社会変動の理論―経済社会学的研究 (1965年)

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  • 岩波書店
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感想・レビュー・書評

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  • 近代産業社会の構造的な特徴を明らかにし、その変動についての理論を構築する試みがなされています。

    大塚久雄に代表される戦後の経済史研究は、日本の近代化の特殊性を明らかにすることに多くの力を注いできました。しかし、西洋だけにとどまらずあらゆる社会の近代化にかんする普遍的な指標すら、いまだ明確にされていないと著者は論じています。本書では、従来の社会学におけるこうした欠落を埋めるという課題への取り組みがなされています。

    著者は、人目を引く社会学の理論を構築することに対しては慎重なスタンスを保ちつづけており、その結論も穏当ながら普遍的な理論になっているということができるように思います。ただし、どこまでも実証的な見地から考察が展開されているので、門外漢にとっては、すこし知的刺激に乏しいと感じてしまう面もあるように思います。また、従来の学説の検討に多くのページが割かれていて、ややとっつきにくい印象を受けました。放送大学での著者の講義内容をまとめた『近代化の理論』(講談社学術文庫)では、本書とおなじテーマがより平易に論じられているので、より直接的に著者自身の考えを早く知りたいという向きには、そちらにあたったほうがよいかもしれません。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授、日本学士院会員

「2015年 『経済社会学キーワード集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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