王妃の紋章 デラックス版 [DVD]

監督 : チャン・イーモウ 
出演 : チョウ・ユンファ  コン・リー  ジェイ・チョウ  リウ・イェ  チン・ジュンジエ 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.21
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102545031

感想・レビュー・書評

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  • スタイリッシュすぎ。黄金、黒、後宮の女官など色で統一し数で魅せる、なんか今回は過剰さを感じ筋が上滑りしている感じがした。

    コン・リーは渡辺えりに似ている?ふとそう思ったりして。
    王様役がチョウ・ユンファで「ハード・ボイルド」1992から14年、丸い顔が少しこけていた。第一子王子役のリウ・イエという男優が三上博史に似ている。第二王子役のジェイ・チョウも誰か日本の俳優に似ている(けどなかなかよかった)けど名前が出ない・・細面のひげの感じ、イチローに似てませんか?

    原作は中国の作家・曹禺の代表作「雷雨」(1934発表)ということだが、「雷雨」は1922年の中国の資本家、周一家の物語らしいが、「紀元928年、唐滅亡後五代十国時代」と古代王朝の王一家の愛憎、という形にしてある。

    雷雨参照HP
    http://www.asahi-net.or.jp/~ir8h-st/tanbun_005.htm


    2006中国
    2018.11.22レンタル

  • 見て損はない

  • すばらしい乳の軍団。

  • 西暦928年、中国は五代十国の時代。
    城一面が菊の花に覆われ、豪奢な宴が催される重陽の節句の日に父への謀反を企てる。

    中国古代史は大好きなのですが、五代十国時代の映画を観るのは初めてでした。
    架空の国らしいですし、女性の衣装もちょっと唐の時代風?で史実に創造も絡めて楽しみたい・・・という欲望は果たされませんでしたが、チョウユンファの演技も素晴らしく。衣装も建築物も絢爛豪華でとても楽しめました。

    黄巣の乱に絡めて菊が大量に使われているのも中国王朝の栄枯盛衰を象徴していてよかったです。

  • ただひたすらに色彩が語る。
    複雑に絡み合う登場人物たちの思惑が、台詞でなく動きでなく、絶えず変わりゆく鮮やかな色によって表現される様は、まるで映画それ自体が一つの万華鏡のようだと思う。

    ただ、個人的に設定「盛り過ぎ」感は否めない。設定が「練られている」ではなく。
    そのせいで、リアルで迫力のあるセットの数々がおもちゃめいて見えてしまって残念だった。

  • 五代十国後唐時代。
    血のつながらない皇太子と不倫をしていた王妃を王が毒殺しようとする。
    皇太子は別の女官と親しくなり、自分が毒殺されようとしていると気がついた王妃は菊の刺繍に励み、菊花の宴の夜にクーデターを起こす。
    …けど、失敗。おわり。

    衣装や舞台が豪華絢爛な割には内容がかなり薄っぺらい。
    伏線も少なくて、映像と物語のバランスが悪すぎる。

    単に「中国は昔から人と金と文化がありますよ!」と言っているプロパガンタ映画のよう。
    王妃をはじめとする女官たちの胸をムダに強調した姿も風邪をひきそうで見苦しい。
    つまらない映画だった。

  • 前半は脚本がすごくよくて、登場人物の関係、ストーリー展開の伏線がしっかりと引かれ、これは!と期待して観た。
    でも中盤から崩れたな~。
    最後までいちおう面白く観たけど、それは、美術、衣装などが素晴らしいからだと思う。
    作品としては中庸な出来。
    チャン・イーモウはやっぱりコン・リーと組むのが一番だと再確認。
    もちろんコン・リーもそう。
    黒沢明と三船敏郎、小津安二郎と原節子のように、組むことによって最高の作品を作りだせる関係って確かにある。

  • あの「HER0」のチャン・イーモウ!と期待するとちょっと肩透かしかも。

    派手なアクションはクライマックスまで待たないとないし、そこに至るドロドロな宮廷劇はもはやシェークスピアの世界。金と赤と黒しかない映像にもクラクラして頭が痛くなりそう。

  • 一応大きなテーマの一つとして機能不全家族があるらしいけど、周りの諸々に気を取られて家族の映画としては全く見れなかった。かといって最初は権謀術数の宮廷映画なのかと思いきや変なアクションでお茶濁すし。
    自分はどうも中国映画のワイヤーアクションやら中途半端なCGがどうも苦手らしくそこで余計に入り込めなかった。
    父親の存在も結局超えるべきもの、とか自分なりに噛み砕いて受け入れてくみたいなものもなくてただただ圧倒的で乗り越えられない力でそこから何か変わるでもない。このキャラの役割って?

    後半とんでもねースケール感でアクション見せたのに最後は王妃の飛ばした薬の茶碗が天円地方の紋章を錆びつかせて終わり。なんで段々スケール広げて突拍子もなく家族の関係性に落ち着く。

    ただスケールの大きさは流石中国というか。映画内でありながら圧倒的人員で一瞬にして建物の装飾を塗り替えていくのはある意味物語の中と舞台美術の裏側が渾然一体になってる感があって面白かった。あとは流れた血も洗い流し上から蓋をして隠してしまうみたいな歴史的なものの暗喩でもあるのかな?

    美術はとんでもなく美しいのでそれだけでも見る価値はあると思う。

  • 満城尽帯黄金甲

    中国映画を見て、鞏俐(Gong Li)が、好きになった。
    張芸謀(Zhang Yimou)の色彩の鮮やかさに
    映画って・・・こういうものなんだ・・・と驚きました。

    『満城尽帯黄金甲』は、・・・
    時代劇を、スペクタルとしてしまったのは・・
    いつからなのだろうか?
    黒澤監督の『影武者』や『乱』にみられる・・・
    戦闘シーンが、影響したのかもしれない。

    コンピュータグラフィクスなのか
    実際に中国の人の多さを活用して作ったのか分からないが、
    ハリウッド的手法といわれても仕方がない。
    香港映画とハリウッド映画をミックスさせた手法は、
    中国で独特に発展しているのかもしれない。
    張芸謀は、『英雄』から 少し路線を変えているのかな?
    お金が集まるようになって・・・
    絢爛豪華 という映画に 巨匠願望が、重なっているのかもしれない
    それとも、オリンピックの開会式の総監督を
    勤めるので、それの練習をしているのだろうか。

    張芸謀は、丹念に人間を描くのがうまい監督なので
    もったいないというべきか・・・。
    何か、楽しめるが、残念というほかない。

    その中で、やはり鞏俐は、光り輝いていた。
    あれだけの表情の変化を演じるとは・・・
    この映画は、鞏俐なくしては成り立たない映画だったのかもしれない。
    そのための、コンビ復活かな。

    周杰倫(元超)の精悍な武将の活劇は、目を見張るものがあり・・
    周潤発(大王)のどっしりとした演技は・・優れていた。
    劉(元祥)は、『山の郵便配達人』にでていた・・・。

    満城尽帯黄金甲

    張芸謀を色彩の天才だと思ったのは・・
    どの映画のときだったろうか・・
    紅の色がイメージとしては浮かぶので、
    紅いコーリャンを見たときだろうか?
    何か、色の究極を極めようとしたのか。
    この色を使うために、
    唐代という時代を選んだのかもしれない。

    今回の 満城尽帯黄金甲 は、まさに 金色 が躍動していた。
    金色は、東洋人好みなのだろうか・・
    豊臣秀吉の 金好みに似ていて、

    『金色』の世界は・・・
    よくみると 『黄色』の世界でもあり・・
    それは、ゴッホの筆遣いさえ感じさせる。

    しかし、張芸謀は、金色だけで満足せず・・
    金色に流れ落ちる血の色を描いてみせる・・
    金色と赤がマッチするとは・・・想いもよらない効果。
    私は、金色と相性がいいのは、黒だと思っていたが・・・

    鞏俐の口紅の紅さに・・・
    金色が混じり・・・妖艶な女王を演じる。
    鞏俐のよさは、あの唇にあったのかもしれない。

    金色の衣装を全身にまとっても・・・
    それに負けない 存在感があるのは アッパレというしかない。

    金色がこれだけ多用されると・・
    それは、バブル全盛期のようで・・
    いまの中国の時代背景によく似た感じがあり・・
    中国人たちは、単純に 拍手喝さいしたことだろう。

    中国のよさは、そういうところにないはずなのであるが・・
    張芸謀も、趣味が悪くなった・・というべきか。

    張芸謀の作るものは、『動く絵画』だと思った。
    満城尽帯黄金甲 は、絵画としてみていると・・・
    丹念な部分の積み重ねによる全体を顕そうとしているようだ。
    ハリウッドのコンピュータグラフィクスは、
    全体の中の部分が、積み重なっているような感じ。

    張芸謀のもつ優れた色彩感覚が、
    全体的なバランスを作り出すことに苦心しているのだろう。

    物語は、中国的なドラマではあっても・・・
    起源的には、ギリシャの悲劇に通じる。

    大王の息子に 息子以上の愛情を感じる継母
    その継母である皇后をゆっくりと毒殺しようとする大王
    継母の息子が大王を倒そうとする・・

    ある意味では、下克上のような・・・
    権力に執着する人々・・・・

    そこで繰り広げられる絵巻・・・・
    重陽の節にむけて・・・
    庭一面に咲き乱れる黄色い菊の花・・。

    映画は、あらすじではなく、
    その画像の美しさにあるということを語る人は・・
    少なくなったのかもしれない。

    東洋人にとっての『美』への追求・・・
    それは、金への憧れを演出することなのだろう。

    西洋人は、金ではなく、
    ダイヤモンドが、その象徴的美となっているような気がする。
    それとも、もっとメタリックな美的感覚。

    『満城尽帯黄金甲』という題名は、
    そのまんまの気がして・・・その題名がすべてなのかもしれない。
    金が優れているのは、腐食しない・・・
    ということに尽きるのかもしれない。

    鉄はさびる・・・運命にあるのに
    金は、さびることない永遠をあらわす・・・。

    エジプトの時代では、
    金は太陽の色としてあがめられていた・・

    人類が、金に出会って、6000年ほどの歴史で・・
    それまでに、
    人類が掘り出した金は 14万トン。
    これから掘り出すことが可能なのは・・
    6万トンといわれている。

    金は、限られた資源にほかならない・・・

    さびることのない永遠の流れのなかで、
    小さな欲望にふりまわされるされる人間たち。
    その営みは、繰り返され、
    人間が生きている限り、その小さな欲望の中にある。

    さびない金と果てない人間の営み
    永遠とは、繰り返され続けることかもしれない。

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