芸術新潮 2008年 03月号 [雑誌]

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  • 茶室における「闇」は、人間を「原初」へと誘う。
    混沌に放り込まれた者は、そこで新たな知覚を得る。
    その時に、光がおそらくは差してきたのであろう。


    以下引用

    茶の湯は確かに非日常の時空に開かれています。しかしそれは人の心の中に開けてゆく非日常なのだと思います。

    学問の客観性なんてものを信じていない

    「私の」利休、「私の」光悦を語らなければ意味がないと思っている。

    作家はそうでないとだめだ、学者の言葉に左右されているようでは何も生み出せない。

    茶会も、人とのやりとりがなければいいのだけれど、茶室の暗がりで見る炭の赤さや、窯にたぎる湯の音などは、何か、太古のヒトの記憶を呼び覚ますような清らかさがあって、粛然とする。

    茶の湯は日常世界に非日常的な場を出現させる。あの小さな潜、結界を超えれば薄闇の支配する極小空間。茶室は日常と離れて異界と交信する場である。人は日常世界だけでは生きてはいけない。光が闇にささえられてこそ、その美しさが理解できるように。

    近代社会は光を求めて闇を排斥した。

    以上に扁平な日常が世界を席巻する。

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