- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
感想・レビュー・書評
-
菊竹清訓が、「代謝建築論」を発表した同じ時期に執筆されたものや講演の記録を集めて本にまとめたものです。
モダン建築が機能という概念で機械論的アナロジーの思想を展開したことを反省し、メタボリズム(新陳代謝)という有機的なアナロジーで60年代に運動を展開した記録ともいえる内容になっていると思う。
〈かたち〉〈かた〉〈か〉という概念を使って、へーゲルばりの三段論法で抽象概念を体系化されても現在の状況に適用できるかは疑問。確かに、人間の状況が変化すると機能というのも変化せざる得ないのは同意できるが、建築のデザインというものは機能と切り離せないものだと思うが。
目次
はじめに
一 ある空間経験
鳥居について(エナージー 1969.No4)
橋について(今日の建築 1960.1)
焼跡の暖炉(建築 1967.11)
二 建築空間の体系化
木の伝統―日本建築の素材とシステム(木 1965.1~3)
瓦論―体系化のプロセスと美意識(群像 1969.2)
空間の認識―概念の形成<科学技術センター講演 1968年>
メタボリズム―機能と空間の問題<汎太平洋賞記念講演 1964年 於ハワイ大学ケネディホール>
公共空間について―市民の建築、人間の建築<大学セミナーハウス講演 日本建築家協会主催 1969年>
三 空間についての啓示
出雲神殿の空間―構想の原点<座談会 1968年>
人間の精神―価値の構築<座談会 1968年>
とりかえの論理―論理の生成<東北大学特別講演からの抜粋 1968年>
おわりに(建築 1965.4)詳細をみるコメント0件をすべて表示