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感想・レビュー・書評
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1975年下半期芥川賞受賞作。驚きを禁じ得ないのは、1975年といえば、もはや戦後30年を経ているにも関わらず、戦争と戦後のBC級戦犯を描いた本作が芥川賞を受賞したことである。戦後30年の節目に、今一度戦争と戦後処理をあらためて決済しようという意識が働いたのだろうか。本編が小説として優れているのは、こうした一連の大きなうねりをあくまでも博多、篠栗といったきわめてリージョナルな地に描いていったことだろう。そして、同時に九大医学部生体解剖事件の意味をあらためて問いなおすことで、戦後の未決済を描いたのである。
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第74回 芥川賞 初版
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