迷宮物語 [DVD]

監督 : 大友克洋 
出演 : 吉田日出子  津嘉山正種  水島裕 
  • 角川エンタテインメント
3.76
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111283832

感想・レビュー・書評

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  • 『ラビリンス*ラビリントス』 りんたろう監督
    『走る男』 川尻善昭監督
    『工事中止命令』 大友克洋監督
    オムニバス形式の3作。
    (見返す自分のための備忘録……『ラビリンス*ラビリントス』は1作目、にしてオープニングも兼ねているので、3作目のあとに1分程度エンディング的な役割を果たしているので、ラストもきちんと見ること)

    結構な頻度で「迷宮物語」という言葉を見聞きしていた。
    大友克洋の文脈で聞いたことがあるし、実際3作目の『工事中止命令』がオムニバスのメインディッシュっぽく思われる。
    『走る男』の川尻善昭監督という名前は初めて知ったが、監督した「SF世紀レンズマン」、菊地秀行の「妖獣都市」「バンパイアハンターD」といったタイトルから、80~90年代の雰囲気を感じられる。
    原画家の活動が中心らしい。
    が、今回ガツーンッとやられたのは、『ラビリンス*ラビリントス』りんたろう監督作だ。

    なんとなーく押井守「天使のたまご」(1985)についてネットサーフィンしていたら、「迷宮なんとか」というタイトルに触れることがあった。
    今回ようやく分離できた。
    先日見た「トワイライトQ」(1987)というオムニバスのうちのひとつが押井守監督「迷宮物件FILE538」で、
    今回見た「迷宮物語」(1987)というオムニバスのうちのひとつがりんたろう監督「ラビリンス*ラビリントス」。
    「天使のたまご」ー「迷宮物件FILE538」ー「ラビリンス*ラビリントス」のどれにも、全然性質は違えど幼い女の子が登場して鮮烈な印象。
    しかもこの「迷宮物語」に本来は押井守がブッキング候補とされていたとか。
    ややこしい。「迷宮物件」という突飛なタイトルは本作へのあてこすり? と邪推したりして。

    『ラビリンス*ラビリントス』の内容についてはわざわざ書き起こしたりしない。
    もうただただ素敵で空恐ろしくてビザールで、要は好き。個人的なオブセッションの塊。
    今後何度も見返すと思う。
    10分強のこういうお気に入り動画を見つけられると嬉しい……全然内容は関係ないが、ビクトル・エリセ「ライフライン」(オムニバス「10ミニッツ・オールダー」収録)に並ぶ。

    それにしても3作とも映像がリッチで、さすが好景気だったんだろうな、と。
    駿も押井も大友も、ヤマトやガンダムが地ならししたアニメバブルの土壌に、実際の好景気のカネを継ぎ込めたからこそ生まれたんだろうな、と思ったりする。
    文化史も何も意識することなく「メモリーズ」にびっくりしていた少年には、モロに享受するには数年幼かったが、OVA文化とかセルアニメとか、80~90年代のアニメ爛熟期は面白い。
    庵野秀明「エヴァ」以前のアニメ文化に思いを馳せるのは愉しい。

    ところで導入のサティ「ジムノペディ」や、エンディングその曲に混ぜ物を入れた聞かせ方などが独特で、音楽も全般的にいいな、と感じていた。
    3作で共通して音楽監督を務めたミッキー吉野って誰だろと調べたら、ゴダイゴだ!
    いろいろな映画音楽を手掛けているらしい、というか1990年に「ドラゴンクエスト アベル伝説」の音楽担当も。

  • 走る男はちょっと、いただけなかった。しかし1,3作目は作画最高だった。特にりんたろうさんの作品は、子供特有の現実世界に対する不思議な認識が非常に秀逸。見知らぬ大人が鋳造されたような板になって行進するところは、親しい人間以外に薄情である子供らしさが出ていた。

  • 不気味だなあ。
    なかむらたかし目当てで。

  • 謎、というか、終わってないが正解かな。
    オムニバス形式で綴られますが、本当に関連がないので、なんでこの組み合わせにしたのだろうと思いました。

  • よくわからないけど、奇妙な世界、張り詰めた迫力、奇妙なこわさ。

  • オムニバス。作品は 「ラビリンス*ラビリントス」「走る男」 「工事中止命令」。個人的に工事の話が一番好きだった。これから面白くなりそう!っていう時に終わってしまったのが残念だったけど。

  • 怖い。観ててドキドキした。

  • 一作目、「ラビリンスラビリントス」がとても好きです。

    夕暮れ、逢魔が時の不安や魅惑がぎゅうっと詰まってて、
    子供の頃に感じた闇の気配をおもいだすことができました。

    詩的な作品、硬派な作品、エンターテイメント作品
    方向性、作風の異なる3作品が楽しめます。

  • マニアックなオムニバス。日本人がワザと描くアメコミ風絵柄はコブラ原作をのぞき、好きじゃない。

  •  「走る男」 < 「ラビリンス*ラビリントス」 < 「工事中止命令」 かな。
     全体的な出来としては「工事中止命令」が一番バランスが良かった。
     また、ストーリーは無いに等しいが、幻想的な雰囲気を楽しむならば「ラビリンス*ラビリントス」が凄く良い。

     やはり年代に関わらず、良い作品はいつ観ても良い。

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著者プロフィール

漫画家・映画監督。宮城県出身。
1973年「漫画アクション」にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。
1988年、自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は日本国外でも高い評価を受け、海外における日本アニメムーブメント(ジャパニメーション)のさきがけとなった。
2013年、日本政府より紫綬褒章。2014年、フランス政府より芸術文化勲章オフィシェ。
2015年、第42回アングレーム国際漫画祭・最優秀賞(フランス)。

「2023年 『銃声』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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