- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988111284266
感想・レビュー・書評
-
田村正和観るだけの映画
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
濃厚な昭和言葉の台詞に彩られた、60年代ファッションと文化が堪能できる作品。
安田道代さん演じる、ナオミのスチール写真がネガのようになってタイトルショット。
うん、ここカッコよくて好きでした。
天性のドM作家、谷崎潤一郎の分身みたいな主人公の譲治は小汚い飲み屋で見つけた18歳の女を引き取り、理想の淑女に育て上げるために飼育する。
粗野で教養もない、ただあるのは若々しい肉体と美しさだけのナオミは、汚くて下品な生活から救い出してくれた譲治を慕い、かわいいペットのように懐いてくるが、、
、
主従関係が始まりと終わりで変化するというよりは、譲治は初めからナオミを飼っているのではなく飼われているようにみえる。
まるで「強いお酒」のように、たとえ目が回るのが分かってもまた求めてしまうような、アリジゴクのような小悪魔(ナオミ場合はもう悪女)は、その未来がたとえ破滅であっても堕ちてしまいたいギャンブルみたいな存在なのかな。
度々出てくるナオミの観察日記のセクシーでおしゃれなショットが小気味よく効いていて、また小沢昭一さん演じる譲治のダサいおじさんぶりがコミカルに描かれていて、ポップな演出は見事だった。
ただ、くやしいのはこの時代の若者のほうがなんかおしゃれだよね。いいなー -
谷崎潤一郎原作。
ひどい役者たちだ。
原作のよさもなにもないなぁ。
作品の仕上がりもひどいものだ。 -
正直、ちょっとがっかりした気分がなくもない。原作を読み終わったあと、すぐに総合図書館に飛んで、観たのだが、原作よりちょっと距離のあるような……
たぶん私は非常に面喰いのためでもあったのかもしれないが、河合譲治を演じた人っていかにもぱっとしない感じだった。ナオミはそれで可愛かったが。あと、御屋敷ももっと西洋風なお伽噺のなかに出てくるような別荘を想定していたが、映画のなかでは郊外の一軒家になってて……
あと、鎌倉の節はみんなカットされた(*_*)
最後に、びっくりしたのは濱田くんを演じたのはまさにあの田村正和!若!!!!!! -
谷崎潤一郎の名作、痴人の愛。文章だとあんな上品で美しさを醸し出しているのに(小説だとナオミが小悪魔に見えたのに、これだとワガママで下品さすら感じる)映像だとこんなに変わってしまうものなのか!特にナオミが馬乗りになるシーン、楽しき戯れかと思いきや、なんとまあ滑稽な!製作年が反映されたお洋服がかわいい。60年代テイストワンピ、素敵。若かりし頃の田村正和も見られるのでそれもお楽しみ。この頃からああいう話し方だったのですね。小説でのラストはカットされてたけれど、あれも映像になってたらさすがに長かったかもしれないので、これはこれでいいかと思います。しかし最後のナオミのセリフで「谷崎のナオミはもっともっと恐ろしいだろうよ」とツッコミたくなってしまった。原作よりかは救いがある。