ダーウィンの悪夢 デラックス版 [DVD]

監督 : フーベルト・ザウパー 
  • ジェネオン エンタテインメント (2011年10月17日発売)
3.30
  • (22)
  • (39)
  • (92)
  • (14)
  • (8)
本棚登録 : 327
感想 : 70
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102373139

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  全く知らない世界が描かれていて,ビックリ。単なる生態系破壊の話かと思いきや,調べるとそうじゃなかった。内容も,どちらかというと生物(自然科学)よりも社会(社会科学)の方が主だった。でも,それもこれも,科学的な考え方を取り入れないからこそ起きる悲劇なのだが。
     こういうことは,どこの社会でも少なからず起きていそう。

    《ウィキペディア》の解説より
     東アフリカビクトリア湖に繁殖した巨大魚ナイルパーチを通して、タンザニアからヨーロッパ・日本への加工品輸出を軸に、1日1ドル以下で生活する具体例を通して、「グローバル経済の引き起こす現実」を描きだしたドキュメンタリー映画。
     研究者がビクトリア湖に繁殖した巨大魚ナイルパーチにより在来種が絶滅の危機に瀕していることを欧州とアフリカの会議に訴えても無視されてしまう。それは何故か。 「飛行機で欧州からアフリカへ武器を輸出し、その飛行機が欧州へ帰るときには巨大魚ナイルパーチの加工品を積み込んでいる。」とのパイロットの証言を得ることにより欧州とアフリカの経済的な関係が明らかになる。それから派生していると考えられるアフリカの貧困・売春などをドキュメントする。

  • こういうドキュメンタリー映画を観ていていつも思うのは、それがたとえ実際の記録映像をつなぎ合わせたものだとしても、必ず作り手のバイアスがかかっているということ。当たり前っちゃ当たり前だけど・・・。ただ、個人的にはこの映画はちょっと合わなかったです。

  • 一匹の魚からはじまったグローバリゼーション。ひたすらリアル

  • ただでさえ陰鬱な内容なのに映像まで陰鬱で、その押し付けがましさに気が滅入った。
    その点に、本作の監督が、あらかじめ演出を決めて撮影を進めたことが透かし見え、時と場合によってこちらも変化しようという柔軟さが感じられず、それが結果的に、上から目線な効果を醸し出している。

  • 圧倒的貧困。
    特にナイルパーチの残骸が行き着く
    村の状況はひどかった。
    圧倒的な貧困。フィクションみたい。
    メシを食うためににケンカが起こる。

    なお、本作品には事実を湾曲させて
    伝えている節があるようです。

  • 小説『ナイルパーチの女子会』にちらりと出てきたので観てみました。
    ドキュメンタリー映画を見慣れていないので、ちょっとよくわからない部分もあったけれど、子どもたちを見るのが辛い映画。

  •  国という規模であれ、世界という規模であれ、貧富の差は存在する。貧富が生まれる原因は、システムのせいかも知れないし、才能や運、人種、血統、国の事情、戦争、自然災害などがあるせいかも知れない。しかしこの映画では、原因の一つとしてヴィクトリア湖の汚染を上げている。石油や排水による汚染ではなく、「ナイルパーチ」という外来種の肉食魚による汚染だ。かつてヴィクトリア湖は「ダーウィンの箱庭」とも呼ばれた様々な生物の棲む美しい湖だった。だが何者かが数匹のナイルパーチを放流したせいで、生態系は崩壊。魚を喰い尽くし大量発生する事態となった。日本でも「ブラックバス」が問題になったのが同じ理屈だ。しかしナイルパーチはブラックバスにない「良い商品」という一面を持っていた。白身魚として価値があったのである。商品はヨーロッパだけでなく、日本でも食べられているという。ナイルパーチの漁業と加工業が発展し、町は豊かになった。
     だが豊かな町の出現は同時に貧富の差を生み出した。農民は農業を捨て、漁業へ。女性は漁師や輸出入用の飛行機に乗ってくる外国人相手に売春婦となる。しかも避妊の文化が確立されていなかったのでエイズを蔓延させる原因となり、原住民の男性が何人もエイズで亡くなる。神父は問題解決を図ろうとするが、神の教えを説き従うが故にコンドームを推進することができない。
     貧しい子ども達は常に暴力に晒され、恐怖を忘れるために煙草や梱包財を溶かして出た煙を吸うシンナーやドラッグに近い薬物乱用行為に耽る。食糧は少なく、奪い合いになる。
     また問題のナイルパーチは加工の過程で高価になり、原住民に買うことはできない。綺麗な切り身は日本を含む海外に輸出され、残骸は蛆の沸く様な粗悪な環境で油で上げられ売られる。それでもナイルパーチの残骸揚げを食べる人はいる。需要があるのだ。衣食足りて栄辱を知るというが、衣食が足りなければ衛生を知ることもできないのだ。
     飛行機には武器を運んでいる疑いもある。近隣の紛争地域に兵器や弾薬を売り飛ばしているのだ。海外から弾薬を運び、現地から食用魚を運ぶ。本来、食用ならば現地で必要な筈なのに。
     先進国はナイルパージの綺麗で美味しい部分を摘み食いし、発展途上国では余りものの残骸を掴まされる。しかしこれはナイルパージに限った話ではない。大多数のビジネスにおける現実だ。極論、肉体労働や危険な仕事は誰にでもできる。誰にでもできる仕事は安い賃金になる。高い賃金とは、肉体労働や危険な仕事ではなく、極一握りの人にしかできない仕事に支払われるものだ。肉体労働や危険な仕事によって生まれた高級な商品は、肉体労働も危険な仕事もしない一握りの人間が買う。買う相手がいなければ商売にならないのも事実だ。原住民の人々は、貧富の差が生まれようと「仕事があるだけマシだ」と言う。この事を踏まえ、ビジネスのシステムが間違っていると思うか、綺麗な切り身を買う方になりたいと思うかは、人それぞれだろう。
     ナイルパーチが売れるのは、スズキの代用魚として使うためらしい。つまり先進国で安く売れるからだ。安く買うのは、先進国でも貧しい人がいるから。先進国の貧富がまた別の貧富を生み出している。かと言って高い魚や国産品だけ買うことができない人も大勢いる。このような背景があっても、安い代用魚に頼らざるを得ないのが現状だ。
     この映画をレンタルで見た私もまた、貧困の輪廻に取り込まれた虜囚の一人に過ぎないのかも知れない。

  • 武器を輸出し、農水産物を買う。
    アヘン戦争みたいな構図が、ヨーロッパとアフリカで今なお存在している。
    ビジネスによる搾取の構図。
    権力の一つの本質を見ましたわ。

  • これはアマゾンの方にコメントしよう。

  • 生態系の破壊を描いているのかと思いきや、アフリカの貧困の映画でした。
    食事中には見れない映像あり。
    日本に輸入されているというナイルパーチって白身魚ってのかな。
    産地アフリカってあまり見かけないけど…。

    飢餓が起きていても人々は高価なため輸出される大量の魚は食べる事ができず、××の○いたアラや、梱包材を溶かして食べている(衝撃映像)。
    貧困を抜け出すために人々は戦争を望んでいるという話も我々の価値観との違いが大きく衝撃的。

全70件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×