ブロンソン [DVD]

監督 : ニコラス・ウィンディング・レフン 
出演 : トム・ハーディ  ルイ・アンドリュー  マット・キング  ジェームス・ランス 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.34
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427653856

感想・レビュー・書評

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  • レフン監督の描く“暴力”という名の世界観には独特なものが感じられる。同監督の手がけた作品には残酷なシーンを欠くことができない訳だが、自分(主人公)の心の深淵から滲み出てくる苦悶の果てにそこ(暴力)に至ってゆくプロセスが見て取れる。


    本作ではトム・ハーディーが見事な肉体を惜しげもなく披露。スキンヘッドで見事な怪演を見せてくれている。本編の始まりから何やら異様な雰囲気が漂ってきて、若干意に反する形の不思議な牽引力によって画面に視線が固定されてしまった。

    暴力に訴えることでしか自己表現する術を得ない反面で愛しいものを見つめる瞳は違っていた。


    “オンリー・ゴッド”と2本立てで観賞し、主人公のメンタル部分の共通性と相反する部分を見出してみるのもおもしろいかもしれない。

  • イギリスで最も有名な囚人と言われるチャールズ・ブロンソンの物語。
    幼い頃から問題児だったブロンソンは、郵便局に強盗に入ったのをきっかけに逮捕されるが、あまりにも刑務所で傍若無人なふるまいをするために精神科病院に入れられる。しかしそこでも他の囚人を絞め殺しかけて刑務所に戻され、最終的に刑務所では手に負えないと釈放される。しかしその後惚れた女性にプレゼントするために宝石店で強盗をし、また逮捕される・・・というストーリー。

    「ただ有名になりたかった」という理由がほんとに怖い。ブロンソン役のトムハーディの、明らかにどこかがおかしいんだけどどこがおかしいのか分からないというか、「こいつには何の理論も倫理も通じないのだ」という感じの演技が素晴らしい。

    あとは刑務所で出会ってのちのち違法ファイトクラブをチャールズに紹介するオネエっぽい人がとても良かったw

  • 「ドライブ」を撮った監督の作品ということで観てみた。実話を基にした、英国の凶悪な犯罪者を描いた映画。一般受けする映画では全然ないね。これは途中で観るのやめるかもな、と思ったら、最後まで観てしまった。途中で観るのやめてもおかしくないタイプの映画だけど、自分は何に惹かれて最後まで観たのだろう。ジョーカーの実在版?とはちょっと違う気もするが、自由な感じはした。Wikipedia見たら、一部では「21世紀の『時計じかけのオレンジ』」と評されているとのことで、なるほどそうかもしれない。

  • こいつはイカれている。トム・ハーディーの演技に圧倒される。気持ち良い要素全くなし。なんでそんなに暴力的なの?なんでそんな揉め事ばっかり起こすの?平穏に暮らせんの?と疑問疑問疑問。

    見終わってぐったり。その後調べたら、実際に彼は未だに刑務所にいて、アートに力を注いでいるそうだ。

    トム・ハーディー!

  • 暴力で有名になる!と決めたピーターソン、父親から教わった折れない心を胸に何があろうと殴るのをやめないッ!というクソ迷惑な話 …なんだけど純粋で真っ直ぐでブレないかっこよさがあった!武装した警官相手に全裸で挑むのはポリシーなのだろうか…?(笑)良い悪いは抜きにしてブロンソンの生き方面白くて愛おしい…お髭も可愛い… トムハーディの狂気的な演技も魅せる~

  • シネマカリテで500円上映。会社帰りにすっしーと鑑賞。すっしーと会社帰りにふらりと映画を観に行くことがあるんだけど、彼はだいたい寝ますね。または眠気防止のため最後尾で立ち見。それが彼のスタイル。
    そんなすっしーと見に行ったトム・ハーディ主演のブロンソンは、全編にわたりトムがいちもつをぶらんぶらんさせながら殴る!蹴る!の嵐。人生のほとんどを刑務所の中で過ごした男の実話だけに、大部分が裸の男の喧嘩シーン。(ファンの人には残念ですがボカシ入りです)。

  • トム・ハーディー良かったし、すぐトラブルを起こすブロンソンはなんだか笑えるけど、レフン監督って他に2本しか見てないけど、なんだか見てるとダレてきちゃう印象。変化を急につけすぎなのかなぁ・・・。わりとライトなところにセンスある人のような気がする。

  • トム・ハーディみるための映画。フルチンになって、司書さんに、おそらくワセリンっぽいものを塗らせる下りはいいよね。あとART ROOMにたてこもり、自身の才能を見いだした美術教師にまたしてもペイントを施し、自分の作品だという。そこで美術教師が涙をながし白い絵の具が一筋流れるところが、もうたまりませんね。アウトサイダー風ではあるけど、微妙にインサイドなブロンソンの天の邪鬼な気質は、わからないでもない。

  • 英国史上最恐の犯罪者ということだけど、
    殺人犯でも性的な異常者でもないことに驚いた。

  • ここまでやられると、笑うしかない。主人公の語りで物語が進む、ってのが良かった。ライジングではいまいちパっとしなかったトム・ハーディですが、ブロンソンでは最高にいかしてます。

  • トムハーディーはこの映画をきっかけにダークナイトライジングのベイン役を掴んだらしいけど、それも納得の傍若無人の暴れっぷり。
    イギリスで最も有名な囚人と言われる実在の人物チャールズ・ブロンソンを描いた映画だが、とにかくこのブロンソンという男はむちゃくちゃ。有名になりたいという理由だけで人をぶん殴りまくり、刑務所でもひたすらに誰彼かまわずぶん殴る。
    その暴力性は理不尽極まりないが、そんな暴力性を描くのにこれ以上適役はいないニコラスウェンディングレフン監督。
    相変わらずの狂った映画作りで楽しませてもらいました。
    ちなみにブロンソン本人は、34年の刑務所生活のうち、30年を独房で過ごし、いまだに服役中らしいです。

  • これ・・・めちゃくちゃ良い映画やんかいさ!!!
    一箇所、とあるシーンで泣きましたよもー・・・
    次のシーンで涙がすぐ引っ込んだけども!(笑)
    「わけわかんない映画」とかよく言われてますが、
    全然わけわかる映画です。非常にわかる。

    たまたまピーター・ジャクソン版『キング・コング』も『ブロンソン』も
    どっちも録画してて、消すために観ただけなんですけど・・・
    『キング・コング』とテーマはほぼ一緒で、あれより全然泣けます。
    『シザーハンズ』にも近いかも。

    『ドライヴ』もぼちぼちよかったんだけど、好きなのはこっちかなあ。
    でもこっちはバイオレンスシーンが全然ダメでした。
    当たってないんですよ・・・ちょっと撮り方が下手で。
    ちゃんと当たってるように見えないから全然エグくないです。
    もっとちゃんとエグくしてほしかった・・・。
    一箇所、上から撮ってるとこがあって、完全にダメ。
    だもんでバイオレンス要素としては『ドライヴ』の方が上。

    そういうところも含めて、この映画はコメディ要素も大きいです。
    かなり笑えました。

    『ダークナイト』のジョーカーっぽくもありました。
    ジョーカーの場合だと、他人に選択を迫ったり
    そして動機が有名になるためではなく、「バットマンや人間を地に堕とす」
    ことだと思うし、わけわからないところが怖いんだけども
    『ブロンソン』はわけわかるもんだから泣ける。
    ノーランはやっぱりこれを観てベインに起用したんじゃないかなあ。



    ここからちょっとだけネタバレ・・・
    『キング・コング』と近いというのは、表現手段の話だから。
    この映画の主人公は暴力以外に表現方法がないんですよ。
    コングはでっかいゴリラだし最初から野獣なんで、
    動物愛護な人からすると「かわいそう」ってなるんだけど
    ブロンソンはおっさんですからね。
    だから、人によっては全然同情や共感できないだろうけども
    僕は人間の方がより切ないと思うんですよね。

    だって、ゴリラはしょうがないじゃん。野獣だもん。連れてきたのは人間だし。
    逆に、人間は人間社会で生きなきゃいけない宿命がある。
    そこが切ないんですよ・・・。

    これはたまたまこの人の表現手段が「暴力」だっただけで、
    この部分を他のものに置き換えることもできるわけです。
    観てる人それぞれね。
    レフン監督も、この実在の主人公に同調できる部分があるそう。
    「彼は昔の僕だった」って。
    監督にとっての表現手段ってのは映画ですよね。

    だから、文章を書いたり絵を描いたり、映画を撮ったり写真を撮ったり
    その他、色んな表現をすることを趣味や仕事、人生の生きがいにしてる人ほど
    この映画は「わかる!」んじゃないかなあ。
    そうじゃない人は全然わかんないのかもしれない。
    ライムスターの宇多さんがこの映画を絶賛してるのだって、
    彼も表現者だからじゃないですかね。

    表現手段の話だから、「人生劇場ですよ」って描写。
    これがラストに繋がってて、最後に表現したのは自画像。
    丸サングラスって『ホワイト・バッファロー』の時にブロンソンがかけてた。

    もちろん、動機が「有名になりたい」ってことだったりするんですけど
    表現者ってそういう部分は大なり小なりあるんです。
    芸術も一種のコミュニケーション手段で、他人がいないと成立しない。
    他人、世の中に自分の作品の価値を問うて初めて成立するんです。
    だから有名になることって、イコール自分の作品がいろんな人のもとに
    届くってことでもあります。

    最近観た映画だと、『パピヨン』『西部戦線異状なし』なんかと一緒なのは
    刑務所の外に出るとやることなくなっちゃうんです。
    刑務所の中で暴力を振るうのが唯一の生きがい、存在意義だから
    外に出て「やりたいことは?野望は?」って訊かれても困っちゃう。
    『西部戦線異状なし』だと、戦地から地元に帰ってきても
    「あいつら本当の戦争のことなんてなんにもわかってねえ!」と。
    また戦地に戻ると、「ここが俺の居場所だ」ってなる。
    まったく一緒なんじゃないですかね。

    その他の映画とのかかわりについて。
    レフン監督は『ドライヴ』のときに、デヴィッド・リンチが好きで・・・
    ってことを聞いてたんですが、こっちの方がわかりやすく引用されてますね。
    『時計じかけのオレンジ』『キングオブコメディ』にも確かに近い。
    けれど、『時計じかけのオレンジ』と全然違うのは、
    この映画の主人公は徒党を組まないですから。
    あくまで個人の話に終始している。
    『時計じかけのオレンジ』の方がバイオレンス描写は上で、
    この映画はコメディ寄り。
    途中のアニメーションは『モンティ・パイソン』のテリー・ギリアムっぽい。

    当然忘れちゃいけないのが我らがチャールズ・ブロンソンについて。
    実在のブロンソン=マイケルの方がほんとにブロンソン好きだったかはともかく、
    レフン監督は好きなんじゃないですかねー。
    「『狼よさらば』は名作です」って2回も言わせてるし!!
    ほんとそうだよ!!俺もそう思う!!
    主人公が、ニコって笑ってすぐ真顔に戻るじゃないですか。
    あれもたぶんブロンソンのマネじゃないかなあ。

  • レフン監督作品 鑑賞 第4作目です。
    またしても凄い作品だ…彼の作品を観る度に何とも抗し難い圧倒的な男クサさを感じる。ヴァルハラ…とドライブでは静を…本作ブロンソンでは動の男を描いている。
    ベースになる人物がいる物語であるのは分かるがレフン監督の描きたい男性像とは動であれ静であれ、確固たる信念が尽き動かす衝動とでも言えばいいだろうか、ともかく強烈な男の個性を眼前に突きつけるような作品ばっかりだ。
    本作も胸の内の底からズンズンと得体の知れぬ原始の記憶が疼き、噴出するような強烈な映画でした。素晴らしい作品です。今回も驚きと熱狂…を感じ得たとてもいい体験でした。素晴らしい作品であり、ますますこの監督が好きになった。最後にどの作品もそうだが本作も音がとてもいい…

  • トム・ハーディ目当てに。暴力的な主人公の言動とBGMとのアンバランスさがシュール怖い…。

  • ビーストのような男の生きざまを賞味する……映画では、決してない。
    彼は暴れる。怒鳴る。しかしそれだけでなく、喋るのだ。
    舞台上で観客の拍手や笑いに包まれ、喋る、おどける。
    「曲者」なわけである。
    考えてみれば彼の暴力は一種の自己表現で、役者でもありアーティストでもあるわけだ。
    こんな食わせ物を好きになれというのは無理な相談で、見ている側はただ圧倒されながら見るだけ。感情移入など無理。

    演出はすごく面白い。キューブリックふう、リンチふう。
    音楽も。

    演じるのはトム・ハーディ。「ダークナイト・ライジング」のマイケル・ベイン。

  • トムハーディはむきむきしてていいな。

  • ニコラス・ウィンディング・レフン祭りで観賞!したけどこれはちょっとさすがにこいすぎたなあ…。キャラクターのキチガイっぷりはもちろん演出も凝りすぎな印象。キューブリック風だったりリンチ風だったりする画面もあって面白いけど。ううむ…。ただ、主演のトム・ハーディの演技は素晴らしい!

  • う~ん、さっぱり良く判らない作品でした。

  • まずウォーカーブラザーズのムーディな曲が流れる中、フルチンで看守達を殴り始めるOPにグッときた!大好き!

    ポジティブすぎるサイコキャラほど清々しいものはないねヾ(*´∀`*)ノ人を殴っている時の笑顔がキラキラしています。
    とにかく演出と映像とトムハーディーが素晴らしい。万人受けするかどうかは分からないけど、クセになる作品。

  • 「これこそ映画でしか描けない物語だ!」と心の中で叫びつつ観ましたね。予測のつかない展開、そして意表をつく演出などなど、これぞシネマの世界です。当初は「アメリカン・ヒストリーX」などのように、停滞したイギリス社会の中で暴力でなければ自己表現できない男の物語だろうかと思うのですが、そこから話がどんどんシフトしていく。そして個々のエピソードがひじょうに印象的なのですが、それがつねに中途半端に投げ出されてしまう。まあ、強いて似ていると言えば、コーエン兄弟の「ファーゴ」「ノーカントリー」、あるいはキューブリックの「時計じかけのオレンジ」かな。それにしても、主人公のブロンソンのお目々もつるつるの頭もキュート! ブロンソンを演じるトム・ハーディは「ダークナイト・ライジング」のベインをやっていますが、このブロンソンのほうがずっと魅力的だわ。

  • レフィン監督の出世作だそうな。
    ドライヴなんか目じゃないほどクレイジーな映画でしたな!
    イギリスで最も凶暴な男、ブロンソンを描いた映画ですが、素直な再現ものではありません。
    ブロンソンの脳内劇場を舞台にぶつ演説の奇妙なことったら。
    まさに見世物、クレイジー!
    完全に理解不能なモンスターです。
    時計じかけのオレンジのように、
    主人公の純粋な狂気に最後には観客も
    いけ、ブロンソン!殴りかかれ!と熱くなることでしょう!

  • トム・ハーディと、ニコラス・ウィンディング・レフンの出世作であるにもかかわらず、日本ではDVDスルーされた、として有名な作品です。

    確かに、93分の短さで、非常に楽しめるし、トム・ハーディの狂気に満ちた演技を観ることができますが、日本の映画館の少なさを考えれば、泣く泣く割愛された、とも考えられます。

    「ダークナイト」で、ジョーカーは、不意を突いた攻撃を、武器を使って、かましてきていた一方で、本作のブロンソンは、素手しか使わないので、攻撃はある程度予測できるので、ジョーカーよりは、安心してみていられます。ですが、自身の妄想のステージ上で、一人二役を演じる様子は、ジョーカー並みに狂気。必見です。

  • 英国のマジキチ囚人の自伝?映画。面白いわけではないんだけど、トム・ハーディの狂演と、静止画を多用した実験的な映像で忘れらてない映画になりそう。

  • 監督の最新作「ドライブ」の衝撃のおかげで
    DVDが見られるようになったみたいです。

    フィクションのような実在の英国の有名な犯罪者の伝記。
    最初と最後に実話に基づく・・・と出ますが
    あまりの規格外の行動がフィクションとしか思えない人。
    ただ、あくまで伝記ということで事実と大きく違う脚色はできなかったのか
    残念なことに何となく地味な感じが残る。

    それはそれで正直な感想だが
    監督のニコラス・ウェンディング・レフンの表現力、絵作りのセンスは
    卓越したものを感じます。
    カメラマンがキューブリック組の人らしくあの独特の空気感が
    テーマとマッチして良い味を出していた。

    とにかく主演のトム・ハーディがすごい。
    彼なくしてこの映画はなかっただろう。
    ダークナイト・ライジングのあの悪役の原型のよう。
    甘いマスクの青年も演じる(「裏切りのサーカス」)すごい役者さんだ。

    苦手なバイオレンスシーン満載の映画でしたが
    まるっきりフィクションのホラーやアクションと違って
    伝記ということも理由なのでしょうけれど
    等身大的バイオレンス・レベルだったので観れた。

    ★三つですけど、見ごたえのある映画で
    観てよかったと思います。

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