酔いがさめたら、うちに帰ろう。 [DVD]

監督 : 東 陽一 
出演 : 浅野忠信  永作博美  市川実日子  光石研  香山美子 
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  • / ISBN・EAN: 4988021135757

感想・レビュー・書評

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  • 2010年公開の日本映画。


    「毎日かあさん」でお馴染みの
    漫画家・西原理恵子さんと
    亡くなった元夫である戦場カメラマン・
    鴨志田穣さんの
    家族愛を描いたストーリー。


    同じ時期の話を
    西原さん視点で
    捉えたのが
    『毎日かあさん』なら、
    こちらは元夫と家族の壮絶な戦いの記録を捉えた
    鴨志田穣さんの
    自伝的小説の映画化になります。

    映画的完成度も
    個人的ツボも
    こちらが好みかな。
    (ラストに流れる
    今は亡き忌野清志郎のあたたかい歌声が
    より一層胸に沁みます)


    重度のアルコール依存症の元夫、
    塚原安行(浅野忠信)は
    離婚した妻で漫画家の
    園田由紀(永作博美)と子供たちと暮らしていた。

    しかし塚原は
    酒を呑んでは暴れて倒れる毎日。

    妻に家を追い出されても
    酒をやめることができません。

    家族との約束をなんとか果たそうとするけど、
    たった一杯のビールから
    大怪我をおってしまう。


    そして
    家族の元に帰るために
    アルコール依存症を治療する毎日がはじまる…。




    泣かせようと思えば
    もっと感動的にできたにも関わらず、
    壮絶過ぎるアルコール依存症の描写と
    リアリティ重視の抑え気味の演出がかえって
    静かに胸を打つ結果に。


    浅野忠信の
    決して憎めない
    リアルな酔いどれっぷり(笑)と、

    永作博美の
    力みのない自然体での熱演は
    見事としか言いようがないし、

    特に永作の
    死の淵に立つ夫を前にしての
    変に落ち着いた(達観した)揺らぎなき佇まいは、
    いかにも西原さんを彷彿とさせて
    イメージとピッタリでした。



    日本での
    アルコール依存症患者の数は
    約80万人。

    酒癖が悪いことと
    よく一緒くたにされるけど、
    これは自業自得ではなく
    れっきとした病気です。


    決して人ごとではないし、
    人間は必ず
    なんらかの病気になって死ぬ。


    家族に見守られて死ぬのか、

    野垂れ死ぬのか。


    選ぶのは自分。



    絶望の向こうにも
    必ず幸せや希望は見出だせるし、
    家族とはなんぞやを
    一貫した姿勢で描いた
    真摯で誠実な作品です。


    『さいごにちゃんと帰ってきました。
    いい男でした。』

    という西原さんの言葉。


    亡くなっても
    これだけ愛されるって
    本当に羨ましいし、
    鴨志田さんの人生は
    ある意味誰よりも
    幸せな一生だったんだと思いたいです。

  • 精神科病院で働いていたときのことを思い出しました。

    アルコール依存症に限らず、依存症って本当に怖い病気です。
    私は依存症になるのが怖くて、アルコール、ギャンブルには、できるだけ手を出さないようにしているし、なんとなく精神的に落ち込んでいる状態の友人がお酒を飲んだり、パチンコをしているのを見ると、心配になります。
    こんな状態になっても、お酒をやめれないなんて。
    浅野忠信さん、永作博美さんのすばらしい演技のおかげで、アルコール依存症の怖さがよく伝わってきました。

    ぼろぼろになっても、家族を愛する、そして愛してることを素直に表現できる夫も、ぼろぼろな夫を愛し続ける妻も、どちらも素敵でした。妻は、ちゃんと夫の病気じゃない部分を見つけられる人だったんだなぁと思いました。

    最後に。なにより、永作博美さんが、ほんとかわいかったです。

  • あの世行きにリーチのかかったダメ夫、浅野さんハマりすぎ!!

    アルコール依存という重いテーマだけど
    ただひたすら重苦しく悲しいお話ではない。
    永作さんが演じた元妻が強くやさしく支えてて、
    かわいい子供がいて、愛があって、とてもそれを感じさせないかんじ。
    ”いっしょに生きるんだよ、これから。・・・・文句ある?”
    っていいな~ なんかすごい心強かった。

    しあわせものでしたね。鴨志田さん、やさしい人だったんだろうな・・・・

    カレーの件とかかわいかった~
    まさに愛すべきダメ男
    観れてよかった。

  • 浅野忠信&永作博美主演 鴨志田穣原作の同名私小説の映画

    アルコール依存症を乗り越えた元戦場カメラマン・鴨志田穣と、人気漫画家の元妻・西原理恵子の家族の愛の物語。

    現実ではアルコール依存症から立ち直って直ぐに、42歳の若さで腎臓がんで亡くなられてしまうのだが、本作品では、鴨志田さんの視点で家族と一緒にアルコール依存症から回復する姿が描かれている。

    グッと来たのは、鴨志田が闘病の為のアルコール専門病棟入院中に言うセリフ…『俺には帰るべき場所がある』

    戦場カメラマンとして数々の悲惨な体験をし、極限のストレスの中でアルコール依存症になり、結婚をするもののアルコール依存症による暴力と暴言により離婚…
    普通に考えれば、帰る場所なんてどこにも無い状況である。

    だがそこは、『一度好きになった人は、なかなか嫌いになれないですから…』元妻である西原さんの言葉にあるように、二人の間に愛があるからこそ鴨志田さんは、安らぎを感じる事が出来る家族の為に、アルコール依存症と立ち向えたのだと思うし、実話だからこそ自分自身も家族を持つ一人の男として何事にも立ち向う勇気を教えて貰った気がする。

    それにしても、西原さん役の永作さんが、堪らなく良いです。

    【ストーリー】
    戦場カメラマンの安行と人気漫画家の由紀は結婚し子供にも恵まれたが、安行のアルコール依存症が原因で離婚し別々に暮らしていた。やがて安行は、10回目の吐血で入院することに。患者や医師たちとの交流や家族の深い愛情に支えられ、次第に体力も心も回復していった安行。しかし彼の体は、もうひとつの病気を抱えていた─。出演は浅野忠信、永作博美ほか。

  • 時間があれば

  • 戦場カメラマン鴨志田さんの自伝的小説を映画化したもの。とにかくアル中度がすごい鴨志田を浅野忠信がリアルに演じてました。「地獄を見たというけれど、その地獄で生きている人はどうなんだ」という医師のセリフがすごく重かった。なんか生きる場所で、その人の感じ方とか何を大切に生きるかとか本当に変わってくるんだなと思いました。癌を宣告された後は家族と暮らせてよかったのかなぁ。

  • 「毎日かあさん」の別視点ver おもしろかった。緊張感があるようで全然ないような精神科の閉鎖病棟の独特の雰囲気が懐かしかったw 浅野さんのロン毛なら美しい…… フーフフーフー日記の宣伝で

  • 浅野さんの演技が低血圧な感じに見えて、感情移入ができなかった。暴力シーンも迫力がない。教習所で流される教育ビデオを観てるようだった。ただ、離婚した後もなぜ会っているのかと医師に問われたときの返答が、離れられない彼女の辛さをよく言い表しているなと思った。それと後半の、悲しいのか嬉しいのかわからないという言葉は妙にリアルな感じがした。

  • アルコール中毒の主人公が自らの人生を乗り越えようとしていく人間ドラマである。

    アルコール中毒患者やその周囲の人々の苦悩、それをどう克服するのかが描かれている。

    アルコール中毒を克服するためには映画のような周りの理解や協力は必要なのか、と初めて知った。
    主人公とその家族の最後の一時は少し感動した。嫌いだけど、居なくなると寂しい。この微妙な言い回しが永作さんの演技にれていたように思う。

  • TV番組でやったのをHDDに録画して見た。

    西原さんの原作は、悲しくて、温かくて、とても良いと思う。
    でも、主演の、浅野が、キレイすぎる。
    アル中の患者は、もっと薄汚れていて、汚くて、醜くて、情けなくないといけないと思う。
    主演が浅野でも良いけど、役作りとして、もっと薄汚れていなきゃいけない。
    リアリティがない。

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