- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4523215007085
感想・レビュー・書評
-
エリック・ロメール監督。
第33回ベルリン国際映画祭・監督賞、国際批評家賞を受賞。
「喜劇と格言劇」第3部。
何だか甘酸っぱい話だった。
いとこ同士のポーリーヌとマリオンが避暑地ノルマンディーを訪れ、そこで恋をする。
それぞれが想いの人を見つけるのだけれど、マリオンの恋人であるシルヴァンが移り気であるために一騒動が起きる。そこに、マリオンに想いを寄せるピエールも絡んできて……
なんか、みんなやっていることはえげつないのに、口だけは達者だから憎めない(笑)
海辺が彼ら彼女らを包み込んでいれば、万事OKみたいな気がしてくる。ちょっとプルーストの『失われた時を求めて』を思い出した。
何と言ってもいちばん良かったのは、終わり方。
ポーリーヌとマリオンが交わす言葉を聞いて、思わず、オシャレだなと呟いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エリックロメールは『緑の光線』『木と市長と文化会館』に続いて3本目。『緑の光線』を観て「なんじゃあこりゃあ!?」と大好きになった。そのあと真魚八重子さんの『映画系女子がゆく!』でも取り上げられていたので、あー俺の感覚は正しかったのかなと嬉しくなった(映画系女子じゃなくて男子だけど)。真魚さんも大好きになった。
この『海辺のポーリーヌ』もほんと最高でした。まずポーリーヌがめちゃくちゃかわいい。それとファッション、車、映像の全てのものがおしゃれでかわいい。
『海辺のポーリーヌ』が83年、『緑の光線』が86年。ジャンジャックベネックスの『ディーヴァ』が81年と、80年代のフランス映画は今観るとめちゃくちゃおしゃれで良い。
イギリスで言うとおしゃれ番長ポールウェラーのスタカンの頃ぐらいの感じ。(イギリス人も日本人と同じく、フランスイタリアアメリカなど海外ブランドが好きで、当然ドメスティックが全てじゃない。だいぶ前に友達がイギリスに行った際、ラコステを着てる人が多かったと言っていた)
ロメールの映画は基本的に会話劇、「おしゃべりロメール」なのだけど、恋愛映画で、会話は恋愛についての議論を交わしていることが多い。
これで思ったのは、ロメール作品では恋愛と哲学が同レベル、恋愛の哲学をほんとに真面目に語ってるんだなーということ。これは非常に大事なことだと思う。
そして、その会話の内容もすごく頷ける、共感できる。
会話ではないけど、この映画だとシルヴァン君がハゲを最初にかばったとことか、男同士だからわかるー!となる。
女の方も、従姉のマリオンは『緑の光線』の主人公と若干近くて、女ってこうだよなーと思う。私は男性だから正確には言えないけど、真魚さんの文章なんかを読むと「どうしてわかるの?」という感じみたい。
撮り方が誰かに似てると思ったけど、カウリスマキっぽい。ロメールは小津さんに似てると言われてたようだけど、本人は「小津さんを知る前から映画を撮ってたから、特に影響は受けてない」とのこと。
カウリスマキは小津さんにモロに影響を受けてるし、欧州だからロメールにより近く感じます。
フランス映画だけど難解でもアンニュイ(笑)でもなく、基本的にはアンジャッシュみたいな楽しいラブコメ、青春映画なのでおすすめです。
ただ、レンタルに置いてないことが多くて……DVDがプレ値になってなければ買うのになー。良い映画ほどレンタルに置いてないことがほんとに多いですね。 -
ロメールにまんまとハマった。
夏と少女の無敵さよ。