寄生獣 完全版全8巻 完結コミックセット

著者 :
  • 講談社
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感想 : 60
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感想・レビュー・書評

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  • ちょっと話題にひっかかり読んでみました。絵が古くてちょっとグロテスクなシーンも多かったけれど,面白かった。「蒼の封印」は寄生獣の影響を受けた漫画なのかなーと思った。人類と環境の問題とか,寄生獣との共生とか。

  • 映画を観る為に再読。
    5巻ぐらいまでは一気に読める。
    「島田秀夫」事件の描写は凄まじい。
    どう映像化するのだろうか。
    意外と出だしがエッチだったのにビックリ。
    青年誌に連載してたんだね。後半だんだんシリアスになってきて、最初の軽さが無くなってきたのは残念。
    「後藤」との壮絶な一騎打ちの後、エピローグみたいな感じで殺人鬼(人間の)との対決、そしてミギーは生きてる、とほのかに匂わせるラスト。
    とても後味のいいエンディングです。
    たった10巻で終わってるのにもビックリ。
    凄く人気があったような記憶が有るんだが。
    潔いね~。無駄に長かった某マンガ「○○ツ」も見習えば良かったのに。

  • ただいま名作マンガを読んでみるブーム中。
    数年前に映画化され話題になった寄生獣を読んでみた。

    連載は時間が空いてるが1988年から始まった漫画らしい。
    kindleセールでフルカラー10冊で6000円くらいだったけど、
    これは一応お得なのかな?果たして。



    感想、一言で言うと、

    面白いけど少し説教くさい漫画かなという印象。



    宇宙からの地球の絵から始まり、

    増えすぎた人間どうのこうのってあたりからして、ちょっと説教くさいなーと。



    ただ1巻の最初の人間をパクッと食べるグロシーンからインパクト大で、最初のストーリーはなかなか引き込まれた。


    ただ、全体通してみると、
    描かれる世界がちょっと狭いんだよなー。


    まわりに人間を食ってまわる寄生獣がウヨウヨいるなんて、
    とんでもない事態のはずなのに、
    マンガでの描写はあくまで主人公の周辺まわりで事件がポツポツと起こるだけ。

    回収が難しくなるから敢えて風呂敷を広げなかったんだろうとも思うけど、
    せっかくの秀逸な設定、世界観をもっと広げて壮大なストーリーを作って欲しかった気もする。

    なんか寄生獣やミギーの設定は面白いので、余計にもったいなく感じるんだよね。

    まぁ物語を小さく奇麗にまとめるか、話を壮大に広げるのか難しい所だなと。



    さて、物語の後半で分かってくるのは、

    やいややいや騒いでいる寄生獣は、単体では人間よりはるかに強いものの、
    相対的に見ると実は生体数は圧倒的に人間に比べて少なく、繁殖もできない。
    彼らはたまたま人間を食料するだけの、か弱な少数生物だということがわかってくる。


    一方、人間も寄生獣と同じくその他の生物を食料にして生きているのだが、
    人間からすると、自分たちが絶対的な正義であり、
    人間を捕食して回る寄生獣の存在は絶対に認められない。
    結局、人間は寄生獣を迫害し、殺し、壊滅させるのであった。


    果たして人間という生き物とは?
    という問いをを作者は読者に考えさせたいのは明確に伝わってくる。

    このマンガの難点を先に書いてしまったが、
    こうした作者の狙いは10巻を通してストレートに伝わってくるし、
    かつエンタメ的にもストーリーはなかなか面白い(ちょっと説教くさいが)。

    こうした言う意味で、確かに寄生獣が名作と言われるのはよく分かる。
    とにかく完成度が非常に高いのだと思う。


    ただ後は好き嫌いの要素は大きいかもね。

    私にはちょっとメッセージ性が強すぎて、
    自分は途中で感情移入が出来なくなっちゃった感じかな。

  • ちょっと考えさせられるマンガだった。
    人間らしい考えのシンイチに対して、ミギーの考え方は一見残酷に感じる。でも冷静に考えるとミギーの言っていることは正しいし、”人間らしい考え方”というのは、”人間にとって都合のよい考え方”なんだなと思った。
    生物や命、環境問題などを今までと違う視点で考えてみたくなった。

    それからミギーがだんだん可愛く見えてくる。私の右手にも寄生してほしい。

  • 久しぶりに読み返したら、なにこれやっぱすんばらしいマンガでおったまげ!!

  • 間違いなく、自己ベストオブ10漫画に入る作品。
    学生の頃に読んで、多少スプラッタ風ストーリーでは
    あったにしても、
    この漫画を読むことで残虐思考が高まるよりむしろ、
    命や殺すこと、生かす・生きること、
    生活することなど、人間として社会的人生をおくる意味を
    より内省的に考える機会を多く与えてくれた作品。
    結末についても、賛否あり、多少尻すぼみ感は
    否めないとしても、
    相反するものを抱える主人公の存在は
    かなりドラマチックで心揺さぶられる。

    平和な日本において、
    自分の人生以上の視点を取り入れる必要がある時期の
    通過儀礼として、小説より少し暴力的に精神介入
    しやすい漫画に担わされていることは、
    これらの漫画の存在が多く示唆しているのでは
    ないかとも思う。

    淫靡な性質を帯びている漫画や、暴力や残忍性を増長する漫画があるかもしれないが、やはり、選び取って
    中、に入れることの意味を大人が早いうちに示す
    必要は、常に家庭・大人の側に問題として残されているのではないだろうか。

    本漫画の残忍性や暴力性のみに目を向けるのではなく、
    大きなテーマは何か、そこから自分は何に共鳴しているのかをリトマス紙として使用すること。
    作品を愛するのは個人の自由である。
    気持ちは自分の部屋の中、夢のかなで自由にさせればいい。
    思考や行動になってあらわれるのが、すなわち
    総合としての自分である。
    世界に対峙する君の肉、皮の上に表現されうるもの、
    全てが君の知性であり、理性である。

    欲望だけでいるのでは、人間未満である。

    君がこれを読んで感じるのは、何か?

  • だいぶ古い漫画ですが、
    当時話題になっていたが読んでいなかったため、
    読んでみました。

    テーマとしては人間の存在意義や環境問題を寄生獣をとおして
    問いかけるものだと思うが、
    最後まで読んでみると、環境をテーマにした作品が
    現在に至っては出尽くしていることを割り引いても
    テーマを消化しきれていないように感じた。
    作者のテーマの掘り込みとエピソードが少しちぐはぐで、
    結局寄生獣の目新しさ?だけが目立っているように感じる。

    しかし、ストーリーは面白く最後まで
    飽きずに読むことはできた。

  • 寄生獣全編通してのレビューをしたかったから、完全版は持ってないけどここに書かせてもらう。
    本当に大好きだけどこんな名作は今更普通にレビューしなくても溢れてるだろう。人生観に影響を受けたと言うよりは元々持ってた人生観が言葉にされていて(そうそう、そうなんだよミギー)と中学のとき嬉しくなった思い出。
    中1のとき淳くん(誰だよ)が貸してくれて、めちゃくちゃ面白くて、ある日返そうと学校に持ってきたらカバンの中で飲み物が漏れていて単行本が濡れてしまったので申し訳なく買い取った思い出もある。
    それでもただ一度だけ読むんじゃなく自分のものになって良かった作品。

  • 会社の同僚に勧められて読んだ。とても面白かったけれど、少し違和感が残りそれを明確にするのに時間がかかった。

    寄生獣は本能的に人に化け、人を喰うのだけれど、彼らはただ本能からそれをする。そして寄生獣は個として強く、簡単に人間を喰っていくのだけれどそれは、そんな簡単に死んでしまう人間の人生に価値はあるのか、本能で生きていて強いだけの寄生獣に価値はあるのか、生きるために寄生獣と戦うのと生きるために人間を喰う寄生獣とに違いはあるのか、という疑問を提示すると思う。
    だけれど、その疑問は何と主人公にはほとんど影響しない。主人公に大きな影響を与えるのは、寄生獣による家族や周りの人の死である。主人公への影響と言う観点から考えると、現実でも起こり得る人生の残酷さ、悲劇をただ寄生獣として擬人化しただけのように感じるのである。主人公は人間として人間を守るために食人する寄生獣戦うという決意をするのだが、それは外敵と戦うだけ、生きるために生きるだけであって、何のために生きるのかという答えにはならない。

    逆に寄生獣の方はどうかというと、生存のために社会形態を作ろうと進歩するものたちと、歴史や知識を旺盛に学び、自己と向き合うミギーの二つに分かれる。ミギーは自己と向き合うために半永久的な眠りに入ってしまうため、生命が何のために存在するかについてのミギーの覚りを見る事は出来ない。ずっと探し続けるという答えなのかもしれないけれど。

    主人公に寄生獣が与える影響は災害で自分に起こる悲劇と戦い、乗り越えるのと全く変わらない。ただ、人の敵だと思っていた寄生獣が保身のために社会を作ったり、自分の子供を守るために命を投げ出したりし(それが自分の母とオーバーラップする)、それがミギーの存在と相まって寄生獣を一つの多様性として受け入れるという影響を主人公に与えるのだけど、だけどそれは主人公自身の存在意義には影響を与えないのだよね。だから鬼畜米英と思っていた敵が人間だった、というのと同じで今までの常識が崩壊、相対化するという変化を主人公に起こすだけで、人間の存在意義に迫りきれていないのではないか、、と思った。
    作頭から登場する寄生獣のインパクトから考えさせられる事とミギーを宿した主人公の成長が齟齬を起こすので違和感があって、それを明確にするのに少し時間がかかった。

  • この漫画家は天才か。
    素直にそう思いました。
    特に、ミギーが自身の死を感じた瞬間。
    「意識がうすれてゆく・・・妙に眠い・・・それなのに孤独感だけがくっきりと大きく・・・これが・・・死か・・・」。
    この台詞と描写は忘れることはないかもしれません。
    それほどの衝撃を与えてくれた漫画でした。
    ミギーがグロくて見てられない……といって敬遠されていた方。大丈夫です。後半になればなるほどミギーには愛着がわいてくることでしょう。
    そして最後、「重いから自分で持ちな」。
    この台詞にぐっとくることは間違いありません。

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著者プロフィール

1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。

「2004年 『雪の峠・剣の舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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