お吟さま (1960年) (新潮文庫)

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  • 下期は始まったばかりですが、早速、下期に読んだ本 第一位候補の登場です。

    毒舌 身の上相談の今東光和尚による小説。千利休の娘である、お吟さまの従者の視点で、万代屋に嫁いで以降も、秀吉に迫られても、貫き通した女の意地が語られる。

    侍にとって候のが剣だとすれば、女性にとって候うそれが何なのか見事に描かれています。 黄金の茶室で秀吉と交わしたお吟さまのやり取りのシーンでは鳥肌が立つほど痺れました。 権力や道理とは違う、人の奥底に秘められた魂の本質を掘り起こす達人、今東光和尚でなければ完成しなかった作品だと思います。

    ー この御銘(秀吉に投げられひびの入った花挿しのこと)にも、ちと面白いお話が伝わって居りまする。
    御父上から小田原土産として小庵様へたまわり、小庵様は心許した茶友をおよび申して茶会を催してござります。
    そのお客人が『水が洩れて、畳が濡れてござるが』と御注意なされますと、聞きも敢えず小庵様は 『ああ。漏れるこそ命なれ』と仰せあって、速座に「園城寺」と銘を御つけなされました。-

  • 請求番号:B/Kon

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