もうひとつの生活 (1970年)

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  • 古本市で入手。アメリカ西部の架空の大学町へNYから作文教師として赴任したレヴィンが、孤独と不満の薄い膜に包まれて季節をくぐり抜けていく様子が、ためのある描写で描かれていく。

    30歳。若いと言えば若く、若くないといえば若くない年齢。人生を変える力があるようで、もはや手遅れのような気もする季節。たまたま、物語の始まりと同じような季節に読みはじめたせいか、30代って夏の終わりみたいなイメージだなあと思う。誰かに理解されようとして理解されず、親しみたいのに親しまれないひとりの時間は、他者と求め合うことでしか温められないものなのか。冒頭からずっと伏せられてきて、ほんの短い会話のなかでだけ明かされるレヴィンの過去は、この物語の終わった後の世界ではどんなふうに扱われていくんだろう?

    この本を勧めてくれた人が「すごくうつうつとしているけどすごく良いよ」と言っていたけれど、たしかにそう。この時代のアメリカ文学らしいアメリカの描かれ方、だけどアメリカの田舎町の孤独はきっと今もこんな感じなんじゃないかと思う。

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