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感想・レビュー・書評
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【2024年52冊目】
ホラーとSFが混ざりあったような小説。亡き妻と共にありたいと願った主人公が、ヌメリヒトモドキと呼ばれ、その世界では忌避される生物を妻として育成していくのですが、最初は冷静だった主人公が、ヌメリヒトモドキが妻の面影を濃く見せるようになるに従って、どんどん狂っていきます。と、いっても一気におかしくなるんじゃなくて、徐々に狂っていく静かな狂気が怖いこと…。
途中から思わぬ変化を見せ始めて、物語は思いもよらぬ終焉に向かいます。そう来たか、と思いつつあれだけの一途な愛情が拗れまくった挙句とんでもないことになったな、という印象。
文体が洗練されていたのがまた怖かった。まともな感じしかしないのに、根底にあるのは狂気なんですもの…。ヌメリヒトモドキという存在からして、結構とんでも設定だと思いますが、文体のレベルの高さが物語を陳腐にさせることなく最後まで引っ張っていったのが見事でした。
でも、メディアミックスは絶対して欲しくない作品ですね。見たくない苦笑詳細をみるコメント0件をすべて表示
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