喜作新道―ある北アルプス哀史 (1971年)

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  • 喜作新道を通って、表銀座を縦走し、殺生ヒュッテのテント場で泊まり、槍ヶ岳に登頂した後に読んだ一作。
    まさか小林喜作の人生がこんなにドラマティックだと思わなかった。喜作の神がかり的な健脚ぶりや猟師としての数々の伝説を伝えるだけでなく、雪崩が巻き起こすサスペンス、当時の寒村農民の生活苦を丁寧にルポタージュし、人間の業と欲をあばいていく。

    猟師15傑で他の14人が3桁台なのに、喜作だけカモシカ2000頭と桁違いの数。
    雷鳥をしめて生き血を飲んでいたというから、カモシカや雷鳥の激減も喜作に責任の一端があるのかもしれない。しかし、周りの人の喜作の評価や
    人となりを知ると、喜作に好意を持ってしまう。

    殺生小屋を開業してすぐ死んでしまったのは本当に無念だろうなぁ。

    喜作を一番慕っていた長女が、日本を憂いてブラジルに移住してしまったのも合わせて、何もかもが驚きの内容だった。
    北アルプスを登ったことのある人は、一読をお勧めします。

  • 北アルプス表銀座の喜作新道を拓いたり、
    殺生小屋を作った小林喜作の物語です。
    もともと山漁師らしいですがとにかく超人ですね。

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