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感想・レビュー・書評
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2021.7.3市立図書館(1巻)
とある高校、病気治療のため一留して1-Dに転入してきた春太郎とクラスメイトたち(個性派からごく平凡な子まで)、家族、先生との関係を描いた作品。
人懐こく正義感のある春太郎が起こすさざなみと周りの人々の気持ちがていねいに描き出されているのがいい。フラワーオブライフ=生涯の最盛期、とのこと。青春まっ盛りの酸いも甘いも悩みもてんこ盛りな感じ。まずは夏休みまで。三國がいい。真島が一貫してへんだけど、こういうタイプはたしかにいそう。
2021.7.11市立図書館(2巻)
1-Aの武田隅子登場でがぜんおもしろく。ひょんなことから彼女の落書き漫画に1-Dのみんなが夢中になる話からはじまり、夏休み明けの定期テストを経て、秋の文化祭はその漫画を元にしたクラス劇上映へとお話が動いていくのが楽しい。春太郎と三國の共作漫画が完成するのもうれしい。真島、恐ろしい子(ときにやや浅はかだけど)。春太郎の姉のさくらが家に引きこもり気味なのが意味深、気になる。
2021.7.17市立図書館(3巻)
一学期の緊張がほぐれていろいろな形で友情が深まっていく秋からクリスマス。春太郎のエピソードを軸にしつつ、さまざまな子の物語が楽しめる群像劇風。クラスは別ながら漫画つながりですっかり1−Dに入り浸りの武田のすみちゃんのかわいさよ。真島とシゲ(と小柳)もどうなることやら。
2021.7.25市立図書館(4巻)
1−Dの1年が終わり、新学期クラス替え発表の場面で完結。漫画家を目指す春太郎と翔太のその後をはじめみんなの2年生以降も見てみたいのに…という物足りなさもありつつ、でもそれぞれのキャラが自分の脳内で勝手に動き出して続きを想像して楽しめそうだからそれでいいかもという晴れ晴れとした気持ちが混ざったような気持ち。1年間でちょっぴり大人になったふつうの高校生たちがみんないとしい。春太郎の物語だけれど、周りの人それぞれの成長や気持ちもていねいに描かれた群像劇になっているがよかった。
だれにもある裏表や本音と建前、やさしい嘘や相手への気づかいゆえのみこむ言葉が伝わったり伝わらなかったり、自分ではちゃんとしまっておいたはずなのに思いもかけないときに思いもかけない形で感情が爆発してしまったり、そういうことを考え悩みながら経験しながら、ひとはおとなになっていくのかなあ。
*1巻ずつの登録がみつからないため、とりあえず4巻セットを登録。
いずれ文庫版で手元に置きたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示