広島原爆記―未来への遺書 (1973年)

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  • 講談社
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  • 作者が原爆にあってから、思ったこととか考えたことが多くていてもたってもいられず日記に書いたものをほぼそのままに、事実も加えて書かれたノンフィクションの話。
    たまたま大学で小説探してる時に見つけて借りて読んだら手記を元に…って書かれてて本当に驚いた。

    手記を元にというところもすごいけど、稲富さん(作者)は大学の教授で頭が良かったからその時のことが具体的にわかりやすく感じたままに書かれてて今までどれだけ写真や漫画や本を読んでもイメージできなかった原爆の悲惨さとありえなさをひしひしと感じた。
    原爆が炸裂した時に冷静に何秒か考えたというのもすごいし、、
    まだ誰もブクログでは読んでないみたいやから、是非読んでほしい。
    私は第2版を読んだのだけれど、初版は
    昭和24年に出されている…第2版の方に初版の序が書かれてるよ!でも私が読んだ第2版でも原爆投下されてから28年後に出されてるやつやから、かなり前だなと思ったし、それから約50年も経ってる…。

    本当に今まであったのが昨日まであったのが今日はないっていう空虚感っていうかそういうのがとてもイメージできた。悲惨さは沢山写真見たり話聞いたりで知ってたけど、一冊の本で読んだのは初めてだったのと、稲富さんが大学教授で学があったからこの人が考えたこと書かれてたり、その時の情景を言葉で表せてたりっていうところがすごく惨状をわきおこさせてきて息がつまる。

    投下されてから、かなり年月が経ってしまって私の年齢くらいが被爆者本人から話を聞ける最後の代と言われてきました。私は戦争を体験してないけど、悲惨さを後世に伝えていく義務があると思います。稲富さん、生きてくれてありがとうございました。手記を形にしようとしてくれてありがとうございました。あなたが第2版を出された約50年後に私は拝見させていただきました。今まで読んだどの文面よりも私にはわかりやすく伝わり、恐ろしいと感じました。私は教師になります。そこで戦争の恐ろしさを直接聞けない子ども達に、どれだけ恐ろしいものか、その時の日本が井の中の蛙でしかなかったのか、教育がプロパガンダでしかなかったのか伝えていきたいです。原爆で亡くなった方々に追悼いたします。

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