ゲーム理論の思考法 (中経出版) [Kindle]

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  • KADOKAWA / 中経出版
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感想・レビュー・書評

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  • MBAマネージメントブックの最後の章で言及されていたゲーム理論。駆け引きを合理的に分析しながらも、人間の判断の揺れみたいな物が影響を及ぼすあたり、面白そうな領域。

    利害損得を数値化して二者のどちらが利益を得られるかを4象限で考える囚人のジレンマ、同調することで利益を産むコーディネーション・ゲーム、心理戦になりがちな譲歩するしないを判断するチキン・ゲーム、ナッシュ均衡が存在しないマッチング・ペニーズ、テリトリーを増やす事を考えるホテリング・ゲーム、時間の流れを考慮に入れるダイナミック・ゲームなどなど、構造が説明されストーリー仕立てなので読みやすい。
    ゲーム理論が目指しているのは、「ゲームの構造を理解する」、「未来を予測する」、「適切な解決策を見つける」という事。

    著者は、大学の先生であり、経済及び金融市場の変動に関する理論研究を専門とする川西諭氏。

    この本の対象読者は、中学生くらいから読めそうだが、ゲーム理論をテレビゲームの何かと勘違いして手にとって、つまらないっていう感想になっても勿体無い。だとしても、一読しておいて損は無い。現実世界でどう使えるかは別にして、ゲームの構造を認識出来ると生きてく上で役に立つに違いない。

    読後に、シャワーを浴びていて、ふと三国志を思い起こしてしまった。黄巾の乱で、混沌とした世界に、天下三分の計でゲームの構造を作って、チキン・ゲーム、ホテリング・ゲーム、コーディネーション・ゲームが、時間軸に組み込まれて物語が作られているんだなと。

    戦略系の物語は、この本の知識があるとより冷静に、面白く読めるかもしれない。

  • ゲーム理論の入門書としてはよくできているかと。ひと通り基本的なところはわかりやすく説明されている。

  • p136
    あなたの職場で最悪の結末を回避できているとしたら、きっと誰かが譲歩し、我慢してくれているからです。

    p209
    繰り返しゲームの持つ「長期的関係」という構造が問題解決へのヒントを与えてくれるような気がしてなりません。

    ゲーム理論の理屈はなんとなく分かったが、成功実例も乏しく、目からウロコ的な発見はなかった。

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著者プロフィール

川西諭上智大学経済学部教授。東京大学大学院経済学研究科を経て、1998年より上智大学経済学部で教鞭をとる。経済学博士。おもな研究分野はゲーム理論と行動経済学を応用した経済社会分析。経済変動や金融危機、環境問題、少子高齢化や地域の活性化など、さまざまな問題に取り組む。現在は、地域や企業内における人間関係が経済活動に与える影響を多面的に分析し、理想的な人間関係を実現するための介入方法などについて研究している。おもな著書に『ゲーム理論の思考法』(KADOKAWA/中経出版)、『経済学で使う微分入門』(新世社)、『図解よくわかる行動経済学』(秀和システム)、『金融のエッセンス』(共著、有斐閣)、『マンガでやさしくわかるゲーム理論』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。

「2023年 『マンガでわかる行動経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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