあ~
    と思い、読んでみました。

    ともかく絵に描いたような波乱万丈な人生。

    ただその人種だからと言うだけで
    文字通り見殺しにされてしまったお父さんのくだりや、

    営業先でも貴女の出演は駄目と言われたところなどに

    ずっと日本国内にいて、
    そう言う面でなにも困ったことの無い私は
    ただただ身を竦めて黙ってページを捲るのみ。

    また、何度も麻薬で捕まるんだけど、
    ある時は冤罪と言い張っていたけれど
    その後もまた捕まって…

    そんな時思い出すのは、20年くらい前(すごい前だね)
    アメリカの警察24時みたいな番組を観ていて、
    FBI捜査官の人が
    「麻薬に関わる人、売人、買う人、その他、
    全員とにかく嘘つきばっかり!」と
    おっしゃっていたのを思い出す。

    (また、この時、「関わる人全員?では貴方も?」なんて
    そのFBI捜査官に言ってはいけないんだよ。
    ふざけるときは相手を選ぼう)

    白状するとビリー・ホリディさんの
    お名前はもちろん存じ上げていたけれど、
    ちゃんと歌を聞いたことは皆無で、

    だからなおさらただただ吃驚して感心して終わってしまった。

    ただその後の調べで、
    麻薬でガラガラになってしまう前の歌声が
    素晴らしいと知ったから、
    まずはそこら辺から聴いてみようと思います。

  • 重い内容だったけど、うたい手が何を大切にすべきかを教えられたように思う。
    貴重な一冊。

  • 2010/5/6購入

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