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感想・レビュー・書評
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(2010.07.23読了)(2010.06.29借入)
「床下の小人たち」1952年刊、の続編です。1955年にイギリスで出版されています。
原題は、The Borrowers Afield です。「野外の借り暮らしたち」ということになりましょう、と訳者の林容吉さんは書いています。(297頁)
「床下の小人たち」は、住んでいた床下の家を見つけられてしまったために逃げ出さざるをえませんでした。ポッド、ホミリー、アリエッティの3人家族は、アナグマの巣に住んでいると噂に聴いたルーピーおばさんのところを目指します。
興味深げにやって来た黒いカラスをポッドは、気迫で追い払います。
一日がかりで、アナグマの巣があるというパーキンズ・ベックと呼ばれる原っぱに着きました。でもアナグマの巣は簡単には見つかりません。川へ向かう途中で見つけた古靴を仮住まいにして過ごすことになります。
枝を伝って上り下りしたりする能力は、借りぐらしの人々の遺伝のようで、「借りぐらしの手や足は、人間の手足より、割合に大きいんだわ」(89頁)とアリエッティは思います。
食料は、野イチゴやハシバミの実を集めて食べました。住家の古靴は、意外と軽くて、ホミリーとアリエッティの二人で引いて動かすことができるほどでしたので、川に近い位置まで移動しました。
何日か経って、麦の穂を集めて帰ってきたら、ハサミの半分と帽子ピンがなくなっていました。誰かが持っていったのです。
翌日、アリエッティは、馬の毛を集めに行ったところで、スピラーという男の子に会いました。パーキンズ・ベック周辺を縄張りにして暮らしている借りぐらしの子供でした。
スピラーは弓矢が使えました。野ネズミを殺して食べたりしているのです。
スピラーは、アリエッティ一家のところをときどき訪ねてきて一緒に食事をしたりするようになります。蒸し焼きにした肉を持ってきてくれるのです。(近くを通るガス管からガスを借りていたのです。)
ボッドが探し当てたアナグマの巣は、狐が住んでおり、ルーピーおばさんたちはいませんでした。
寒くなって雪が降るようになったころ、靴ごとジプシーの馬車に持っていかれて、アリエッティ親子は、見つかってしまいました。
どうなることか、というところですが、スピラーに頼まれたトムという人間の男の子が救い出してくれて、トムの家に連れて行ってくれました。
トムの家の壁の中?には、ルーピーおばさん、ヘンドリアリおじさん、3人の男の子、エグルティナの6人が住んでいました。
しばらくここで一緒に暮らすことになるのでしょう。スピラーは、相変わらず野原で自由に暮らしています。
(2010年7月24日・記)詳細をみるコメント0件をすべて表示