エリック・ロメール コレクション 海辺のポーリーヌ [DVD]

監督 : エリック・ロメール 
出演 : アマンダ・ラングレ  アリエル・ドンバール  パスカル・グレゴリー  フェオドル・アトキーヌ  シモン・ド・ラ・ブロス  ロゼット 
制作 : マルガレート・メネゴズ 
  • 紀伊國屋書店
4.08
  • (11)
  • (6)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215007085

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • エリック・ロメール監督。
    第33回ベルリン国際映画祭・監督賞、国際批評家賞を受賞。
    「喜劇と格言劇」第3部。

    何だか甘酸っぱい話だった。
    いとこ同士のポーリーヌとマリオンが避暑地ノルマンディーを訪れ、そこで恋をする。
    それぞれが想いの人を見つけるのだけれど、マリオンの恋人であるシルヴァンが移り気であるために一騒動が起きる。そこに、マリオンに想いを寄せるピエールも絡んできて……

    なんか、みんなやっていることはえげつないのに、口だけは達者だから憎めない(笑)
    海辺が彼ら彼女らを包み込んでいれば、万事OKみたいな気がしてくる。ちょっとプルーストの『失われた時を求めて』を思い出した。

    何と言ってもいちばん良かったのは、終わり方。
    ポーリーヌとマリオンが交わす言葉を聞いて、思わず、オシャレだなと呟いた。

  • 夏の終わりにフランスの恋愛を見てみる……全然わからん。。
    フランス人の恋愛観すごいな〜こんないつも恋探してるとか、わたしなら過労で死んでしまいます。バカンスだから?
    今思い返すと、裸やら裸にタオルは出てきたけど、直接のセックスシーンは無かった気がする。
    生々しいのはアンリがポーリーヌの脚舐めてたところくらいだったから、このシーンが余計に記憶に残るのかもしれません。

    6人の恋愛模様…あ、売り子が入ってるのか。
    全員どうかしているのでそこは面白かったです。
    近付くのもヤバいダメ男アンリがモテるのはわかる、どうかしてるぜあんな男と同性のピエールが言ってるのもわかるしそんなピエールはこりゃモテんやろ…となりました。余計なこと言っちゃダメなのよね、きっと(桃井かおり様の名言)。
    マリオンは「全部わかってるわ」みたいな顔してて振り回されるのでそれもね……でも恋とは振り回されるやつなのでそれはそうです。
    シルヴァンはダメな感じの事なかれ主義なのでポーリーヌは深入りしなくて正解です。

    ポーリーヌは一生懸命背伸びしてるのが初心だな、と可愛い。フランスの美少女ってボーイッシュな印象です、肌ぴっちぴちだけどあんまり身体に凹凸がない感じ。
    この3人みたいな大人の恋愛に染まらないでほしいと思っても、この魅力じゃ無理だろうな。マリオンを反面教師にしてくれ。

    ピエールが言ってた「報われない相手をいつまでも想うなんて出来ない」みたいなのと、アンリが言ってた「完璧すぎるのもダメ」は、恋の真髄の一つ(愛は違うと思ってる)だと思ったけどポーリーヌにはまだ早かったかもしれない。
    ひと夏の経験か。。
    成人男性ふたりがちゃんとポーリーヌを子ども扱いしてて恋愛対象として見てなかったのはよかったです。「狼だって誰でも喰わないよ」と言いつつアンリはちょっと危なかったけど。。

    海辺の光と、朽ちて色褪せていく紫陽花が綺麗でした。
    紫陽花の花言葉、ちょっと意識されてたのかな。
    人様の恋愛は冷静に見られてどうこう言えるけれど、こと自分の恋愛になると………と改めて思い知りました。棚上げ〜!!

  • エリックロメールは『緑の光線』『木と市長と文化会館』に続いて3本目。『緑の光線』を観て「なんじゃあこりゃあ!?」と大好きになった。そのあと真魚八重子さんの『映画系女子がゆく!』でも取り上げられていたので、あー俺の感覚は正しかったのかなと嬉しくなった(映画系女子じゃなくて男子だけど)。真魚さんも大好きになった。

    この『海辺のポーリーヌ』もほんと最高でした。まずポーリーヌがめちゃくちゃかわいい。それとファッション、車、映像の全てのものがおしゃれでかわいい。
    『海辺のポーリーヌ』が83年、『緑の光線』が86年。ジャンジャックベネックスの『ディーヴァ』が81年と、80年代のフランス映画は今観るとめちゃくちゃおしゃれで良い。
    イギリスで言うとおしゃれ番長ポールウェラーのスタカンの頃ぐらいの感じ。(イギリス人も日本人と同じく、フランスイタリアアメリカなど海外ブランドが好きで、当然ドメスティックが全てじゃない。だいぶ前に友達がイギリスに行った際、ラコステを着てる人が多かったと言っていた)

    ロメールの映画は基本的に会話劇、「おしゃべりロメール」なのだけど、恋愛映画で、会話は恋愛についての議論を交わしていることが多い。
    これで思ったのは、ロメール作品では恋愛と哲学が同レベル、恋愛の哲学をほんとに真面目に語ってるんだなーということ。これは非常に大事なことだと思う。

    そして、その会話の内容もすごく頷ける、共感できる。
    会話ではないけど、この映画だとシルヴァン君がハゲを最初にかばったとことか、男同士だからわかるー!となる。
    女の方も、従姉のマリオンは『緑の光線』の主人公と若干近くて、女ってこうだよなーと思う。私は男性だから正確には言えないけど、真魚さんの文章なんかを読むと「どうしてわかるの?」という感じみたい。

    撮り方が誰かに似てると思ったけど、カウリスマキっぽい。ロメールは小津さんに似てると言われてたようだけど、本人は「小津さんを知る前から映画を撮ってたから、特に影響は受けてない」とのこと。
    カウリスマキは小津さんにモロに影響を受けてるし、欧州だからロメールにより近く感じます。

    フランス映画だけど難解でもアンニュイ(笑)でもなく、基本的にはアンジャッシュみたいな楽しいラブコメ、青春映画なのでおすすめです。
    ただ、レンタルに置いてないことが多くて……DVDがプレ値になってなければ買うのになー。良い映画ほどレンタルに置いてないことがほんとに多いですね。

  • これ当時のオサレ系恋愛マニュアル作品。バブルを迎える往時のマガジンハウスや湘南boyなど、これがイメージか。

  • いやあ、まさかロメールのしかもポーリーヌをアマプラで観れるとは思わなかった。。学生時代に映画館で見て以来。どうって事ない痴話話しなんだが、やはり好きだなあ。。N・アルメンドロスのカメラが素晴らしい。
    感情を逆撫でするような会話の後でも別れ際にポーリーヌがさよならの挨拶のキスをしてよってあたりが絶妙で大人と子供とが混じり合ってていい。こういう、曖昧さ、白か黒かでない人間臭いところは本当に好き。昨今の邦画やハリウッドではあり得ない演出な気がする。
    売り子とこ会話ひとつとっても機微を丁寧に詰めていていい。

  • 早稲田松竹で鑑賞。(3.5点)


  • ロメールにまんまとハマった。
    夏と少女の無敵さよ。

  • 大袈裟ではないちょっとした恋劇。

    海や砂浜や緑やヒロインの焼けた肌が綺麗だった。
    ストーリーよりも、景色を楽しんで下さい。

  • <自分的青春映画祭⑨>
    4人の、しょーもない色恋沙汰なんですが、そのしょーもなさ加減が逆に新鮮で良かったです。

    アリエル・ドンバールの肌の白さが、庭に咲き乱れるあじさいの花と、なまめかしい対照を示したりするので、これがsの道の強者かと思うとそうでないところが妙におかしい。

    接吻だの愛撫だのが特権化されることのない遊戯として恋愛の風土に染め上げている。自然な光彩のキャメラがいいね。

    【ストーリー】
     ノルマンディーの避暑地の夏。15歳のポーリーヌ(アマンダ・ラングレ)は、年長の従姉マリオン(アリエル・ドンバール)とともに、夏の終わりのひとときを海辺の別荘で過ごそうとやって来た。
     ファッション・デザイナーで、離婚の経験もあるマリオンに早速、恋の話をきくポーリーヌ。海辺に出かけた二人は、昔マリオンのボーイフレンドだったピエール(パスカル・グレゴリー)に出会った。
     彼は純情な好青年だが、いまだに学生を続け、そしていまだにマリオンに恋していた。ピエールの知りあいで南の島の民族学者というふれこみのアンリ(フェオドール・アトキン)を、ピエールはマリオンたちに紹介した。
     その夜、アンリの別荘で過ごすことになった4人は、めいめい恋愛について語った。情熱的な恋愛に憧れるマリオンは、その日のうちにアンリに恋してしまい、朝まで2人で過ごすことになる。
     翌日、海辺でウィンド・サーフィンに興じる少年シルヴァン(シモン・ド・ラ・ブロス)と知り合いになったポーリーヌはアンリの別荘でいっしょに踊り、2人の仲は接近する。
     一方、プレーボーイのアンリは、マリオンが自分に夢中になっているのを知りながら、キャンディ売りの娘ルイゼット(ロゼット)を部屋に誘ったりしていた。マリオンがいないのをさいわい、ルイゼットと部屋で戯れている姿をピエールが目撃。戻って来たマリオンに、アンリは、ルイゼットと部屋にいたのはシルヴァンだと嘘をつく。
     ピエールが、目撃したことをマリオンに言っても彼女は信じない。シルヴァンに欺かれたと信じ悲しむポーリーヌを慰めるマリオン。パリに用事ができたマリオンは、一時別荘を離れるが、急いで戻ってくると、アンリがスペインへ旅立ってしまっていた。ショックを受けるマリオン。パリに引き上げることにしたポーリーヌとマリオンは、複雑な気持ちで別荘を後にするのだった。
     夏のノルマンディーの海辺を舞台に、15歳の少女ポーリーヌが体験する数日間の恋愛騒動を描く。製作はマルガレット・メネゴス、監督・脚本は“Le Beau Mariage”等のエリック・ロメールでこれが彼の日本初登場にあたる。
     撮影はネストール・アルメンドロス、音楽はジャン・ルイ・ヴァレロ、編集はセシル・ドキュジスが担当。出演はアマンダ・ラングレ、アリエル・ドンバールなど。

  • 100123朝日新聞文化欄
    “優雅な卑猥さ生んだ「軽さ」
    映画監督エリック・ロメールを悼む”
    蓮實重彦

全12件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×