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- / ISBN・EAN: 4988104051783
感想・レビュー・書評
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~☆~感動があなたの心をknockする~☆~
リチャード・ジェンキンスの初主演作です。
リチャード・ジェンキンスって職人のような俳優だなぁ。
眼差しや仕草がとってもデリケートで62歳の大学教授、
ウオルターを見事に演じきっていました。
不法滞在の若いカップルと妻を失った孤独な初老教授の
優しさ、温かさを描き出した素敵な作品です。
この作品のスパイスはシャンべという打楽器、
この作品観ると自分の膝を必ず叩きたくなりますよ~♪
アフリカンビートは3が基本だそうです。
それでは、みなさんハビティ~♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2014年の『サンバ」はフランスの話
あの9.11から6年後のニューヨーク
あの日からアメリカは一変したと移民たちは言っている、アメリカはそんなに古くない昔は誰の国でも無かったのに
歴史が浅いと人よりも力を信じるのだろうか
拳で人を守ることは出来るだろう、しかし拳は永遠ではない
その拳を振り上げるよりも手を開き彼のように包み込めたなら、そんな世の中ならばどんなにか笑顔が多い世界になるだろうか
優しくジャンベを叩けるようになった彼の手が真の怒りに変わってしまった。 -
なんで仕事を辞めたのか。このことが分かってようやく映画を理解しました。彼にとって唯一無二である友人の悲劇を引き起こしたのは自分自身なのです。それはあの改札口でって話じゃないですよ。もっと深い意味においてです。
彼は自分の仕事がほとほと嫌になったんでしょうね。これまで専門にしてきた分野(開発経済学と言いながらその体をなしていない学問)がテロの一因となり、いやそれを差し置いても、その後ある種異常なアメリカを作りだしてしまったことは疑いがたく(いやそれも友人と出会ってはじめて痛感した様子)、もしそうだとしたら自分は友人にどう顔向けすることができようか。友人の人生をむちゃくしゃにしたのは他ならぬ自分ではないか。取り返しのつかないことをしてしまった。彼はこのように考え仕事から離れたのです。
そう考えると、拘置所で看守を非難していたのも、実は罪の意識で雁字搦めになった自分への非難の裏返しであるし、友人の母親に告白した「私のせいで彼は捕まったんだ」という一種不可解な言動もここに至ってはじめて真実性を帯びてきます。彼がこの歳にして背負った十字架は想像する以上に重いのです。
はっきり言って救われないですよ。最後の太鼓のシーンは、いろいろと言っている人がいますが、あれは友人に対する懺悔の表れです。彼は休職どころか一生ああやって太鼓を叩いて罪を償っていくのでしょう。そう想像します。 -
I pretend
ジャンベ可愛い
観てるこっちも乗ってしまう‼︎
ガラス越しで手紙を読ませる時に、横向いてるウォルターに痺れました。
目線の先には赤ちゃん。
赤ちゃんを見てるという名目が出来たが、逆さにしている手紙を読まないように、という配慮。
だと私は思う。
髭剃りのクリームがつきながら、電話してる。笑。可愛い、ウォルター。
ガラス越しで叩くの、もうずるーい。やばーい。
自由に生きて演奏したい -
妻を亡くして一人で暮らす大学教授の男が、ふとしたきっかけで不法滞在している中東出身の若者カップルと出会い、ともに暮らしながら交流する様子を描いた映画。
主人公の男ウォルターは、大学で経済学を教えているが、決して研究に積極的ではない。同僚に頼まれて名前を連ねた(共著として出版した)本も、実際は名前を貸しただけで、内容にはなんら関わっていない。本を書いた本人が都合が悪くなったために、代打で気の進まない学会発表をすることになり、久しぶりにニューヨークのアパートを訪れる。
すると、そこに不法に居住していた移民のカップルと出会う。二人との交流をするうちに、移民の男性タレクが持っていたジャンベの魅力に取り憑かれ、練習するようになるが、タレクはちょっとした誤解から警察に逮捕され、不法滞在者として外国人拘置所に連れて行かれてしまう…
これは、基本的には「移民の国」「自由の国」であるアメリカ社会が、911以降に顕著に持つようになった矛盾を描いている。
主人公は、経済学の研究者であり、学会でも「自由貿易は途上国に利益をもたらす」といった発表を聞いているシーンがあったりするが、実際にはそうしたグローバル経済やそれを支える新植民地主義(先進国、帝国主義の負の遺産)のしわ寄せをモロに受けた人々(祖国を離れ、不法滞在しながらアメリカに暮らす移民)と直に接している。そこでは、すなわち理論と現実の差を否が応でも認識せざるを得ない。
警察に逮捕され、拘置されていたタレクは、結局なんの説明もなく本国シリアに強制送還されてしまうのだが、ここでは、911以降に厳しくなった行政(警察や入管)による移民への対応が、ほのめかされている。
とはいえ、この物語は必ずしも「社会派」なる言葉で簡単に括れるようなものとして描かれているわけではない。妻を失い、大きな生きがいもなく暮らしていた初老のウォルターが、思いがけず出会った人々から刺激を受け、初めて触れる楽器に心を踊らせ、またほのかな恋心を抱くようになる、といったヒューマンストーリーとしても十分に楽しめる。
というよりも、そうした「ヒューマン」の側面と、「社会派」の側面の両方が、自然に同居している、ということが、この映画の大きな魅力となっていると考えられるだろう。
それから、蛇足として書いておくと、人付き合いや自分の感情を素直に見せるのがちょっと苦手な主人公の先生が、異なるバックグラウンドを持った他の登場人物たちと、少しずつ不器用に関わって心をひらいていく様子に、ある種の「おっさん萌え」をすることは請け合いであるw
【追記】
「バッドエンドなのが残念」みたいなレヴューを書いてる人が多いのが気になったので一言。
ああしたテーマを描くにあたって、「釈放されてハッピーエンド☆」になってしまったら、この物語は社会への問題提起として成立しない。深刻な出来事は、映画のなかだけで決して完結せず、映画館を出た後にこそ広がっているのであって、「観終わってスッキリ」してしまってはいけないのである。その意味で、不条理で後味が悪いのも含めて評価するのが正当であると僕は思う。
ちなみに、痴漢冤罪を描いた「それでもボクはやってない」も、不当で後味の悪いラストを迎えるが、僕は上記したのと同様の理由で評価している。
あと、さらにさらに蛇足で書くと、日本の入国管理局も「不法滞在」の外国人に対して相当に非人道的で、殺人的な対応をしているので、この映画で関心を持った人はぜひとも調べてみてほしい。この物語は、決して対岸の火事ではないのだ。 -
一見すると私たちの日常には遠い話しかもしれないけど、日本もいずれこうなっていくんだろうね。
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名脇役リチャード・ジェンキンス初の主演作。妻と死別し心を閉ざしていた主人公が意外な訪問者と出会い、再び人生と向き合っていく過程を静謐かつ無駄のない演出で描いた佳作。こういう映画好きだなぁ。81点。
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やっぱり、人のかたまった心を溶かすのは、人なんだなあ。
そして、アフリカの太鼓のジャンベ、これだけ人を惹き付けるのは、”頭を空っぽに”しなければ叩けないから無条件に反応して楽しめるからか。
すみませんときちんと謝ることができて、悪いことはしないタリクと、何よりもタリクのことを思う母のモーナ、無愛想に見えても、それは身を守るためだったゼイナグ。
不法滞在という、私たちにはあまり身近ではない問題と、人の心動きを描いた静かな映画。 -
【扉をたたく人】一生の宝物に出会った。9・11後のNY、初老の孤独な大学教授とシリア移民の青年の出会い。虚しい日々からの開放、響き渡るジャンベのリズム。テロにより扉を閉ざした大都会NYの今。不当な逮捕、繰り返し映される自由の女神。一心不乱にジャンベを叩くラスト。911の余波がこんな所にまで伸びている事にやるせなさを覚える。大学教授役のリチャード・ジェンキンスはオスカーに相応しい名演、受賞出来なかったのが残念でならない。90点