第9地区 [DVD]

監督 : ニール・ブロムカンプ 
出演 : シャールト・コプリー  デヴィッド・ジェームズ  ジェイソン・コープ  ヴァネッサ・ハイウッド 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.52
  • (182)
  • (445)
  • (391)
  • (132)
  • (30)
本棚登録 : 2115
感想 : 451
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135835000

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【あらすじ】
    ヨハネスブルグ上空に突如現れ停止した巨大宇宙船。なぜアメリカなどの大都市ではなくここへ?の疑問や宇宙船の目的も不明のまま日々が過ぎ、満を持して突入してみるとそこには瀕死のエビたちが!

    放置するわけにも行かず彼らを難民として受け入れ28年が過ぎた。増えに増えたエビたちの街はスラムと化し、地域住民のストレスも増す一方。遂に国と提携しているMNU社は周囲に人家のない第10地区を作り、そこにエビたちを移動させることに。その説得任務に抜擢されたMNU社員ヴィカスは軽いフットワークで立ち退き要求に向かうのだった。

    【以下ネタばれあらすじ】
    暴力も辞さずに任務にあたる社員と軍部。その際ヴィカスはクリストファーというエビがキュートすぎる息子と暮らす家から謎の物体を発見→調査中に中身を吸ってしまう→その後他のエビと格闘中に左手を負傷→左手エビ化。

    そこをMNU社に目を付けられたヴィカスは人体実験を受ける羽目に。エビの武器は小型の割に高性能だがエビのDNAにしか反応しないため、その原理を解析し人間が動かせるようにするためだ。ヴィカスの解剖まで話が進んだため、逃亡してクリストファーの家に身を寄せる。

    ちなみにヴィカスが浴びた液体はエビ宇宙船の燃料で、28年かけてやっと集めたものだった(エビDNAに反応する成分的な)。母船に戻ればヴィカスを元に戻せるとのこと。

    一方人間社会ではヴィカスがエビと不純な行為に及んだため奇病に感染したことになっており、一時は妻も愛想を尽かすが、愛情のこもった手作り作品を贈る夫の人柄を偲び泣き暮らす。

    残りの燃料を回収するためNMU社に押し入るヴィカスとクリストファー→そこでかつての仲間だったエビが実験材料にされていることを知ったクリストファーは、その燃料で母船に戻るだけではなく、地球の仲間を救うため一旦星に戻ると話す。その期間3年!怒ったヴィカスはクリストファーを殴打し、小エビと共に宇宙艇を操縦するも、追ってきた部隊に撃墜される。

    その後、ナイジェリアギャングに追われたり人間に追われたり軍隊に追われたりなどして、クリストファーの純粋な言葉を信じ、彼を助ける。そしてエビたちも彼らを助ける→クリストファーは母船に到達し故郷の星へ。

    その後、エビたちは第10地区に移された。ヴィカスの妻の元にはたまに鉄クズアートが届くという。第10地区には鉄クズで花を作るエビがいた。

    小エビが「僕と一緒だね!」と腕を指すシーン、「かくれんぼ!?」と喜ぶシーン、「僕たちの星にはいくつ衛星があるの?」と尋ねるシーン、要所要所に小エビ萌えポイントがありたまりません!

    クリストファーがベストの前をガムテで留めているところも大変ポイント高いです。

    ※2006年3月-2011年1月までやってたブログより転載

  • ★3.5

    エイリアン系や地球侵略系はあまり気乗りしないのだが、宇宙ものでオススメされていたので珍しく観てみた。

    うむ、食わず嫌いはいけませんね。

    観終わってハッピーになる作品ではないけれど、こういう角度からの描き方もあるのだなと。

    例えば人類の誰もが魅了されるほど美しい容姿の宇宙人だったら、あんな扱われ方しないのだろう。
    人間とは、最も愚かな生き物である。

  • 字幕: 松浦美奈

  • 突如ヨハネスブルグ上空に現れた巨大宇宙船。
    しかしその後何日経ってもうんともすんとも言わないので、思い切って突入してみたら、
    中には飢え死に寸前で疲労困憊の宇宙人達が横たわっていた。
    彼等は難民として第9地区と呼ばれる隔離地域に収容され、その後28年に亘り差別的扱いを受けることになる。
    その後180万人にまで増え続けた彼等を人里離れた地区に移すために強制執行に訪れた主人公は、
    不注意から謎の液体を浴びて徐々に宇宙人化してしまい、差別する側から される側に。

    星 新一ばりの奇想天外な発想に脱帽してしまった。
    主人公は飽くまで一般的な人間として描かれていて、
    パニックに陥り、終始自分本位に行動した結果、全てが裏目に出てしまうあたりも
    観ていてイライラしつつ妙なことにリアリティを感じてしまう。

    宇宙人に対するあまりに非人道的な言いがかりや行動に、
    アパルトヘイト時代の差別やアメリカの人種差別を思い出し、重い気持ちになるが、
    見た目は馴染めないがどこかユーモラスな宇宙人達や、主人公と妻の愛情を描き、
    最後に良心の呵責を思い出した主人公が、悪者を倒し、宇宙人親子を助け、カタルシスを得られる
    エンターテイメント作品に仕上がっている。
    単なるSFではない佳作であり、良品発掘した気持ちだ。

  • 見終わった後に最初に思ったのは、なんなんだこれは。単に何にも考えない娯楽作品なのか、アメリカやヨーロッパでなく、南アフリカのヨハネスブルグにいきなり宇宙船が現れる。アパルトヘイトへの風刺が込められているのかもしれませんが、一見そう思わせといてそんな事はないと感じさせるB級度満載でした。


    立ち退き交渉中に感染する主人公。その為、所属していた組織や軍隊に追われる。それに立ち向かう。

    かつての仲間たちをかなり惨殺する。お前が一番酷く殺戮者のエイリアンだよと突っ込みしたくなります。

    マイム的には特にお勧めはしませんが、私が観てみようと思ったのはある映画好きゴリラ君のレビューから。



    本作は原作無し、金無し、キャストに華無し、監督知名度無しと何もかもが無い。
    だからこそ製作:ピーター・ジャクソンが輝いて見える(笑)

    ピーター・ジャクソン製作のSFってだけで、もう面白いに決まってる。
    トレーラーが公開された頃から「まだかな?まだかな?」と首を長くして待っておりましたよ!
    しかも本作はB級SF映画なのにアカデミー賞で作品賞などの主要部門にノミネートされた。
    これは観た後の方がすげぇって感じたね。 アカデミー会員さん・・・わかってるじゃないとね(笑)

    本作で描かれるエイリアンはなんでか知らないけど≪エビ≫って呼ばれる(笑) なんかこれがおかしくて仕方なかった・・・エビって・・・

    そんなエビたちは、実に堂々としてる。 普通のSFならエイリアンが登場するまではためらうけども、映画開始数秒で既に宇宙船が映り、数分後にはエビ登場。 予告ではモザイクまでかけられてるってのに(笑) (そういえば予告にあったエビが取り調べ受けてるシーン無かったですよね?)

    とにかく本作はエイリアンたちに感情移入してしまう映画。 宇宙船が故障したエイリアン達は南アフリカの≪第9地区≫で、難民同然の扱いを受けて生活をしている。 この設定が今までに無くて面白いですよ。
    暴行、搾取、猫缶のぼったくり(にしても何で好物猫缶だよ!)

    特に見てて嫌になるのがMNU役人ヴィカスの行動。 何か観てて腹立つ行動ばかりだし、ずる賢い奴だしね。 何よりびっくりなのがそんなヴィカスが主人公ってこと(笑)


    しかし中盤にヴィカスはある変身を遂げます。 そこから一気に映画も面白くなっていく。 「エイリアンの武器はエイリアンしか使えない」って設定を上手く使ったなぁと。 にしてもエイリアンの武器すごかった・・・
    何か『GANTZ』に出て来そうな位破壊力が半端無かった!!

    特に凄い武器は何と言ってもパワードスーツだろう。 あれはこの映画の目玉と言っていいでしょう。
    パワードスーツを纏った主人公がロケット弾を捕まえるシーンカッコよかったなぁ~ 男って感じでさ。

    人間に魅力が無いからか、エビ達がヤケに魅力的。 エビチルドレンなんてもう・・・かわいかったわ(笑)エビ萌えだわ(笑)

    生々しいSFってのが良かった。 インタビュー映像も交えてリアルさを出してたのもよかったし、
    何より生々しすぎる表現だよね。 観てた女性客・・・ほとんど引いてたよ(笑) むしろ俺は大歓迎だからニコニコしてたけど(笑)

    ラストシーンがすごく良かった。 本当に三年後辺りに『第10地区』あるかな?

    観終えた後に、このレビューを見て、なるほどなと思い、面白い映画だったんだと認識させられます。

  • まさかエイリアンの出てくる話とは思わずに観た。所謂「エイリアン映画」のように地球を襲撃してくる訳ではない。
    エイリアンは怪獣ではなく、差別の対象として描かれる。設定の大掛かりな風刺映画。
    エイリアンを被差別対象としていたと思ったら、仲間になり、また裏切り、でもやはり情は移る。
    エイリアンをアパルトヘイト下の黒人や、差別される有色人種その他色んな人々に見立てることのできる話。
    涙あふれる感動…と言った感じはないが、観る人によって様々に考えさせられる映画だと思った。

  • ところどころ笑っちゃうんだけど、エビ男の言動がおかしくてアパルトヘイト問題を意識した風刺映画でもあるんだよね。
    観ているうちにだんだん、人間側じゃなくエビ側(エイリアン)にたっていた。特にクリストファーは人格者で息子もエビのちゃっちゃい版でかわいい。

    District 9 2009 111分 米 南アフリカ ニュージーランド午後ロード
    監督 : ニール・ブロムカンプ
    出演 : シャールト・コプリー デヴィッド・ジェームズ ジェイソン・コープ ヴァネッサ・ハイウッド

    人類、立入禁止。

  •  エイリアンが登場するSF映画でありながら、差別問題をテーマにした社会派の作品でもあります。ところどころに挟まれるインタビューシーンをはじめとしたドキュメンタリーのような映像も印象的です。
     人間に迫害されるエイリアンたちと、体の一部がエイリアンへと変異し、人間たちの実験台にされる主人公。人間とエイリアンの関係を常に描いていますが、人間は残虐で、勝手で、相手を見下し、話を聞こうともしません。自分たちにとって有益なものを都合のいいように利用したいだけなのです。
     かと思えば、今度はエイリアンの技術を巡って人間同士が争い合う。なんとも勝手ですね。人間の醜さが随所に表れているようで、観ていて苦しい場面がいくつもありました。
     しかし辛い内容ばかりではありません。人間夫婦やエイリアン親子の関係からは愛情を感じられました。エイリアンの子どもはとても愛らしかったです。それこそ人間の子どもと変わらないような。
     ふざけた作品でもB級映画でもありません。社会問題に深く切り込む、現代人へのメッセージそのものです。

  • ずっと観たかった映画が、たまたまテレ東でやってた。感謝。
    面白かった!

    人間が正義を貫くのは、ほんとに最後の最後、もう自分は助からないとわかった瞬間なんだな。
    それまでは何とかして助かりたい、生き延びたいと思って簡単に裏切ったり、利己的な行動を取ってしまう。

    エイリアン親子は無事に帰還できたかもしれないんだけど、その他大勢のエイリアンは未だ苦しめられていて根本的な解決にはなってない。
    この後どうなるんだろう...

  • 見事。
    練られたプロット、見せ方、手法。巧い。
    エイリアンもので場所が南アフリカであれば人種差別がテーマであることは自明。被差別者はエイリアン。そこまでは容易に類推できる。ただし、見せ方か絶妙。ニュース映像により「エビ」扱いされるエイリアン。我々はそれを違和感なく受け入れる。そして、その視点が徐々に逆転していく構図。説教臭くないところも良い。

全451件中 51 - 60件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×