- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4571169961465
感想・レビュー・書評
-
ただ何もかもが無機質で不気味
ここではないどこか、セブンスコンチネントという虚無に至る恐怖
物語のない、モノの集積だけの毎日は終わりに向かうしかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一家心中という淡々とした作業。
自殺という行為でありながら陰鬱さを感じないのは登場人物に漂う無機物感からかもしれない。
終盤は家具や本、写真、服 あらゆる部屋のものを破壊するだけのシーンが続くのはちょっと見ていて気持ちよさそうだと思ったけれど、
現金をトイレに流すシーンは衝撃。胃が痛くなるw
捉え方によってはひたすら不快なだけかもしれないけれど、
この家族はポジティブに死を受け入れているように思えて
今まで見て来たハネケ映画とくらべると見終えた後の気持ちが新鮮 肩の荷がおりたような スッとした気持ちになった。 -
札束を便所に流すシーンが延々と続きます。
-
それぞれのカットが独特で魅力的だった
エヴァの雰囲気が何ともいえない感じ
はっとする映像でも、それがずっと続くと自然と違和感が無くなっていく
ラスト、衝撃。 -
普通の家族が突然、崩壊。
その理由は分からない事件。
ホラーよりホラー。カルトよりカルト。
それが実際に起こったことだから、不思議。
それをアップを多様する独特のカメラワーク、
断片的な編集で、どんどん引き込まれる。
でも、人にはススメられない。
話のネタにはなります。 -
人の心をえぐらせたら世界一、我らがハネケ先生の処女作品。
序盤は父・母・娘三人家族の何の変哲も無い生活が淡々と描かれる。何が言いたいのかはっきりしないボヤッとした展開+顔を映さず生活用品ばかりにフォーカスした奇妙なカメラワークが続くばかり。不穏な空気は続くが具体的なことは何一つ起こらず、物語の方向がはっきり見えないのでやきもきする。
さすがのハネケと言えどやはり処女作、まだまだ甘さが残っていたのか…と思い始めたところで、やはりというかなんというか突然垂直落下式の驚愕展開が待ち構えていて、前半が意図的なフリだったことに気付かされた。
最終的にはいつもどおり、震えながら事態を見守ることになり、気がついたら映画が終わっていた。
はっきりと言葉としては出てこないが、明らかに物質世界、モノに埋もれた現代社会に対してのカウンターになっている。
処女作からこのパンチ力、圧迫感、無駄を削ぎ落した完成度。さすが。