志賀島 (1976年)

  • 文藝春秋
4.00
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 14
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 二人の少年の友情、革命のまねごとをなす青年、関係が壊れてしまった夫婦、敗戦によって生きる希望を失ったかのような母親とその息子、これら市井の人びとの生活を通して、敗戦の前後から朝鮮戦争の頃の雰囲気が静かに描かれています。

  • 1975年下半期芥川賞受賞作。驚きを禁じ得ないのは、1975年といえば、もはや戦後30年を経ているにも関わらず、戦争と戦後のBC級戦犯を描いた本作が芥川賞を受賞したことである。戦後30年の節目に、今一度戦争と戦後処理をあらためて決済しようという意識が働いたのだろうか。本編が小説として優れているのは、こうした一連の大きなうねりをあくまでも博多、篠栗といったきわめてリージョナルな地に描いていったことだろう。そして、同時に九大医学部生体解剖事件の意味をあらためて問いなおすことで、戦後の未決済を描いたのである。

  • 第74回 芥川賞 初版

全3件中 1 - 3件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×