姉飼 (角川ホラー文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 5
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感想・レビュー・書評

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  • 今はなき『角川ホラー大賞』受賞作。
    本作は受賞作のなかでも、一二を競うくらいグロテスクです。
    遠藤徹さんの小説はもっと読みたいんだけど、もう書かないのかなあ。

    ちなみに、本作が出た頃の角川ホラーってグロに全力で突っ走ってた気がする。あの熱狂はいったいなんだったんだろう……?

  • 【2024年24冊目】
    表題作の姉飼いが読みたくて買いましたが、それ以外の3つのお話もめちゃくちゃパンチ強くて、物語が変わる度にどっぷりとその世界観に惹き込まれました。あらすじのおぞましさに読むのを躊躇してましたが、怖くはないのでホラーが苦手な方でも読めると思います、想像力をあまり、働かせなければ。

    「姉飼」
    一行目、始まりから痺れました。あと「みんなご存知蚊吸豚」みたいな感じであらすじで普通に「蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜」って書かれてましたけど、知らんよ。なんなら脂祭りも知らんよ。でもちゃんと本文に説明が書かれていたので安心して下さい。

    姉に魅入られてしまった僕。あとがき読んでたら「キュンとしめつけられるような切なさが残る」って書かれてましたが残るかぁ!欲望に翻弄された男と「姉」を描いた作品に胸キュンせんだろどないなっとんねん!

    あと、表紙はこのタイトルを現したものにしてるのかもですが、どう見ても姉じゃなくて妹では…目が若干焦点あってないの、ほんと…良すぎ。

    姉を姉という意味で読むとやばさが際立つんですか、姉を姉という固有名詞と思わなければ、姉という名のなにかとして頭の中でも処理できるなぁなんて思っていました。名称の大事さを教えてくれる作品なのかもしれな、違うか。

    「キューブ・ガールズ」
    どっちかというとこの話が一番切ない系だと思う。無理やり分類するなら、ですが。最後の終わり方で「ああ、きっと時間なんだね」って思わせてくるのが良かったし、人間の残酷さが良かった。

    「ジャングル・ジム」
    もしかして、ジムって名称から擬人化しました?会話してるところはまだうんうん、って思ってたけどベッド・インしたところで負けました。ジム…?結局誰よりも人間くさかったお前は何者だったんだい?

    「妹の島」
    死体の描写がとても良かった。こんなこと書いたら危ない奴だと思われそうですが。特に2人まとめて見つかったやつ、良すぎて心の中でガッツポーズしました。こういう、こういう風に狂ってるの好きなんですよ。

    お話全部楽しめました。

  • はちゃめちゃで草

  • タイトルと表紙買いしたので、監禁物??と読み進めると…姉…?
    夜市みたいな世界なのかなと思ったら、それより現実的で残忍、でもちょっと純愛。笑
    姉飼といいジャングルジムといい独特の発想で、人は選びそうだけど賞を受賞したのも納得の面白さだった。

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著者プロフィール

遠藤 徹(えんどう とおる)
1961年神戸市生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部教授。研究テーマはプラスチック、モンスター等多岐にわたり、以下のような評論・研究書を著している。『溶解論 ―不定形のエロス―』『プラスチックの文化史 ―可塑性物質の神話学―』(ともに水声社)、『ポスト・ヒューマン・ボディーズ』(青弓社)、『ケミカル・メタモルフォーシス』(河出書房新社)、『スーパーマンの誕生 ―KKK・自警主義・優生学―』『バットマンの死 ―ポスト9.11 のアメリカ社会とスーパーヒーロー―』(ともに新評論)など。
また小説家としても活躍し、「姉飼」で第10回日本ホラー小説大賞を受賞、「麝香猫」で第35回川端康成文学賞候補となる。主な作品集に以下のものがある。『姉飼』『壊れた少女を拾ったので』『おがみむし』『戦争大臣』(以上、角川ホラー文庫)、『ネル』(早川書房)、『むかでろりん』(集英社)、『贄の王』(未知谷)など。最新刊は本書と同時刊行の『七福神戦争』(五月書房新社)。

「2018年 『七福神戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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