第25作 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 [DVD]

監督 : 山田洋次 
出演 : 渥美清  浅丘ルリ子  倍賞千恵子  前田吟  下條正巳  三崎千恵子  江藤潤 
  • 松竹
4.09
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105058576

感想・レビュー・書評

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  • リリィがここまで落ちぶれて出てこなきゃいけないなんてあんまりだなぁと思った。
    寅さんの意気地のなさにがっかりして寅さんのことを嫌いになってしまった。
    ここまで女にさせておいて応えられない人ならば、もう一生誰とも真面目に向き合えないよ。
    誰とでも仲良くなれるけど、誰も本当の姿は知らない。
    そんな人生、悲しくないのかね?

  • リマスター版(第49作)と合わせれば5回位は観直しているが、何故か一度も感想を書いていなかったので…

    テキヤも旅芸人も時代にそぐわなくなったという哀愁が裏テーマだと感じた。
    戦争のことは語れない山田作品でも、戦闘機の騒音などで、沖縄の置かれた複雑な状況を絵にしているのは興味深い。
    地元のタカシ青年も良い味が出ていた。

    リリーのしおらしい所も垣間見せるが、タカシには「あの男…」と冷めた言い方をしているのが気になる(個人的にはアレは要らない)。
    ただリリーが健康になった後、寅さんが若い娘にちょっかいを掛け始めるのも蛇足な気がした。
    もっと二人の恋物語を中心にしても良かったかなと思う。

    最期の寅さんの、さり気ない告白に対するリリーの返句は前回のお返しなので異論はない。異論はないが、もう少し違う形がなかったものかと…

    いずれにしても、これで寅さんが結婚するとすればリリーしかいないこととなり、後続の作品は益々ぼやけてしまう羽目に…

    ぶっちゃけた意見を言えば、個人的にはこの辺で幕を閉じていても良かったのかな…

  • ・オープニング曲中に冷たい川に足をつけてはしゃぐ寅さんがなんだか可愛い。
    ・高いところが怖いから飛行機には乗りたくない。御前様に説得されて行くことにしたけれど、翌日空港の外で柱にしがみついてやっぱり行きたくないって屁理屈言って駄々をこねる寅に「ナンセンスだな」と言う博。
    ・戦闘機の轟音
    ・「夢なんか見ねぇでぐっすり寝ろよ」
    ・「リリー、俺と所帯持つか」に息を呑む。
    ・夢を見ていた。

  • 秀逸作としての呼び声高い本作はリリーこと浅丘ルリ子登場の三作目、舞台はまさかの離島沖縄。返還からまだ10年経っていない当時の町並みがフィルムに収められているわけで歴史資料としての価値も大きい。先日今村昌平監督作品「神々の深き欲望」(1968) を鑑賞していただけにこの返還前と返還後の沖縄地方を見比べることができたことに対しての感謝も新た。

    寅に啖呵を切れるマドンナとして貴重な存在のリリー、今回も名台詞があちらこちらに。やはり寅は人間としての優しさの機微はつかめても、おんなといういきものの機微はなかなかつかめない。ハイビスカスの鮮やかな原色とは対照的に切なさ満載の脚本、ちょっと大人向けバージョンに仕立てられている感あり。

    飛行機の下りは4作目とセットでみるとちょっと興ざめか(笑)

  •  寅さんの元に入院しているというリリーからの手紙が沖縄から届く。

     寅さんとリリーの関係性は特別なもので、それまでの寅さんを見てないとこの特殊性が伝わりづらいかもしれない。
     寅さんにとってリリーこそが真のヒロイン。この結ばれそうで結ばれない感じが何とも言えない。どこかで幸せを望み、どこかで幸せになることを拒んでいる。
     舞台が沖縄なんだけど、当時の沖縄は外国に近い非現実的な空間だったのだろうなぁ。。。
     寅さんは必ず最後に寅さんが旅先で誰かと再会して終わるんだけど、今回はマドンナのリリーと再会するのだ! この二人の特別で不思議な関係性は本当に良い。

     他のリリー作品と合わせて見ることが必須。 

  • 沖縄で療養中のリリーに会いに行く。つかの間の夫婦生活。全幅の愛情を寄せられるとびびってしまう寅。誰かの人気者でなく皆の人気者なのだ。ヒコーキが怖いと駄々をこねるとこ笑える。

  • 寅さんの子供っぽさが全開の作品。せっかくリリーがプロポーズしているのにちゃんとこたえないことにもどかしさを超えてイライラした。というか彼の異様なほどのカマトトぶりは作品を延命させるためなんだろうってことがわかって、わざとらしかった。なのに浮気はする。単なる現実逃避?
    古い沖縄の光景が見られたのは良かったが、期待が高かっただけにがっかり。

  • 全48作中の25作目ということでここから後半がスタート。奇しくもにマドンナはリリー(浅丘ルリ子)。忘れがたい作品になりました。

    憎まれ口を叩き合いながらも相性の良さを隠せない2人のやりとりは相変わらず絶品。15作目の「寅次郎相合傘」でリリーが「結婚してもいい」と言ったときが寅さんの恋愛成就に最も近付いた瞬間だと思ったわけですが、今回はさらに決定的な瞬間が。

    リリーが「私たちが夫婦だったら・・」の言葉に、寅さんは「お互い所帯を持つ柄かよ」と混ぜ返してしまう。その後、「俺と所帯を持つか」という寅さんの一世一代のセリフにも、やはりリリーは冗談として聞き流してしまう。似た者同士の2人の心はのやはり最後の最後ですれ違ってしまう。

    「私たち夢を見てたのよ、あんまり暑いからさ」というリリーのセリフが胸を打ちます。リリーが病気になったと聞いて沖縄まで飛んで行ってしまう寅さん。そしてのんびりした沖縄で夫婦同然の暮らしを始める2人。ほんとに夢のように幸福な時間です。夢を見ていたのは2人だけではなく、映画を見ている私たちもそうなのです。

    ちなみに、2人が偶然再会するラストシーン、私は蛇足だと思います。この2人が結ばれないことは本作で決定的になったわけで、悲しすぎて、最後のシーンはなんの慰めにもならないのです。傷ついた寅さんを慰めるのは旅芸人一座の仕事だし(笑)

  • リリーさん3回目の登場。入院したリリーさんのためになれない飛行機で腰砕けになりながら沖縄まで迎えに行き、けんか分かれしたあとは、飛行機はこりごりであったため、船と電車で3日かけ飲まず食わずでとらやに帰宅していました。

  • 涙、涙。やはりリリーの回違うな。大人の恋というか、本当の運命の相手って感じがする。ただタイミングが合わないだけ。

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2012年に文化勲章を受章。

「2019年 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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