夢遊の人々 (1971年)

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  • 特別なにか変わったこともなく、出てくるのは愚か者ばかりで善人は少なく、めんどうなやりとりが行なわれる。そのめんどうでどうでもいいようなやりとりのなかで出来事が加速し、いつのまにか違うところに行き着き、そこで何の選択もせずにただ救済とは何かを知る。ベートーベンの「そうでなければならない!」という啓示=救済は訪れてくれただけで、それが間違っていようがいまいが出来事を押し進めてくれるように。今、停滞あるいは沈降していく人たちはそれを待っているのであり、それを手に入れるためにはとにかくめんどくさくても生きていかなくてはならない。何の歓びもなく苦痛ばかりで、気持ちの悪い他人に囲まれている「夢遊の人々」は頭を休めず、たまに感情的になりながら資本主義的選択や自らの倫理に則った選択をして救済や何やかやを知り、緩やかな線を描いて消えていく。

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