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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988104049056
感想・レビュー・書評
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戦争の物語に、月並みな感想を書くと、白々しいというか、ウソっぽつなってしまうようで難しい。でもやはり、何か書かずにはいられない。本作のような作品は特に。
やはり、フランキー堺さんの演技が光る。テレビの方があとかと思っていたが、映画の方があとだった。当時としては珍しかったんじゃないか。
最初の場面の、召集されて入隊する知り合いを見送る時の"気軽さ"は、いざ自分の番が来ることを、これっぽっちも想像できない"浅はかさ"が際立つけど、これは当時の日本人の大多数が持っていたであろう、戦争への意味の捉え方だったんだろうと感じる。今だって、知らない世代が圧倒的に増えてゆくなかで、そんな危険性は十分にある。
"覚悟"を決めて処刑されてゆく人と違って(それだって、やるせないのは同じだけど)、希望とか夢とかを持たせながら、なんの因果か、"そうなってしまった"主人公にかける言葉が見つからない。ただ、これが戦争の実相なのだ。だから、最初の場面の"呑気さ"は重要なのだと思う。そのギャップは人間の矛盾なのだ。
これこそ月並みだけど、「私は貝になりたい」と追い詰められたこころの叫びを、ずっと響かせ続けなければならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022/03/31
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フランキー堺演じる清水は高知で床屋を営み、妻と子供の3人で細々と暮らしている。ある日赤紙で戦争に召集される。中年の鈍臭い清水二等兵は上官に米兵の捕虜殺害を命じられる。上官の命令は天皇の命令で、絶対である。戦後、床屋へ戻りまた家族と暮らすが、突然逮捕され裁判にかけられる。死刑判決を受けるも、なかなか実行されず楽観論が流れ始めるが──。
有名なタイトルは刑執行の直前に家族に宛てた遺書の一文だ。戦犯ゆえ家族には遺骨も安置場所も伝えられないという死を前に、必死で書くその姿は胸を打つ。軍隊という組織の理不尽さを浮き彫りにし、犠牲になるのはいつも一般の市民だということを改めて教えてくれる。 -
反戦映画の傑作にして、鬱映画の日本代表。
大昔に一度見たことはあって、ストーリーも覚えています。上司の理不尽な命令に従っただけでBC級戦犯として死刑になってしまう男の悲劇。庶民である彼のささやかな日常が描かれた後の展開に、こんな悲劇が起きてよいのか、という無力に苛まれます。上の者は責任をとらず、常に罰せられるのは下の者ばかちmり。そのことを詫びて死んでいった、佐分利信演じる元中将は、辛うじて日本人の良心を感じさせますが、それで主人公が救われるわけではない。無念すぎる。
彼を裁いたのは戦勝国のアメリカであり、日本人が全くいない法廷でまともな弁護も受けられないという状況にも驚き。これが東京裁判か…。 -
最初に観た所ジョージ主演版には子供心に衝撃を受けた記憶がある。
オリジナルも良かった。 -
高知などを舞台とした作品です。
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