宇野弘蔵著作集〈第1巻〉経済原論 (1973年)

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感想・レビュー・書評

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  • 最近必要があって、読み直した。50年の間に、時代が変わって行く中で、幾ばくかの語られていることが時代遅れに見える。だから駄目だという事は全くない。時代遅れの部分はノイズとして、それを取り除くようにして、読んでゆくと、なおそこに昔は見えていなかったものが見えてくる。ああ、そうだったのか、と数十年を経て気が付くことがそこにはあった。

  • イギリスの古典的経済学の流れを組む学問体系の1つである。
    ケインズらの近代経済学と対比すると、原理に強いが、現象に弱い。
    原理,段階論,現状分析という3つの階層化を提唱したことは有意義だと思われる。

    現状分析に、時代的,立場的な偏りがあるのが難点である。
    イギリスの古典経済学の成立した時代に拘りすぎていて,
    もっと長い時代を捕まえ損ねているかも知れない。

    本書は原理の部分なので、原理については分かり易い。

    本書を読んだだけでは、段階論や
    現状分析にどのように有効かは分からないかもしれない。

    自分の経験をうまく表現できるようであれば、有用な道具となるだろう。

    近代経済学が現状の説明に偏りすぎて、
    現状を肯定的に描写するのに力を入れているのは、
    古典経済学の反動なのかもしれない。

    いずれにしても、原理から段階論,現状分析まで幅広い、新しい経済学を構築したいのなら、その一石がここにあるかもしれない。

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