隠し砦の三悪人<普及版> [DVD]

監督 : 黒澤明 
出演 : 三船敏郎  上原美佐  千秋実  藤原釜足 
  • 東宝
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104044655

感想・レビュー・書評

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  • こちらも他のクロサワ主要作ほどではないが、何回も観ている。ルーカスの「スターウォーズ」の冒頭のC-3POとR2-D2が会話して歩くシーンは、本作の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)のパクリ(リスペクトですな)なのは有名な話。ルーカスが惚れ込むほどなので当然だが、本作は千秋実と藤原釜足の絡みを楽しむための映画といって過言ではない。絶妙な悪ツッコミと窮地になったときの仲直りは名人芸の域で、人間の欲望をここまでコミカルに具現化したのを観たことがない。これだけでも観る価値あり。また、ミフネと藤田進の槍の果し合いの長廻しも必見(真壁六郎太と田所兵衛というネーミングも抜群)。全体の完成度はそれほどでもないが、必見シーン満載でこれまた何回でも楽しめる。新人女優で、すぐに引退してしまった、上原美佐の野性味溢れる姫役の頑張りは認めるものの、キンキン声がかなりマイナス。

  • ご都合主義と大げさな演技に食傷気味。それでも上原美佐の凛とした美しさ(演技はからっきし。特に声が常に甲高く耳触り。だから唖という設定にしたのか、無言では目を見張る存在感を放つ)、火祭りの圧倒的な「ケ」の迫力などは見ごたえあり。物語後半で重要な役割を果たす火祭りの歌は、閑吟集の「一期は夢よ ただ狂え」に基づいており諦念に満ち満ちているが、彼らの踊りにあふれる生命力といったら。姫が捕虜にある時にこの謡をうたうが、「浮世は夢よ、ただ狂え」の「ただ狂え」の部分は隠された。そして、最後田所の裏切りに続くのであり、無常ではなく、ひたすら生きること(それは農民の欲も含めて)に主眼を置いている。

  • やっぱり面白いね。黒澤 明は。
    エンターテイナーですね。

    秋月家再興のため、雪姫と侍大将 六郎太と、
    一攫千金狙う農民の又七と太平が、
    平民に成り済まし、軍資金を積んで
    敵国領内から脱出を試みます。

    (雪姫)
    姫は楽しかった
    この数日の楽しさは 城の中では味わえぬ
    人の美しさを 人の醜さを
    この目でしかと見た
    六郎太 礼を言うぞ
    これで姫は悔いなく死ねる
    六郎太
    殊にあの祭りは面白かった あの歌も良い
    ♪人の命は 火と燃やせ 虫の命は火に捨てよ
    思い思えば 闇の世や 浮き世は夢よ♪

    (兵衛)
    ♪人の命は~ えぃ 火と燃やせ~ やぁっ♪
    よし!燃やすぞ!
    あっばれ 将に将たる器 大事にせい
    (雪姫)
    兵衛 犬死には無用 志あらば続け!
    (六郎太)
    兵衛 続け 続け!
    (兵衛)
    よっしゃ。裏切り御免!

    秋月家再興を目指す六郎太と雪姫は
    多くの仲間を失い、数多の苦難の末に
    敵に捕まり万事休す そこから一転
    兵衛という100年の知己たる仲間を得て、
    秋月家再興のための金もすべて回収!
    痛快 娯楽エンターテイメント。

    又七と太平の農民コンビの懲りない二人。
    欲に目が眩んでケンカしては
    大失敗して全てを失い
    「おらたちいつまでも仲良くしような」
    の繰り返し。
    道中二人と苦楽を共にした雪姫から褒美を貰う時
    「仲良う分けるのじゃ。ケンカはならぬぞ!」
    とキツく叱られて流石に観念。
    心を入れ替えて仲良く暮らしましたとさ!?

  • 四の五の言わずに楽しめばいい娯楽作、らしい。

  • 黒澤作品初心者向けとして薦められるだけあって、分かりやすく楽しく爽快な作品だった。

    有名な乗馬追い討ちシーンなど凄い殺陣の見どころがある中、最も良いと思ったのは姫を演じた女優。当時新人でこれがデビュー作だったらしいが、なぜに全編フルパワーの演技なのか。何を言うにも声が割れるほどに力を込めた台詞回し。どんな演出だよ。
    でもそんなある種の大根っぷりが、男勝りでお転婆で世間知らずという特殊な姫の人間性を強烈に表現していて、姫が言葉を発するシーンのほとんどでやたらと胸を打たれた。
    中でも終盤、遂に捕らえられての打ち首前夜、監禁されながら火祭の歌を歌うシーンには泣いた。姫の歌がすげえ下手で。いや、その音痴っぷりがそのシーンと姫の心情の悲哀を物凄く掻き立てていて、本当に良かった。

  • モノクロの黒澤映画がいい。

    グッとくる。
    ひろがりを感じる。
    時代を感じる。
    等身大の日本の人を感じる。

    現代のリズムになれてしまうと
    若干、間延びした部分も感じてしまうけど、
    それでも飽きない。
    なんでだろ。

    久しぶりに黒澤映画を観て
    やっぱり、とボクが想うところ。

  • 監督 : 黒澤明

    出演 : 三船敏郎 上原美佐 千秋実 藤原釜足

  • 完成されたエンターテイメント

  • 戦に負けた大名のお姫様の一族再興劇。
    三船が苦労人な役どころで、見てて一緒にもやもやした。
    一番好きなシーンは祭りのシーンと、三船の戦闘シーン。
    見終わった後は謎の爽快感。

    私にとっての黒沢作品17作目。彼が生涯で残した映画は確か30作すべてみてみたい。

  • スターウォーズの原点!

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著者プロフィール

(くろさわ あきら 1910−1998年)
日本を代表する映画監督。1943年『姿三四郎』で監督デビュー。生涯30本におよぶ名作を監督した。『七人の侍』(1954年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞)など海外の映画祭での受賞が多く、映画監督として初めて文化勲章、国民栄誉賞を受賞し、1990年には米アカデミー名誉賞が贈られた。

「2012年 『黒澤明脚本集『七人の侍』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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