サスペリア・テルザ 最後の魔女 [DVD]

監督 : ダリオ・アルジェント 
出演 : アーシア・アルジェント  ダリア・ニコロディ  ウド・キアー  モラン・アティアス  イチカワ・ジュン 
  • ABSORD MUSIC JAPAN(K)(D)
2.64
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本棚登録 : 58
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003996055

感想・レビュー・書評

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  • アルジェントでなおかつサスペリアといわれれば期待しないわけにはいかないが期待していなかった。
    期待せずに正解。
    色彩やゴアの美学もへったくれもない、ただの三流映画だった。

    とはいえくだらないなりに笑いどころ多し。
    「冥土へいきな!」のゴス女も、「もう会えないわ」と言いながら何度も出てくるお母さんも。
    (アルジェント一家仲直り映画)

  • LA TERZA MADRE/MOTHER OF TEARS
    2007年 イタリア 101分
    監督:ダリオ・アルジェント
    出演:アーシア・アルジェント/クリスティアン・ソリメーノ/アダム・ジェームズ/ウド・キア

    とある教会の墓地の工事中、古い棺と遺品箱が発掘される。司祭は棺に記された記号などからそれを魔術に関わるものと判断、専門家である古代博物館の館長マイケル(アダム・ジェームズ)に遺品箱を送る。数日後、ローマの古代博物館では、絵画修復師のサラ(アーシア・アルジェント)と、副館長のジゼルが残業中。館長あてに荷物=例の遺品箱が届いたが館長不在のため、二人はそれを開封する。中から出てきたのは古い土偶や短剣、そして赤い衣装。やがてサラが席を外した隙に、突如怪物のようなものが現れジゼルを惨殺。怪物の手下である猿からサラは逃げ回り、謎の声に導かれてなんとか脱出する。警察で事情聴取を受けるが、怪物のことなど信じてもらえず、マルキ刑事(クリスティアン・ソリメーノ)はサラをマークする。

    恋人である館長マイケルが警察まで迎えに来てくれて彼の家に行くサラ。翌日、マイケルは事件を調べるため、遺品箱の送り主である司祭を訪ねるが、司祭はすでに脳卒中で倒れていた。司祭の助手から、遺品箱について調べたことをマイケルは聞かされる。1815年に死んだ棺の人物もかつてこの遺品箱を発見し、教皇庁へ届けに行こうとするが次々災厄に見舞われついに旅の途次で命尽き、この教会に謎の遺品箱ともども埋葬されたらしい。司祭はこれらを、太古の三人の魔女の一人「涙の母」の遺品と見ていた。しかし調査中のマイケルを怪しい女たちが付け回しており、さらに帰宅すると息子が誘拐されており、ベッドには血文字で脅迫のメッセージが…。そしてローマでは、人々が荒れ、あちこちで自殺者や暴力事件が発生し…。

    ダリオ・アルジェントの魔女三部作(サスペリア、インフェルノ、そして本作)の完結編。トマス・ド・クインシーの『深き淵よりの嘆息』(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/4003226720)に登場する三人の悲しみの貴婦人(※クインシーは魔女とは書いていない。そしてラテン語のMater:マーテルが、翻訳では貴婦人とされていたが、本来は「母」の意味らしいので、三人の悲しみの母)Mater Suspiriorum(嘆息の母)=サスペリア、Mater Tenebrarum(暗黒の母)=インフェルノ、Mater Lachrimarum(涙の母)=本作、が、それぞれの作品にラスボスの魔女として登場する。ちなみに私はサスペリアはリメイク版(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/B07Q2VB4MS)しか見ていないのだけど、とりあえずアマプラで無料で見れるのが本作だけだたので、こちらを視聴。

    主演はお馴染み監督の娘アーシア・アルジェントで、その亡き母エリザ役をなんと実母(つまり監督の元妻)であるダリア・ニコロディが演じており、アーシア演じるサラが幼い頃の家族写真を眺めて涙するシーンで使われている写真は実際のもの、つまり写真に写っていた父親は監督なわけですね。

    さて本作、冒頭ジゼルの殺害シーンが大変残酷で度肝を抜かれます。技術的にそんなにリアルにしてないから、単に悪趣味なだけですが、その後も惨殺シーンが無駄にエグイのでその点は要注意。しかし恐怖演出としては、もっぱらその殺し方の残酷さばかりで、精神的に追い詰められる感じはほぼありません。リメイク版サスペリアや、偶々最近見たシャイニングなどの上品な怖がらせ方に比べたら、かなり下世話なホラーとなってますが、それがダリオ・アルジェント本来の持ち味なんでしょうね。これは、同監督で同じくアリシア主演のドラキュラ(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/B00J2SKF5G)同様、真剣に見るよりツッコミを入れながら楽しんだほうが良いパターンの作品です(笑)

    さてサラは、図書館で三人の女神について調べたりしてますが、マイケルから携帯に電話がかかってくる(ダリオ・アルジェントなのに携帯電話ある時代の話なのか!2007年だもんね)マイケルは、悪魔祓いに詳しいヨハネス神父に会いに行っていたが、怪しい女に追われて逃げており電話は切れてしまう。さらにサラも怪しい集団に追い回される。この集団がですね、魔女を崇拝してる人たちのはずなんですけど、ロックなファッションに身を包みゴスメイクをしていて、どっから見てもヘビメタのライブに来てる人たちにしか見えないんですよ(笑)まあ聖飢魔Ⅱのファンをイメージしてください。さすがフェノミナ(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/B00005G0DR)では緊迫したシーンでアイアン・メイデンを流しまくった監督だけあります。

    さらにこのヘビメタファン集団の女ボスがどうやらアジア人で「チョトマテ」など怪しげなカタコト日本語を乱発します。てっきり役者さんは中国人あたりかと思っていたら、なんと市川純という、イタリア生まれの日本人女性だったようです。この謎の女ボスと、さらに刑事さんにも追われているサラ、本屋に逃げ込み追いつめられるとまたしても謎の声が脳裏に響き、精神を集中するのよ…と言われその通りにすると、なんと、透明人間に!!目の前に来た刑事さんからサラは見えなくなっています。なにこれ新手の忍術?(笑)そうして一度は逃げて列車に乗るも、トイレで再びこの女ボスに追いつかれ、しかしサラはトイレのドアでこの女の頭部を挟んで何度もバンバン、大変グロい殺し方をします。あきらかに過剰防衛。

    マイケルが訪問したはずのヨハネス神父(ウド・キア)を訪ねるサラ。ここでもう一人の来客であるマルタという女性に出会う。マルタはサラの母エリザの弟子で降霊術師。彼女からサラは、かつてエリザは嘆息の母と対決した白魔女であったこと、その死は事故ではなく呪いであったこと、サラはエリザの力を引き継いでおり、何度か聞いた謎の声は母のものだったことを教えられる。

    そしてヨハネス神父は、三人の母の由来について語る。1000年前にこの三姉妹が現れて魔術を始め、世界に邪悪を広めたという(え、たかが1000年前くらいなんだ…キリストより後じゃん…)。のちにヴァレリという建築家が三人の母のためにそれぞれ家を建てる。ドイツのフライブルクには嘆息の母の家(サスペリアの舞台ですね)、ニューヨークには暗闇の母の家(見てないけどインフェルノの舞台)、そして涙の母の家はここローマ(本作の舞台)に。遺品箱を開けたことで、封印されていた涙の母が蘇り、ローマのみならず世界中に邪悪を広げようとしているのだと。しかしそのことについて書かれた本を取りにいった神父を、いきなり彼の娘が襲って惨殺、彼女はすでに自分の子供も殺しており、「涙の母に忠誠を」的なことを言って自殺する。

    悪魔憑きの信者たちから追われながらもサラはマルタと共に教会から逃げマルタの部屋へ。そこでマルタはサラに降霊術を教え、母の霊が現れる。しかしその晩、マルタがレズビアンの恋人とエッチ後眠っている頃、サラは邪悪な猿がマルタの部屋に侵入するのに気づく。なぜか外へ出て公衆電話からマルタに危険を知らせようとするも時遅し、マルタと恋人は大変残虐な方法で殺されてしまいます。たぶん中世の拷問道具とかなんだろうけど、冒頭のジゼルといいい、こういうので殺されるのすごいイヤだなあ。

    サラは夜の街へ逃げ出すが、そこでなんとマイケルと再会、彼の家に行くも、なんだか様子が変。実はマイケルはすでに殺されていて、死体を操られていた様子。気づいたサラは彼に油をぶっかけ、火をつけて逃走。基本的にサラは過剰防衛です(苦笑)母の霊が手助けしてくれますが、ここでマイケルと共に母の霊もあの世へ。一人でビジネスホテルに逃げ込んだサラは、自分が殺人犯の容疑で公開捜査されていることを知る。しかし人目を忍んで、マルタが紹介してくれるはずだった魔術の専門家グリエルモを訪ねる。彼はイケメンの助手と住んでいて、三人の母の家を建てたヴァレリの著書をサラに見せてくれる。サラはその挿絵と言葉をもとに涙の母の本拠地を探しにでかけるが、その間にグリエルモとイケメン助手も敵に襲われ…。

    地下道に降りていくヘビメタ集団をみかけたサラは彼らの後を追跡、ついに涙の母の本拠地をつきとめ、そこでサラを尾行していた刑事さんと再会。この刑事さんは殺人犯はサラではないと思っていたようで、怪しげな教団を調べるためサラと協力して二人は敵の本拠地に潜入。そこでは地獄のような光景が繰り広げられており、しかもうっかりはぐれてしまった隙に刑事さんは生贄として連れ去られてしまう。涙の母(見た目はふつうの若い女性、基本全裸、遺品箱にあった赤い服を着ているけどショート丈なので半ケツ)と信者たちが儀式を行っており、すでにグリエルモと助手が吊るされ拷問を受けている。サラは隠れてそれを見ているが猿にみつかり、涙の母は彼女を殺せと命じる。ここがクライマックスのはずなんだけど、めっちゃあっけなく、サラに反撃されて涙の母死にます。えー。

    地下の洞窟は崩れ始め、下水なのか泥なのか、汚そうな液体にまみれて逃げるサラと刑事さん。脱出に成功して高笑いでエンド。いやもう、血と内臓はエグかったですが、それ以外は恐怖どころか失笑の連続。お母さんの霊は何しに出てきたのかイマイチわからないし、そもそもサラは魔女と対決するのに霊能力とか使ってないし、普通に遺品の短剣で刺すだけ。そして氾濫する女性のヌードシーン。なんていうか基本的に本作、エロ&スプラッタの大衆娯楽作で、クインシーから引用した三人の母云々の設定が、十分に生かされていなかった印象。そもそも三人の母の家の場所、ローマやドイツはまだしも、ニューヨークって…1000年前にニューヨークあったのかな。まあそういう細部の設定にリアリティ求めるのは無駄なんでしょうね。わかりやすいスプラッタを娯楽として楽しむのが正解なんでしょう。

    あと最後になりましたが、タイトルのテルザ、てっきり女性の名前だと思い込んでいたのにテルザなんて出てこなかったなと思って原題よくみたら「LA TERZA MADRE」英題は「MOTHER OF TEARS」で、つまりテルザはイタリア語で涙(涙の母)のことでした。

  • ダリオ・アルジェントの魔女3部作完結編。
    まだ未視聴。

  • 冒頭の工事シーンから笑わそうとしているのがみえみえで吹くw

  • レンタルで鑑賞。

    うーん。
    『サスペリア』『インフェルノ』の印象が強すぎて霞んでしまうな……。最強の魔女の筈なのに、最後がアレでは……。
    謎の迷路化は健在だが、音楽や色彩が抑え目でなんだか寂しい。
    『サスペリア』『インフェルノ』のような訳のわからない状態で、勢いだけで突っ走る事が減ったような気がする。幻覚や夢の世界から、現実的でリアリスティックにシフト変更したように感じられる。
    系統としては『Deep Red』に近いミステリー。

    しかし、魔女をハッキリとゴスメイクで描写するのは如何なんだろうか……。

  • 母譲りの超能力の存在を信じて涙の魔女に戦いを挑む主人公だったが…。無計画過ぎです…。

  • 酷すぎたwww 主人公は結局姿を消す力しかないのかw

  • エンディングのあっけなさ、僕は好きです。この映画、怖くはない!

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著者プロフィール

1940年、イタリア・ローマ生まれ。世界中のクリエイターに影響を与える“ホラーの帝王”。映画プロデューサーの父親と写真家の母親を両親に持ち、新聞『パエーゼ・セーラ』で映画批評を担当したことから映画との関わりが始まる。セルジョ・レオーネ監督作『ウエスタン』(1968)でベルナルド・ベルトルッチとともに原案に携わり、以降数々の脚本を手がける。『歓びの毒牙』(1970)で映画監督デビューを飾り、『わたしは目撃者』(1971)、『4匹の蠅』(1971)の“動物3部作”でジャッロ映画の人気監督の地位を確立。『サスペリアPART2/紅い深淵』(1975)でその名は世界に知れ渡り、『サスペリア』(1977)はオカルトの新境地を切り開いた名作として、ホラー映画史上の金字塔となった。
その後の監督作品に、『インフェルノ』(1980)、『シャドー』(1982)、『フェノミナ』(1985)、『オペラ座 血の喝采』(1987)、『トラウマ/鮮血の叫び』(1993)、『スタンダール・シンドローム』(1996)、『オペラ座の怪人』(1998)、『スリープレス』(2001)、『デス・サイト』(2004)、『サスペリアテルザ/最後の魔女』(2007)、『ジャーロ』(2009)、『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(2012)など。2023年には10年ぶりの新作『ダークグラス』が公開された。2019年にはイタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞のダヴィッド特別賞を受賞。

「2023年 『恐怖 ダリオ・アルジェント自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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