引き裂かれた女 [DVD]

監督 : クロード・シャブロル 
出演 : リュディヴィーヌ・サニエ  ブノワ・マジメル  フランソワ・ベルレアン  マチルダ・メイ  カロリーヌ・シオル  マリー・ビュネル  ヴァレリア・カヴァッリ  エチエンヌ・シコ  エドワール・バエール  ジャン=マリー・ウィンリング  ディディエ・ベニュロ  トマ・シャブロル  ユベール・サン=マカリ―  セシル・メットル  シャルレー・フケ  ジェレミー・シャプラン  クレマンス・ブルテシェール 
制作 : パトリック・ゴドー 
  • 紀伊國屋書店 (2011年9月23日発売)
3.43
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本棚登録 : 73
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215058735

感想・レビュー・書評

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  • フランス産クズ男の輝き。サニエ可愛いです。

  • シャブロルが他界の3年前に撮った。フリッツ・シャブロルはラングの姿勢と似ていることがある。ラングは、殺人は犯罪だと知りながらも映画における殺人の光景から目を背けたりはせず、窃盗、裏切り、姦通、拷問、恐喝はいうにおよばず、無慈悲な自然災害や大量殺戮にさえ、誰も深く傷つくことがないのだから、映画はそれとは異なる始末におえぬ禍々しさへと観客を誘うしかないと確信する。

    主人公の妻は、およそ新鮮さからは遠い肉体を誇示しながら、水着姿のままプール際で語り合う。この成熟した男女を見ていると、頽廃の一語で要約するのがなぜかためらわれ、彼らの倒錯的な遊戯を繊細な文化的達成として認めてもよかろうという思いにさえ誘われる。イーストウッドに劣らず、シャブロルもまた変態にキャメラを向ける達人である。

    妻と編集者とテーブルを囲んでいる作家にレストランで出会ったボンボンのポールが、空疎な階級的な言辞を駆使して、主人公に迫る場面の固定キャメラを基調とした演出も、何かが起こりそうな気配をみなぎらせて見事というほかない。

    また、若いガブリエルのひたむきさを擁護するほど、シャブロルはやわな映画作家ではない。彼は、まがまがしく露呈された愛の始末のおえなさを描いただけである。


    【ストーリー】
     編集者カプシーヌは、リヨン郊外の田舎町モンヴァランに妻と住む高名な作家シャルル・サン・ドニ(フランソワ・ベルレアン)を訪ねる。シャルルは新作を出版したばかりで、担当編集者のカプシーヌは、彼にTV出演と書店でのサイン会を頼みに来たのだ。
     ローカルTV局のお天気キャスター・ガブリエル(リュディヴィーヌ・サニエ)はメイク室で、インタビュー番組に出演するシャルルと出会う。インタビュー後に開かれた関係者のパーティーで、シャルルはガブリエルに見とれる。
     翌日、書店のサイン会でシャルルとガブリエルは再会する。シャルルはガブリエルをオークション会場に誘う。オークション会場で、若いハンサムな男ポール(ブノワ・マジメル)がシャルルに悪態をつき、ガブリエルに言い寄る。
     ポールはTV局の入口でガブリエルを待ち伏せし、食事に誘う。ポールの父はゴダンス化学研究所の創設者で、10年前に亡くなっている。父の遺産を相続したポールは仕事もせず、毎日ブラブラしていた。
     シャルルはオークション会場で1冊の本を競り落とし、ガブリエルに渡す。帰りにリヨン市内の仕事場に行った2人は自然と結ばれ、順調に愛を育んでいく。
     ある晩、執筆に行き詰ったシャルルはガブリエルを秘密の社交場へ連れて行き、何も知らない彼女を上の階の乱交用(!)の部屋に導く。帰りの車中、ガブリエルはぐったりとしていた。翌日、シャルルはロンドンに出張で出掛けてしまう。
     ガブリエルが彼の仕事場を訪ねると、鍵が換えられていた。ショックを受け、寝込んでしまったガブリエルをポールが見舞う。ポールはガブリエルを海外旅行に連れていく。元気を取り戻したガブリエルは、酔った勢いでポールの求婚を受けてしまう。しかし彼女には、過酷な運命が待ち構えていた。
     20世紀初頭のアメリカで起きた事件を元に描くサスペンス・ラブストーリー。2人の男から愛された女が次第に自分を見失い、過酷な運命に翻弄されていく。
     監督はクロード・シャブロル。出演は、「8人の女たち」のリュディヴィーヌ・サニエ、「ピアニスト」のブノワ・マジメル。

  • ありがちな話だなと思いながら、最後まで面白くみた。
    「文字通り」、切り裂かれた女。電動ノコギリのシーンにはびっくりした。そこまでするか、と思うようなことを平気でやってのけている。それがかえって新鮮。

  • 海外激しいすなあ

  • 女は絶対、追われる恋愛の方が幸せになれる。でも、今回の男性はどちらも、どうかしらね~。

    フランス映画らしくて、好きです。
    ラストシーン、最高。

  • 幸せな恋愛って何なんだろうと考えさせられる。愛することと愛されること本人の意思ではどうにもならない・・・。魅力的であるがゆえに不幸になることもある。平凡って一番幸せなのかも・・・。【WOWOW録画】

  • ミステリーとしてのストーリーが優れているとか、どんでん返しがあるとか
    そういう面白みはないのだが、この監督の作品って記憶にのこるんですよね。何が良いのかいまいち判らないのですが。

  • 追われる愛より、追う愛を。

    ガブリエルが若くて裕福なポールよりも、大人で包容力のあるシャルルに惹かれる気持ちわかるなぁ~。

    美しさゆえに、二人の男性に愛されてしまった女性に起こる悲劇。
    「引き裂かれた女」という邦題を体現したラストが秀逸でした。

    (2007年 フランス)

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