愛人 ラマン【無修正版】 コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]

監督 : ジャン=ジャック・アノー 
出演 : ジェーン・マーチ  レオン・カーフェイ  フレデリック・マイニンガー  アルノー・ジョヴァニネッティ  メルヴィル・プポー  リサ・フォークナー  ジャンヌ・モロー 
  • ジェネオン・ユニバーサル
3.55
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本棚登録 : 60
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102088897

感想・レビュー・書評

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  • §優れた映像美と最低のストーリー

    1.映像美
    これでもかと言う映像美、丹念に再現された戦前の仏領インドシナの街並みとその喧噪、メコン川、海、船の美しさ、街に降り注ぐ雨の表現。ストーリー/内容が下らなくてもこれだけで十分楽しめる。

    ガラス越しのキス、これは宮崎駿も「未来少年コナン」でやっているが、何方も今井正の「また逢う日まで」へのオマージュだろう。此方では深く愛し合う男女が結ばれる事無く戦争で殺され引き裂かれた。

    付録のメイキングオブの方が本編より映画好きには1000倍面白い。俳優の人選は当然だが、小道具大道具の本物に拘る監督、忙しくも充実していただろう。

    若かりし頃の原作者と交友があった、「まるで霞を食って生きている中国の仙人」の様なベトナム人の御老体。当時を回想するに、流暢と言うよりまるで俳優の様に生き生きと表情豊かにフランス語を喋る。監督の言う「プライドの高い民族」云々を垣間見る。
    私も韓国旅行時に父と同年配の御老体が「ほぉー英語を話す!」と日本語で私に語り掛けて来た。何方も耐え難い植民地支配の名残だろう。

    2.ストーリー/内容
    大金持ち=支配階級のお坊ちゃんのだらしなさ。この一言に尽きる。
    財産は莫大だが、働く能力も、愛する女性と駆け落ちする勇気も無い、女性を愛する資格など全く無い主人公。ヒロインもその裏返しに全く同じ事。
    恋愛を描いた筈が相手に対する思いやりとか愛するが故の苦しみは殆ど描かれず、結局の所セックスの繰り返ししか見せていない。最後にお互い愛し合っている事に気づいた所で、それはなんとも希薄な恋愛感情だろう。
    なんか時代的にも地理的にも森鴎外の「舞姫」を感じてしまう部分もある。しかしこちらのモデルとなったドイツ人女性は「嫁にしてくれ」と日本まで追いかけて来たそうだ。
    また、生活感の希薄さ、恋愛感情希薄で男に簡単に体を許してしまう所は同じフランス人作家のフランソワーズ・サガンの「悲しみよ、こんにちは」にも通じるのだろうか。
    原作は有名な作家らしいがツマラナイ内容には変わりない。

    富める男性が貧しい女性を玩具にした話に過ぎず、これは残念な事に何時の世も、どの民族間でも繰り返されている。

    我が国にだってあるだろう、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」、そして逆では、我が国が犯した侵略戦争での従軍慰安婦の問題。

    折角富める男性が欧米人から見下される中国人で、玩具にされるのがフランス人という複雑さのある面白い設定でも、原作者にはそれを真摯に見つめる眼差しが希薄。

    「小市民的」とはこうした事だ。

  • レオン・カーフェイが出ているので見た。
    がっくり、幻滅・・ 「楽園の瑕」の飄然とした武人はどこに行ったのだ~ 年代的には「ラマン」の方が2年前なんだが・・ 今回の役柄からはある程度想像できたものの・・ 
    やはりフランス植民地での中国華僑とフランス人女性、という組み合わせからくる、どうしようもない差別感にうちのめされている。ベットの上でも。

    レオン・カーフェイに思い入れが無ければ、マルグリット・デュラスの自伝的映画、ということで、そういう経験をしたのね、とさらりと終わったかも。ただ、冒頭のメコン川の雄大なシーンは美しい。

    1992フランス・イギリス
    2018.9.22レンタル

  • L' Amant
    1992年 フランス
    監督:ジャン=ジャック・アノー
    原作:マルグリット・デュラス『愛人』
    出演:ジェーン・マーチ/レオン・カーフェイ/メルヴィル・プポー/ジャンヌ・モロー

    仏領インドシナ(現在のベトナム)でフランス人少女が裕福な中国人の愛人になるというデュラスの自伝的小説の映画化。ジェーン・マーチは可愛かった。この映画でのインパクトが強すぎてその後代表作に恵まれなかった印象ですが。

    単純に少女に感情移入さえできればそれなりに切ない恋愛映画だし、映像も退廃的な時代背景と相まって独特の情緒があって好きだった。レオン・カーフェイを「このロリコン身勝手男め」と思わず、もっと好きなタイプだったら、もっと好きな映画になったかもしれない。
    (1992/5~)

  • 4.0

  • 好き。ふと、見返したくなる映画。華僑の青年役の人が、静かに怒るシーンがあって、そこが何度観ても堪らなくゾクゾクする。二人が出会って、車の中で小指が触れるシーンも好き。最期の別れの切なさもとてもいい。

  • そうよ。

    人々は賑わう喧騒の中で私の身体を横切って行った

    お金持ちのあなたが好きよ

    ショパンのワルツ

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