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- / ISBN・EAN: 4988142647221
感想・レビュー・書評
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観る前はものすごくシリアスな映画だと思っていたのですが、案外コミカルでした。
驚いたのが刑務所からの脱出シーン。余りにも大胆に端折られていました。確かに、ここに時間かけたらそれだけで1本映画作れるくらいになっちゃいそうですから……しかしあまりにも突拍子なくて笑うと同時に感心しました。
他主役オーディションの部分などにも似た匂いがありました。瑣末な部分の省略の仕方が粋です。
しかしちゃんとすべき所はもちろんちゃんとしていて、ラストはすさまじいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルPhantom of the Paradiseは、もちろん「オペラ座の怪人」Phantom of the Opera からだろうけど、内容はかなり、というか、全然違う。
共通点は、怪人が活躍する舞台が劇場であることと、奇怪なマスクをかぶっていることぐらい。
それも映画では後半になってから。
前半は、善良で非凡な作曲家である主人公が、悪逆非道のロック界の帝王スワンにさんざんもてあそばれ、ひどい目にあわされてマスクをかぶるに至った経緯を悪趣味に描いていて、これはかなり笑えて楽しいような痛ましいような。
悪党スワンを演じるのが、映画の音楽を担当しているポール・ウィリアムス。よくやるなあという怪演ぶり。
その音楽がまたすばらしくて、最初から最後まで、映画全体に満ちあふれています。音楽を扱った映画ならこれぐらいはやってくれないと。先日の「NANA」は出し惜しみすぎでした。
カルト映画として有名なこの映画。たしかにハマリそうです。
一度見たぐらいでは、雰囲気・物語とも説明が難しい。
とにかく見てくださいとしかいいようがありません。
監督はブライアン・デ・パルマ。
最近では、「ミッション・インポッシブル」(1996)が有名。
「キャリー」(1976)の監督とは知らなかった。これがまた絶品です。ラストのスぺクタクルの快感は、サム・ペキンパー監督の「わらの犬」、マーティン・スコセッシ監督の「タクシ・ードライバー」に匹敵。
本作のような奇想天外な映画こそ、映画館で見てノックアウトされ、茫然自失となって出てくるべきものなんで、自宅の小さな画面でみるのは衝撃度が半分ぐらいに薄められてしまって、なんとももったいない話。
しかしそんなことをいってもしかたがないので、場所や形式はどうでもいいから、ともかく見ておいた方がよい映画だと思います。 -
ブライアン・デ・パルマのミュージカルというだけで心惹かれる本作。彼の代表作とまでいえなくても、ファンなら楽しめること間違いなし(スプリットスクリーンもあるし)
「オペラ座の怪人」のオマージュとのことですが、オリジナルにあったクラシカルな重厚さは皆無。音楽は節操がなく楽曲によって音楽性はバラバラ。役者は冴えない奴ばかりで、主人公のファントムはガッチャマンみたいだし、ずいぶんとイロモノ感が漂います。
このB級感とカルト的雰囲気は「ロッキー・ホラー・ショー」に似ていますね。ただ楽曲的には本作のほうが好み。とりわけエンディングの「The Hell of It」は中毒性の高い名曲(あの印象的なピアノのリフレインが頭から離れません)。そういう意味では、俳優としてもスワンを怪しげに演じたポール・ウィリアムズの功績は大きいです。 -
デパルマ作品で自分的にはベストな作品。