講演者や講師を行う人にとって「つかみ」の参考になる本である。
視野狭窄に陥っていることを参加者に気づかせるために、講演やワークショップで「つかみ」という形で披露されるネタがある。本書に示されているもののいくつかは私自身も見たことがあるものだった。
私自身講師業を行っていたり、後進を育成するという立場にあるのだが、成長しない/できない人の多くは「思い込み」に囚われている。また、それが自分の甘えであることにも気がついていない。
人は無力な状態で生まれてくるが、パートナーを見つけ子を授かり、それを育てる段階ではパートナーと協力しあってその成長を助ける側にまわる。そこには「嘆く」「言い訳を言う」という選択肢はない。
何らかの解決方法は必ずあり、意外にそれは困難なことではない。本書が示す通り自分の枠から出る、他者に助けを求める、できることを前提にバックキャストするなどやりようも多数あるのだから。