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感想・レビュー・書評
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(1976.09.06読了)(1976.02.14購入)
☆児玉隆也さんの本(既読)
「人間を生きている」児玉隆也著、いんなあとりっぷ社、1973.10.30
「君は天皇を見たか」児玉隆也著、ZERO BOOKS、1975.02.10
「一銭五厘たちの横丁」児玉隆也著、晶文社、1975.02.25
「この三十年の日本人」児玉隆也著、新潮社、1975.07.15
「テレビ見世物小屋」児玉隆也著、いんなあとりっぷ社、1975.08.03
「ガン病棟の九十九日」児玉隆也著、新潮社、1975.09.10詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
月刊誌、週刊誌を発表媒体とするノンフィクションは、時代と寄り添うことを前提とする。当然、時代が過ぎれば、何故、書かれたのか分からなくなる。たとえば、30年以上前に書かれた「朝日新聞広告部」は、朝日新聞の圧倒的権威を前提としています。今も、朝日新聞は権威ですが、この当時の権威は存在しません。この実感がなければ、意味不明なものになります。「文芸春秋で読む昭和史」、「週刊朝日で読む昭和史」等の作品集を読んでいただければわかります。これらの作品は、その当時の関心に応えているので、読めるのです。その関心がなくなれば、読む価値はなくなります。発表当時、古典になると思われた柳田邦男、沢木耕太郎、立花隆、そして、猪瀬直樹さんの作品が、次々と絶版になっています。これは、当時は時代を超える作品だと思っていましたが、結局は時代に寄り添った作品だったのでしょう。この本をブックオフで見かけたとき、気まぐれで購入しましたが、読む価値のない本だと思っていました。読んでみると、予想外に、時代を超えて、読める作品でした。この著者への世評の高さが理解できませんでした。今回、この作品を読んで、その世評の高さを納得しました。