- Amazon.co.jp ・電子書籍 (255ページ)
感想・レビュー・書評
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MBAマネージメントブックの最後の章で言及されていたゲーム理論。駆け引きを合理的に分析しながらも、人間の判断の揺れみたいな物が影響を及ぼすあたり、面白そうな領域。
利害損得を数値化して二者のどちらが利益を得られるかを4象限で考える囚人のジレンマ、同調することで利益を産むコーディネーション・ゲーム、心理戦になりがちな譲歩するしないを判断するチキン・ゲーム、ナッシュ均衡が存在しないマッチング・ペニーズ、テリトリーを増やす事を考えるホテリング・ゲーム、時間の流れを考慮に入れるダイナミック・ゲームなどなど、構造が説明されストーリー仕立てなので読みやすい。
ゲーム理論が目指しているのは、「ゲームの構造を理解する」、「未来を予測する」、「適切な解決策を見つける」という事。
著者は、大学の先生であり、経済及び金融市場の変動に関する理論研究を専門とする川西諭氏。
この本の対象読者は、中学生くらいから読めそうだが、ゲーム理論をテレビゲームの何かと勘違いして手にとって、つまらないっていう感想になっても勿体無い。だとしても、一読しておいて損は無い。現実世界でどう使えるかは別にして、ゲームの構造を認識出来ると生きてく上で役に立つに違いない。
読後に、シャワーを浴びていて、ふと三国志を思い起こしてしまった。黄巾の乱で、混沌とした世界に、天下三分の計でゲームの構造を作って、チキン・ゲーム、ホテリング・ゲーム、コーディネーション・ゲームが、時間軸に組み込まれて物語が作られているんだなと。
戦略系の物語は、この本の知識があるとより冷静に、面白く読めるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゲーム理論の入門書としてはよくできているかと。ひと通り基本的なところはわかりやすく説明されている。