- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4571169961861
感想・レビュー・書評
-
地獄でも、天国でもいい、未知の世界が見たいの!
悪の楽しさにしびれ 罪を生きがいにし 15才の少女ふたりは 身体に火をつけた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
征服者と犠牲者に同時になろうと試みた少女たちの遊びだと思った。
他者を貶めて自分だけ安全圏にいようとするのは
遊びじゃなくなってしまう。
だから小鳥を殺すシーンはやーめーてーだったけど
犠牲者にちゃんと自分たちを勘定に入れてる所は偉い。
時として犠牲になるのは心地いいから
誘惑の先に必ず被虐の視線が入る(未遂だけど)
少女に欲望する人が期待してみるのは一つに正しい見方。
永遠の少女になりたい女の子も
女の子が好きな男の人も平等に欲望する権利がある。 -
その非道徳性により当時本国フランスで上映禁止だったという例の映画。つまり反カトリック。悪に走る少女二人というより黒髪のアンヌが金髪のロールを支配する話。そういう意味でロールが痛々しい。アンヌは自分が悪だと認識しているから後悔で泣いたりもするんだけど悪事は止めない。勿論ロールを引き擦ってゆくし、ロールはロールでアンヌと離れてしまうことだけを恐れている。罪悪感の誘惑と誰かが書かなかったっけ。罪悪感に泣くこともまた快感だったのかも。だけどこの支配関係のまま死ぬのは或る意味ハッピーエンディングじゃないかなと思った。“Digue dondaine, digue dondon !”が耳に残る。特典にアンヌを演じていたJeanne Goupilや監督Joel Seriaのインタビュー、犯罪研究家の話も収録。しかし神への冒涜って要するに神の存在を無視出来ないが故の信仰だよねってやつ。Enfer ou Ciel, qu'importe ?
-
ロリータというか耽美的世界というか。二人の女の子の笑い声と、音楽が耳から離れない。でも意外と構成はしっかりしている。とことん残酷になれるのはやっぱり女だけ。
-
「地獄でも、天国でもいい、未知の世界が見たいの!」
本国フランスでは上映禁止、アメリカと日本のみでの公開となり、インモラルとの烙印を押されながらも、一定数からは熱狂的な評価を受け続ける禁断の少女映画、『小さな悪の華』鑑賞しました。アン・ペリー事件がもとになった映画として、『乙女の祈り』と共に並び評価されています。
アンヌとロールの笑い声と、なんども流れる劇中音楽が耳から離れなくなりますねえ(笑)。一度観たら感想を読み返すまでもなく、すぐに内容を思い出せそうです。
先ず目立つのが、あからさまに冒涜的、アンチ・カトリックなシーン。おそらく上映を禁止された要因の多くを占めているのがこれで、日本人の自分から見ても「それはあかんやろ・・・」となるような稚拙ながらも極大な叛骨心がすごかったです。
そして何よりもびっくりしたのが、どこまでも蠱惑的な少女、アンヌとロールの大人すぎる誘惑。挑発的な目線と笑い声でパンツを見せられたら、そりゃあ男たちみんなああなりますわな(笑)。上半身の露出はおろか、脇や下半身の陰毛の描写もエロティックでした。これぞまさしく、アンヌ役の女優さんが言うように、魔性の女というよりは、コケティッシュな「ロリータ」を彷彿とさせますね。「七つの大罪におけるもっとも重い罪は色欲」と司祭が熱弁するのを、アイロニカルに表現する男性たちのレイプ未遂なんか直接的すぎて思わず笑ってしまった。この男性のリビドーをちゃんと表現するシーンで、完全にこの作品に心を持ってかれました。
また、アンヌとロールは悪魔崇拝に放火、動物虐待と、かなり非人道的な行為を繰り返ります。ですが、警察に疑われ事情聴取を受けると、自らの未来を恐れ、泣き出してしまうシーンなどもあります。ここもリアリティがあってよかったです。
二人は完全な狂人かと言われればそうではなく、タイトルにもあるとおり、ふたりはあくまでボードレールの『悪の華』での情緒を呼び起こす刹那的、脆弱的、虚栄的少女像になっています。今の言葉で、こう表現していいのかは分かりませんが、「厨二病的」とも形容できるでしょう。思春期の自己愛や社会組織/家族等への叛駁を見事に表現しながらも、葛藤や畏懼の要素も忘れていない点がよかったと、重ねて言おうと思います。
そんな中で芽生える愛情に近い友情が、共依存、レズビアン的関係性として手紙やモノローグの中に挿入されていて、最終的にはお互いを愛しながらの最期を選択したところは、ありがちですが綺麗にまとまっていたと思います。
アンヌとロールは「厨二病の」屈折した少女ではありません。どこかノスタルジックな気持ちでこの映画を観れたので、個人的には大満足です。 -
1970年の作品。15歳の少女 アンヌとロールの二人が主人公。
物語として 悪意が 底流にあり、実にこわい作品である。
裕福な家庭の子供たち。現実に 足をおろしていない。
貧しい牧童を誘惑して、レイプされそうになる。
まだ、子供なのだ。今ではこのような画像は
児童虐待となりとれないでしょうね。
アンヌとロールはカナリヤを 毒殺する。
カナリヤを飼っている庭番の悲しみを 笑う。
知恵おくれの庭番に儀式に参加させる。
干したイネワラに火をつけてまわる。
自転車で 駆け巡る。それが、事件化しない。
どうなっているのだろうか。
少女たちはエスカレートしていく。
まさしく 悪の華。
何故、彼女たちは、そうなってしまったのか? -
古さを全く感じさせないスパイシーな仕上がり。
良作かは別として、フランス映画を知るいい機会となりました。 -
なかなか煽情的な映画でした。無邪気だけど、ピュアではない感じかな?