コントロール デラックス版 [DVD]

監督 : アントン・コービン 
出演 : サム・ライリー  サマンサ・モートン  アレクサンドラ・マリア・ララ 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.66
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4560242140903

感想・レビュー・書評

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  • 見たのは、たぶんゴールデンウィークくらいだったと思う。


    なんとなく、バンドがイアン・カーティスの命を奪った、ととれるように描いていると感じたんだけれど、
    なるほど。奥さんの本が原作なんだ。
    そのデビーが「わたしには(ロックスターではなく)たんなる旦那にすぎない」みたいなことを言うシーンがあったけど、まさにそういうことなんだろう。

    ていうか、ライブの度、あそこまで観客から「ワーキャー」騒がれ仰がれていたら、万能感と自己肥大、あとウケることを維持しなきゃならないプレッシャーでおかしくなるのが普通だと思う。
    一方、奥さんのデビーとしては、イアン・カーティスに家庭の中で旦那としての役割を求めるのは当然なわけで、アニークが現れなかったとしても、ロックスターになってしまったイアン・カーティスとデビーの結婚が破綻するのは時間の問題だったんじゃないだろうか。

    映画では、イアン・カーティスはアニークに心がいっちゃってからも、デビーに誠実に向き合っていたように描かれているが。実際の家庭での二人の関係は、彼がそれなりに成功してからはかなり刺々しいものだったのではないだろうか?
    そういう意味で、デビーはこの映画の原作を、イアン・カーティスとの結婚生活を昇華させて書くことで、
    自分への癒しとしたんじゃないかなーという気がするかな。

    面白かったのは、アニークが最初の頃は(ビジュアル的に)すごく魅力的に見えるのに。
    彼女の気持ちがイアン・カーティスに向かうにしたがって、その(ビジュアル的な)魅力が失せていくように見えるところ。
    あれは、そういう演出なのか、それともそう感じるだけなのか。そこはよくわからない。

    イアン・カーティスという人は、才能はあるのは間違いんだろうけど、ロックスターには不向きな人だったんだろう。
    残ったメンバーがロックバンドとして成功しているのをみても、そんな気がする。
    そういう意味では、この映画はニューオーダーが世界的なバンドになったからこそ作られたと言えるのだろうが。でも、もし、イアン・カーティスがバンドに加入していなかったとしたら、はたして、残りのメンバーはニューオーダーとして成功していたんだろうか?
    なんて考えてみるのも面白い。

    ていうか、今の日本の「失われた20年」のようなあの時代のイギリスだったからこそ、イアン・カーティスはロックを始めたんであって。今のイギリスに生まれていたら、普通にサラリーマンやって、幸せな家庭を築いていた、そういう人なんじゃないのかなーという気がする。
    ていうか。
    じゃぁブリットポップ全盛のあの90年代に、イアン・カーティスがロックバンドやってたら、どんな音楽をつくってたんだろう?
    まぁ、やっぱり、普通にブリットポップをやってたんだろうなぁーw

  • CONTROL
    2007年 イギリス+アメリカ 119分
    監督:アントン・コービン
    原作:デボラ・カーティス『タッチング・フロム・ア・ディスタンス イアン・カーティスとジョイ・ディヴィジョン』
    出演:サム・ライリー/サマンサ・モートン/アレクサンドラ・マリア・ララ

    マンチェスターで生まれ育ったイアン・カーティス(サム・ライリー)は、デヴィッド・ボウイやルー・リードのポスターを部屋に貼ってるロック少年。ピストルズのライブを見た後、友人たちのバンドに加入。やがて19歳でガールフレンドのデボラ(サマンサ・モートン)と結婚。バンド活動が多忙になるにつれ働いていた障害者のための職業安定所を辞めて音楽に専念するが、彼自身もてんかん発作を発症。デボラには子供が生まれるが、イアンはベルギー大使館で働くアニーク(アレクサンドラ・マリア・ララ)という女性と恋に落ち…。

    1980年5月18日、23歳で自ら命を絶った、ジョイ・ディヴィジョンのボーカリスト、イアン・カーティスの伝記映画。どうせならと思い、命日の5/18に観賞。監督は、Joy Division「Atmosphere」のMV(https://www.youtube.com/watch?v=1EdUjlawLJM)も撮ったアントン・コービン。一応原作があり、イアンの奥さんデボラが書いた伝記がベースになってるらしい。そのせいか、二人の恋愛&痴話げんかエピソードが多く、イアン自身の音楽性についての背景はあまり見えてこなかった印象。

    個人的にジョイ・ディヴィジョンは、さすがにリアルタイムでは聞いていないけれど、90年代に英国バンドにはまっていた頃に、遡ってアルバムは全部聞いた(といってもセカンドアルバムレコーディング後にイアンが自殺、オリジナルアルバムは2枚だけ、あとはシングルのコンピレーション)。ものすごく思い入れがあるわけではないけれど、ニューオーダーよりはジョイ・ディヴィジョンのほうが陰鬱で好きだ。

    イアンを演じたサム・ライリーは元々の顔立ちもイアンに似ていて、かなり良い感じ。エンドロール凝視した限りでは、ライブシーンはすべて本人歌唱だったようだ。低音ヴォイスでそこもイアンぽくて良かった。個人的には普通に現代人を演じているサム・ライリーを初めて見たので新鮮。『高慢と偏見とゾンビ』のダーシー役とか、『ビザンチウム』の吸血鬼役とか、時代がかったコスチュームの彼しか見たことがなかったので(笑)(余談ですが最新作は『レベッカ』リメイクのジャック・ファヴェル役で、いかにも似合いそう)他のメンバーも、実在のメンバーに似た人選んであったかも。参考:若い頃のライブ映像「Transmission」(https://www.youtube.com/watch?v=6dBt3mJtgJc

    さて肝心の作品自体ですが、モノトーンの映像はとても雰囲気があり良かったものの(ジョイ・ディヴィジョンというバンド自体がモノトーンのイメージ)、先にも少し書いたように、有名なエピソードの羅列=ダイジェスト再現映像のような感じで、イアン自身の内面や背景の掘り下げは少し物足りなかったように思いました。かといってデボラとの恋愛メインで見るには、あまりにも浮気男のイアンが悪役ですし。

    個人的にはこの映画のデボラにあまり魅力を感じず…。もともとは友だちのガールフレンドだったのが、イアンと出会ってそっちに乗り換え、そもそもイアンが彼女のどこに惹かれたのがあまりピンと来ず。若くして結婚、やがて出産、それなのに夫はバンドにかまけて家に帰って来ない。しかも外で美人の愛人とよろしくやっている。バレて反省しても、愛人と切れないイアンはほんと最悪のクソ夫なんだけど、デボラに魅力がないせいで、なんだか複雑な気持ちに。とはいえ結局、デボラよりアニークが好きだったかというとそういうわけでもなく、つまり立場として生活感溢れる妻より、しがらみのない愛人といるほうが楽なだけだったんだろう。

    バンド加入のくだりは結構あっさりしていて、彼の書く独特の歌詞の背景などもうちょい掘り下げてほしかったかも。バンド名もすぐにジョイ・ディヴィジョンになっていて、元々のバンド名「ワルシャワ」のエピソードはなかったけれど、由来になったデヴィッド・ボウイの曲がちゃんと使われていたのは流石。作中で使われている楽曲はほとんど同時代、彼らに影響を与えたバンドのもの。ボウイ、ヴェルベットアンダーグラウンド、ロキシー・ミュージック、ピストルズ、クラフトワーク、そしてイアンが死の直前まで聞いていたイギー・ポップ。ちなみにインスト曲はニュー・オーダーの書き下ろしとなっており胸アツ。

    バンドは、ファクトリー・レコードのトニー・ウィルソンに見いだされ、どんどんステップアップしていくが、イアン自身は、妻と愛人の狭間で葛藤(これは自業自得)、てんかん発作による死への恐怖、薬の副作用などで、どんどん鬱に。セカンドアルバムのレコーディングを終え、全米ツアーを控えた直前に、ついに…。

    作中で使われている楽曲は同時代のものだけれど、エンドロール最後に流れる曲だけは、The Killersによる「Shadowplay」のカバー(https://www.youtube.com/watch?v=wrbKvxGgFfg)で、この映画のための録音とのこと。個人的にはいっそニュー・オーダーの『ブルー・マンデー』でも良かったんじゃないかと思うけど、キラーズのバンド名は、ニュー・オーダーの『クリスタル』MVに登場する架空バンドの名前を拝借しているらしいので、つまりジョイ・ディヴィジョンの遺伝子は今も引き継がれているよ、という前向きなメッセージなのでしょう。

    イアン・カーティスは、死の直前にイギー・ポップの『イディオット』を聞き、カート・コヴァーンはR.E.M.の『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』を聞いていた。自分だったら何を聞きながら死にたいかなあ、と、ふと考えてみる。やっぱりレディオヘッドかなあ。最後の瞬間に「Motion Picture Soundtrack」を聞いていたいので、『キッドA』にしようかな。(※当分その予定はありません)

  • JOY DIVISIONを愛しているからとかではなくて、純粋に映画としてとても素晴らしい作品だった。彼らの伝記としても観れるし、青春映画としても観れるのが良い。※『24 Hour Party People』も面白いが、扱っているものは一緒でも、作品の根本が全然違う。

    全編モノクロなんだけど、モノクロの光と影のコントラストが、JOY DIVISIONが成功を重ねる度にイアンの苦悩が増す反比例に合っていて、とても良い。カメラワークもこれまた良くて、イアンの背中を追う長回しがあれば、テンポの良い切り返しもあったり、イアンの不安定さだったりJOY DIVISIONというバンドが駆け抜けた疾走感が伝わってきた。ファンが喜ぶように音楽を無駄に使うわけでもなく、選曲やタイミングが良いのはもちろん、音楽のオンオフの切り替えも良い。決してファン向けのプロモーションではなくて、あくまでひとつの映画として制作している。

    そして、もちろんある程度の脚色や美化はあるが、キャスト、スタッフ共にJOY DIVISIONへの愛を感じることができるのが、何より素晴らしいのではないかと思う。それにしても俳優さんたちが実際のJOY DIVISIONに似過ぎ。そしてトニー・ウィルソンも!

    • GMNTさん
      『ウォリアーズ』といいこれといい、
      「うおーそんなのあんのか!観てぇええ!!」となりましたよ(笑)。

      ところでちょっとお訊きしたいんですけ...
      『ウォリアーズ』といいこれといい、
      「うおーそんなのあんのか!観てぇええ!!」となりましたよ(笑)。

      ところでちょっとお訊きしたいんですけど、
      ジョイディヴィジョンは1st.と2nd.どっちがお好きですか?
      (この時期のイギリスのバンドだったら、シングル集も入れた方がいいのかもですけど・・・)
      2013/05/14
    • やけっぱちさん
      高校のときは2ndしか持ってなくて、ずっと2ndこそJoy Divisionだと思ってたんですが、1stを手に入れてからは、1stのほうが聴...
      高校のときは2ndしか持ってなくて、ずっと2ndこそJoy Divisionだと思ってたんですが、1stを手に入れてからは、1stのほうが聴いてます。どちらが好きというのはあんましないかもです。

      是非『コントロール』観てみてください。『ウォリアーズ』もオープニングで心掴まれるはず!笑
      2013/05/15
    • GMNTさん
      ありがとうございます。変な質問しちゃって申し訳ない。
      書いた後に「ファンだったらどっちも好きって言うよな~失敗したな~・・・」と思って
      軽く...
      ありがとうございます。変な質問しちゃって申し訳ない。
      書いた後に「ファンだったらどっちも好きって言うよな~失敗したな~・・・」と思って
      軽く後悔してました。

      実は以前、2nd.(ライブ盤がついてるやつ)を買ったんですが、あまりグッとこなくって。
      それからちょっと聴かず嫌いになってました。
      友達にも訊いてみたら「俺は1st.の方が好き」と言われたので、
      ファンの方にも訊いてみる良い機会だなと思って。
      ちゃんと1st.も聴いてみますね!ありがとう!
      2013/05/17
  • ボックス版のTシャツの微妙さと、ボックス自体のデザインもパンフレットと似た感じだということで、結局こちらを購入。

    とにかく1カットごとの映像の構図が美しい。サム・ライリーの声は映画館で観た時よりも厚みがない気がしたのは、自宅のしょぼいスピーカーのせいか?
    映像特典のライブシーン完全版は嬉しい。演奏のへたくそさも再現されている(あ?)辺りがナイスです。
    メンバーのキャラクターもいい感じ…特にフッキー。

    あと、Alexandra Maria Laraが超ステキ。あれは惚れるわ。

    恋愛方面に物語が重視されているものの、個人的には唐突にやってくるIan Curtisのバンド自体に対する危機感や恐れは違和感なかったのですが…。

    少年のように無垢な心と、それに反動するかのように湧き上がってくる大人の心に抗っていく中で、彼の中での全てのものが崩壊していくまでの焦燥感や自己嫌悪、後悔、不安、絶望といったものをSam Rileyが本当に見事に魅せてくれています。
    うー、やっぱりラスト直前のIggy Popのレコードに針をかける辺りからドキドキしてしまう…そして「atomosphere」でこの映画は幕を閉じる。
    彼の心、意識、全てを詰め込んだような歌詞と共に。

    …と思ったらスタッフロールで流れてくるThe killersでガクっときたのは私だけでしょうか?「atomosphere」のまま終わってくれればよかったのに…。

  • ジョイ・ディビジョンには興味ないけど、ニュー・オーダーの前史を勉強しようかなと思って見たのですが、ジョイ・ディビジョンのライブシーンが凄くカッコよかったのが新鮮でした。無機質で陰鬱なサウンドがモノクロ映像にマッチしていました。ニュー・オーダーもそうなんですが、やはりピーター・フックのベースラインにカッコよさは際立ってますね。

    イアン・カーティスが持病(癲癇とは!)や不倫(これは同情余地なし)など様々な事情を抱えて23歳で自殺したことは痛ましいです。彼が自殺した月曜日のことを歌ったのが、「ブルー・マンデー」だったのですね。

    ともあれ、やはり一番驚くべきなのは、残されたメンバーがジョイ・ディビジョンを上回る世界的なバンドになったことですよねぇ(ニュー・オーダーの感想ばかりですみません)

  • サム・ライリー演じるイアン・カーティスのパフォーマンスシーンが本人そっくり!暗いといえば暗い話だけど、やっぱり作中でここぞと流れるジョイ・ディビジョンの曲群が全て良いので、観終わったあと充実した気持ちになれる。

  • ジョイ・ディヴィジョンは私がザ・キュアー、エコー&ザ・バニーメン、ザ・スミス、R.E.M.、ドゥルッティ・コラムと同時に一番ハマって聴いていたバンドでした。知った頃にはすでにメンバーはニューオーダーで活動しており、パーフェクト・キッスがMTVでよく流れていました。ピーター・フックのベースプレイが、それまで私の考えていたロックのベースギタープレイの印象とは違うプレイスタイルで、ギターより目立つ個性的なもので、すぐに虜になりました。ロックに詳しい友人が「アンノウン・プレジャーズ」と「アトモスフィア」の12インチシングルを所持しており、録音してもらい、すっかりヘビーローテーションになっていました。イアンが首吊り自殺したエピソードもその友人から当時教わったのです。私がベースギターを買うきっかけになったベーシストがフッキーだといっても過言ではありません。それから長い月日が流れ、まさかこんなマイナーなバンドのエピソードが映画になるなんて予想もしていませんでした。映画を観るまで私はイアンが本当に癲癇で苦しんでいるとは知りませんでした。ドキュメンタリーではないので脚色もあるのでしょうが、パンク系のパフォーマンスでは特殊なダンスをしたり、倒れたフリをしたり、わざとステージに出てこないようなことはわりとあることだからです。(海外のアーティストは治療薬ではない違法な薬物を摂取していると人も多いと聞きます)癲癇ではない人でもトーキングヘッズのデビット・バーンも特殊なダンスをしますし、イギーポップなども激しいアクションをするのを見たことがあります。もし故意にやっているとすれば団体から抗議されるようなこともありえると思うのです。田舎の地方都市からアメリカの都会で有名になるにしたがい様々なプレッシャーをマスコミから受けるということはよくあることです。時代も保守的な時代ですからドアーズがエドサリバンショーで歌詞を変えさせられたりしたようなことが日常の時代です。ロックはお行儀の良いものではありませんから厳格な宗教団体などから厳しく糾弾されることも稀なことではありません。表沙汰に出来ないことはかなりあるのではないでしょうか。映画ですから美談にしたり単純化したりする部分はあると思います。ただ言えることはイアンはセックス・ピストルズなどの反社会的パンクロックを聴いていた人だということです。マスコミ、宗教、田舎では通用したことが都会では厳しい目に晒される。こんな部分を想像してしまうのは私だけでしょうか。目立つ者へのマスコミのバッシングは今でもまったく変わりませんから想像はできると思います。映画のように不倫で苦しんだ末と素直に受け取れないのは私が屈折しているからでしょうか。他の早死にしているミュージシャンたちを見ても俄かには信じられないんですよね。ジョイ・ディヴィジョン。私は今でも聴くバンドです。

  • ■ヘビーな映画だったが観てよかった。

    ■Joy Divisionというバンドではなく、またそのボーカリストでもなく、ひとりの人間としてのイアン・カーティスを描いた映画だった。当たり前なのだが、映画が始まってしばらくしてから改めてそのことに気づいた。Joy Divisionというバンドを期待して見に行くとちょっと違うかも。

    ■バンドが大きくなりすぎてしまったことよりも、妻デビーと恋人アニークとの間で苦悩する姿がメインに描かれていたのは、デビーが書いた本?がベースになっているからだろうか。バンドのことも描かれてはいたが、その部分での苦悩は描かれ方としては薄かったように思う。

    ■イアンがデビーに「たぶんもう愛していない」と告げたところでlove will tears apartがかかる。イントロが流れた瞬間、ぞくっとした。

    ■アントン・コービン監督。写真家だけあってスティルっぽいシーンは構図が決まっていてカッコイイ。映像はフィルムのざらっとした粗めの粒子が目立ちコントラストも高め。デジタルではこういう味は出ないよなあ。

    ■サム・ライリー演じるイアンはよく似ていてライブのシーンなどもyoutubeで見ていた映像とほぼ同じ。よく再現されていたけど、この映画の場合、そこはあまり関係ない。

    ■こういう映画で危険なのは、観た後でそのアーティストの作品に接した時に映画のイメージが強く出すぎてしまうこと。でもこの映画の場合はそれがプラスに働いていくのではないか。

    ■映画としての出来がどうだかは正直よくわからない。ただ、観ていてつらくなるシーンもいくつもあったし、こうして感想をメモしておこうと思わせるだけ印象深かった。今後は歌詞もちゃんと見て聴いてみようと思う。

    ■作品と作者は別物であり切り離して考えるべき、という持論は変わらないが、とはいえこういう映画を見るとやはり作品が生み出される背景、人間としての作者というのは重要であるというのもよくわかる。

    ■アニーク役のアレクサンドラ・マリア・ララの笑顔がとても魅力的。と思って公式サイトを見てみたらそうでもない。これもAコービンマジックか?日本人で同じような笑顔をした人がいると思うのだが誰だか思い出せない。

    ■精薄者の職業あっせん所に勤めるイアン。しかしてんかん症の女性が死んでしまったことに自分の行く末を重ねてしまう。

    ■二人の女性の間で自分を引き裂いてしまったイアン。love will tear him apart。

    ■Joy Divisionやイアン・カーティス、アントン・コービンを知らない人がこの映画を見たらどう思うんだろうか?

    ■あれだと主たる原因はバンドではなく、ふたりの女性と病気ということになるけど、どうなんだろうか?

  • 見て損はない

  • 〜2015

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